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いじめはイカン!




    高校生の頃、晩ご飯を食べながらテレビを見ていたときのことだ。

    ニュースでは、いじめ問題を取り上げていた。

    被害にあった子が不登校になり

    やがて自ら命を絶った…

    という、重くて考えさせられる内容。

    目の前の父の姿が視界に入った時、

    父が神妙な面持ちで言った。

    「いじめは……ほんとにイカン」

    その言葉が、なぜか妙に重みがあった。

    昭和の銀行員で、筋金入りの堅物だった父。

    野球部のエースで鳴らしたと聞いてたが…

    いじめを経験したことがあったのか?

    父の口から何故そんな話が?

    あ、これは“昔話”が始まるなと思った瞬間
    案の定

    「わしが高校の頃、友達と学校からの帰宅中だ。
    前から強面のチンピラが寄って来てなぁ…
    『おい、金もってんだろ? 早くだせよ!』って」

    何とも言えない我が家の食卓の空気。

    「…で、怖かったから財布から
    ちょっと出して渡したんだ。
    ほんとにあれはまいった。
    いじめってのは、絶対だめだよ」

    母は、真顔で飯を食ってます。

    ……ん?
    え……??

    それ、いじめじゃなくてカツアゲじゃね??

    心の中でズッコケた😵

    (オヤジ、それ“恐喝”ですよ!銀行員だろ)

    でもさ、本人はめっちゃ真剣な顔してるし。
    間違いを諭す気になれず、黙って聞いてた。

    常識にはうるさいのに
    不思議な定義で生きてる父。

    「いじめ」と「犯罪」の境界線は曖昧なようで
    実はけっこう明確。

    でも、うちの父にとっては

    “理不尽にやられたら全部いじめ”


    ……うん、まあ、わからんでもないけどさ。




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