
ポリについて考える | 脳内行動派! #29
自宅から一歩も外に出ない日常を書いています。
驚くべきことに、マガジンにまとめるという愚行を始めました。
前回はこちら
みなさんはポリ袋というものをご存知だろうか。
ポリというのはギリシャ語の「多くの」や「複数の」という意味を語源とする。
「エチレン」という分子がたくさん繋がっているものだからポリエチレン。
従って、ポリだからビニールというのは、思い込みに過ぎないのかもしれない。
真の意味から考えると、「ポリ袋」というのは袋がたくさん集まったものということになってしまうのだ。
全く、いい加減な略語を考えてくれたものだ。
我が家ではキッチンに透明の小袋、いわゆる「ポリ袋」を常備している。
同じようなご家庭も多いのではないだろうか。
小袋がたくさん詰め込まれたそれは、まさにポリ袋だ。
ひとつでも役に立つ袋がたくさんある。
これは作業をするために、大いに役立つ。
片や浅漬けの素に、たっぷりのきゅうりを漬け込む。
片や唐揚げの下味を付けるため、鶏肉と調味料を入れる。
さらにはゴミまで纏めることができる万能性。
袋がたくさんあればこその芸当だ。
そのようにして様々な用途に使っていく。
ポリおかずが出来上がることになる。
しかし、そうしたポリおかずの面々を並べてみると、必ずしも対等ではないことがわかる。
キュウリの浅漬けは箸休め的な役割なのに対し、唐揚げは絶対的な主役。
市民と権力者。
それだけの立場的な差が出てきてしまう。
そのような立場に立つと、ポリおかずの関係性に、政治的とも言える側面が見え隠れしてしまうかも知れない。
同じように漬け込み、ポリ袋に詰められ、冷蔵庫の棚に並んでいるにも関わらずだ。
こうなってくると、
「ポリとはポリティクスという意味なのではないか?」
という疑問が浮かんでくる。
本当にそうなのか。
これは、慎重に考えるべきだ。
そのようなおかずの関係は、格差社会の縮図にも見える。
そこを仕切っているのは、あきらかにポリ袋だ。
だが、そういった政治的、社会的、立場的な関係性をポリに当てはめるのが妥当なのか。
ポリティクスをポリと略して良いのか。
ポリティクス自体が、都市国家をあらわすポリスから流れ流れた単語だ。
それなら、ポリスをポリと訳せば良いのではないか。
むしろ、そのほうがしっくりくる気がする。
これまた、ギリシャ語などという、日本では公用語になっていない言葉を語源としたものだ。
詳細はそのへんを歩いているギリシャ人を捕まえて質問すればわかるはずだ。
けれども、外出しない私は永久に確認することなんてできない。
だからもう、勝手に「ポリス」を略して「ポリ」であると定義してしまえば良いだろう。
真相はわからない。
わからないが、少なくとも、
「ポリって何の略?」
となったとき。
「それは国際的にポリティカルな問題なので答えることはできません」
などと答える必要はない。
先ほど勝手に決めた通り、
「ポリスなんです」
と、正直に打ち明けるべきだろう。
冷蔵庫の中に、同じように並ぶ唐揚げとキュウリ。
まさに、都市国家的に並び立っている。
それでこそ、ポリおかずだ。
この並立した都市国家の関係は、歴史的に見ても、永遠に続くようなものではない。
いずれ、このポリたちは、取り出されていく運命が待っているのだ。
ほんの30分から1時間。
いつも食事の準備時間が遅い、ズボラな私の手にかかれば、ポリおかずが並び立つ期間などそんなものだ。
冷蔵庫から取り出し、さらにポリスであった袋から取り出す。
ひとつひとつ、バラバラに。
油で揚げたり、皿に移したり。
ポリとなり得る要素はなくなってしまう。
破れた袋とおかずが残るのだ。
ここまで来てしまうと、もはや、ポリとは何だったのか判別しようがない。
食卓に並んだおかずたち。
そこには、屁理屈は何ひとつとして必要ない。
集合性も。
上下関係も。
政治も。
国家も。
何も必要ない。
おかずとは、ノンポリそのものだ。
深く慎重になど考えることなく、ひとつずつゆっくりと口に運んで味わう。
ただ、それだけだった。
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