
長編小説:童貞スーサイズ-93
芳雄が13歳の時、父は自ら 命を絶った。
父の葬儀に現れた謎の男から、芳雄はUSBメモリを受けとる。 中に
は父の死の秘密に関する映像が入っていた。
そして芳雄は、父と心中を図ったが一命を取り留めた少女の存在を知る。
一瞬にしてその見知らぬ少女に恋心を抱く芳雄。
さらに同封されていた父からのメッセージ。
それはニール・ヤングの歌からの引用だった。
少女への想いと父からの謎のメッセージに導かれ、少年は異様な世界に足を踏み入れていく……
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■第93話■ 島崎福男課長の送別会
(本文抜粋)
その居酒屋“虎ざむらい”の奥座敷では、中堅広告代理店である株式会社送林堂第二営業部、島崎福男課長の送別会がしめやかに執り行われていた。
15人の営業部員中、参加したのは島崎課長を除いて8人、そのうち女子社員は今年入社3年になる25歳の奥田裕子ひとり。
参加人数は島崎課長の人徳の賜物だ。
奥座敷は針でも落とせばその音が隅々に響き渡りそうなくらい、静まり返っていた。
田辺部長各位6人の男性社員は、じっと正座したまま畳を見つめている。
参加した男性社員は7人だったが、その時点であと一人はもう死んでいた。
座敷の唯一の出口である障子が半開きになっており、その前で死んでいるのが入社12年の働き盛り、樋口明(34)。
樋口の頭は、その半分が吹き飛ばされており、カウンター席に続く通路に、脳漿と血が飛び散っている。
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