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その優しさは半分なのか | 脳内行動派! #13

    自宅から一歩も外に出ない日常を書いています。
    驚くべきことに、マガジンにまとめるという愚行を始めました。

    前回はこちら




    あの頭痛薬の半分は、優しさでできている。

    テレビCMでは、そんなことが大真面目に語られる。

    そんなことが成り立つのだろうか。

    つまり、こういうことだ。

    優しさ = 頭痛薬 ÷ 2

    ということは、言い換えるとこんなことになるはずだ。

    頭痛薬 = 優しさ × 2

    ここで少し考える。

    私の知る限りという狭い範囲だが、頭痛薬というものは2錠飲むものだ。

    これは早くも、意外とわかりやすい構図が見えてきた。

    その頭痛薬1錠は、優しさでできているということになるのだ。

    つまり、頭痛薬とは何なのかという式、これはCMの謳い文句に惑わされた、間違った式であるということが判明したのだ。

    四則演算を苦手とする私にとって、これは、窓辺から差し込んだ一筋の光明だとも言える。


    そもそも私は、ありとあらゆる計算式をおもむろに無視する。

    視覚を頼りに大まかな数字をざっくりと適当に組み立てる。

    その数字を目安になんとなく気分で合っているのか間違っているのかを判断するという超感覚派として日常を生きている。

    そこに端数なんてものがあってはいけない。

    当然、0.5なんて数字は、超感覚派の世界には必要ないのだ。

    超感覚派に求められるのは、そんな細かい神経質な話ではない。

    もっとおおらかに、思考の過程を求められることのない、極めて自己中心派的な数字感覚を継承したものだ。

    数字界で最も穏健な学派となるべく、今日勝手に設立されたものなのだ。


    例えば冷食のラーメンを作るとき。

    280ccなんて細かくめんどくさい数字は何食わぬ顔をして無視する。

    そんなものは300ccで構わない、と捉える。

    そんなたかだか約7.1%など、誤差の世界に過ぎないのだ。

    当たり前のように無視できる。

    また、当然、3分40秒なんてものは4分でいい。

    そんな、約9.1%の時間など、超感覚派にとっては計算する価値すらないものなのだ。


    ここで問題になるのが、どこまでの誤差を許容するのかということだ。

    超感覚派としては、ここを見誤ると、大変な惨事を引き起こすということを、常に頭の片隅に置かなければならない。

    そこで、前提としていた280ccという基準値を240ccまで引き下げる。

    これに300ccを当てたときに何が起きるのか。

    実は、比較的頻繁に、この程度のことはさらっとこなしている。

    学派設立前には、長い年月の試行錯誤の日々があるということになるだろう。

    もちろん、私は過去これまでに学派なんてものは数年に1度ドラマを見た時に聞くかどうか程度の単語なので、実際のところはどうでもいい。

    そして、240cc指示のラーメンに300ccの水を投入したとき、という本題に戻るならば、これは全く問題ない。

    元々がドロドロ気味のスープが程よく薄まって、なんとなく健康的な食品になったような気分を味わうことができるという研究結果が出ている。

    薄まるだけなので、別に健康には影響が出ないという残念な結果も伴う。

    そして、この研究結果はスープの見た目がどうなのかという話だけに根ざしていることは包み隠さず語らねばならない。

    しかし、これによってはっきりすることがある。

    240ccなんて中途半端な数字を300ccに置き換える、その増加量は25%。

    つまり、25%なんてものはただの誤差であるという事実だ。

    超感覚派として扱う数字は、常にそのように、細かい数字や計算など無視することが何より大切なのだ。


    世の中を見渡すと、実に細かい数字にあくせくしているように見える。

    エビデンスが!

    クライテリアが!

    エスティメイトが!

    そんな謎な言葉とともに、コンティンジェンシーとして20%乗せてくれ!

    なんて、そんなどうでもいい数字とともに、さらに謎の言葉が上乗せされていく。

    私ほど数字を極めると、そんなんなんとなく2倍にしとけばいいじゃん、という話なのだ。

    そうすれば、その半分を優しさに置き換えたとしても、誰ひとりとして迷うことはないだろう。

    説得力のない数字というものは、突っぱねられる。

    だから、この数字の半分は何でできているんだ?と問われたとき。

    こう答えればいい。

    「優しさです」


    手元にあるのは、あの頭痛薬ではない、他社製のもの。

    それでも2錠飲むわけだから、30%程度の優しさならば含まれているものだと信じている。




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