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洗いやすさで選ぶ、おすすめの三徳包丁|切れ味が落ちてきたのに、研ぎに出せずにいました

    トマトを切ろうとして、皮のところで刃が少し滑った。そんな小さな瞬間に、切れ味が落ちてきたことに気づくことがあります。玉ねぎを切ると涙が前より出やすい気がする。かぼちゃの皮に刃が引っかかる。ひとつひとつは些細なことなのに、積み重なると台所に立つたびに小さなストレスになっていました。

    研ぎに出せばいいのはわかっています。近所に対応してくれる金物屋さんがあることも知っています。それでも、平日は仕事帰りに買い物と夕飯の支度で手一杯で、包丁を持って出かける時間をつくれずにいました。研いでいる間、代わりの包丁で数日をしのぐことになるのも、なんとなく面倒に感じていたのだと思います。結局、切れ味の落ちた包丁のまま、力を少し余計に入れて使う日々が続いていました。

    考えてみると、包丁というのは家じゅうの道具のなかでもいちばん頻繁に手に取るもののひとつです。朝は弁当のおかずを切り、夜は夕飯の下ごしらえをし、休みの日には常備菜をまとめてつくる。それだけ毎日触れる道具なのに、選ぶときはどうしても見た目やブランド名で決めてしまいがちで、日々のお手入れがどれくらい負担になるかまでは、あまり考えずに買っていたように思います。

    そんなときにふと思ったのです。包丁というのは、家の道具のなかでもとりわけ長く付き合うものだと。何年も使い続けることを前提にするなら、切れ味そのものだけでなく「お手入れのしやすさ」から先に考えたほうが、結局は長く気持ちよく使えるのではないか。継ぎ目の少なさや食洗機への対応、そして切れ味が長持ちするかどうか。今日は、そんな視点でわたしが見てきた三徳包丁のことを書いていきます。

    何年も使う道具だから、まず「洗いやすさ」で決める

    包丁を選ぶとき、多くの人がまず気にするのは切れ味だと思います。もちろんそれも大事なのですが、わたしが今回いちばん重く見たのは、刃とハンドルのつなぎ目があるかどうかでした。木の柄の包丁は見た目にあたたかみがあって好きなのですが、柄と刃の境目に汚れや水分がたまりやすく、そこから少しずつ傷んでいくのを、これまで何度か目にしてきました。

    一方、刃からハンドルまでが継ぎ目なくひと続きになっているオールステンレスの包丁は、その境目そのものがないので、汚れがたまる隙間がありません。熱湯をかけたり、食洗機にそのまま入れたりできるタイプも多く、使ったあとの手間がぐっと軽くなります。切れ味というのは使ってみるまでなかなかわからないものですが、洗いやすさは店頭の説明や商品の情報からでも判断がつきやすい、というのも選びやすい理由のひとつでした。

    もうひとつ気にしたのが、刃渡りと重さです。刃渡りが長すぎると小さなまな板の上で扱いにくく、短すぎるとかぼちゃのような大きな食材を切るときに苦労します。重さも、軽ければ疲れないというものではなく、ある程度の重みがあったほうが力を入れずに刃が食材に入っていく、という感覚もあります。結局のところ、これは持ってみないとわからない部分が大きいのですが、少なくとも「継ぎ目の有無」「食洗機対応」「刃渡りの目安」の3つを先に決めておくと、店頭やページの上で候補を絞りやすくなります。

    刃の素材についても少し調べてみました。三徳包丁の多くはステンレス系の刃物鋼が使われていて、鋼(はがね)の包丁に比べるとさびにくく、手入れの負担が軽いのが特徴だそうです。切れ味の鋭さそのものは鋼の包丁に軍配が上がるという声もありますが、毎日気軽に使い続けることを考えると、わたしにはステンレス系のほうが向いていると感じました。

    台所の道具全般についての考え方は、以前の記事でも少し詳しく書きました。数を持ちすぎないこと、そして良いものを手入れして長く使うことについて触れているので、よかったら読んでみてください。

    毎日ひとりで台所をまわす日の、いちばん使う1本|貝印 関孫六 匠創 三徳包丁

    わたしがいま実際に使っているのが、この貝印の三徳包丁です。買い替えるとき、いくつかの候補を見比べて最終的にこれに決めました。

    刃体からハンドルまでが継ぎ目のない一体成型になっていて、洗ったあと布巾でひと拭きすればすぐに乾きます。熱湯消毒にも食洗機にも対応しているので、忙しい平日の夜、洗い物をまとめて済ませたいときにとても助かっています。刃付けの工程にもこだわりがあるそうで、刃をつけたあとにできる角をなめらかに研磨する処理がされているとのことです。実際に使っていても、トマトのようなやわらかい食材にすっと刃が入る感覚があり、切るときの抵抗が小さいと感じます。

    ハンドルは指のかかりがよい流線型で、握ったときに手のひらにしっとりと収まる印象です。毎日のことだからこそ、こういう細かな握り心地の差は地味に効いてきます。価格は2,827円で、三徳包丁としては手を出しやすい範囲です。子どもが小さいうちは、使わないときは手の届かない場所にしまうようにしていますが、それ以外はとくに気を遣うことなく気軽に扱えるのも、この包丁を選んでよかったと思う点です。

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    何年も同じ包丁と付き合ってきた人の選び方|下村工業 ヴェルダン 三徳包丁

    実家に帰ると、母は昔から同じような包丁を使い続けています。買い替えるときも「見た目より、まず持ってしっくりくるかどうか」を必ず確かめてから選ぶ人で、いまの包丁も新潟の燕三条まで足を運んで選んだと話していました。

    母が選んだのが、この下村工業のヴェルダンです。刃渡りは165mm、板厚は1.8mmと、一般的な三徳包丁の中でもやや薄めの部類だそうです。薄いぶん食材への抵抗が少なく、力の弱い人でもすっと切りやすいのだと母は言います。重量は130gで、こちらも他の包丁と比べると軽めです。流れるような曲線を描くハンドルの形も、手になじみやすい理由のひとつなのだと思います。

    こちらもハンドルまで継ぎ目のない一体成形で、食洗機に対応しています。母の家では食洗機は使わず、いつも手洗いで丁寧に扱っていますが、「汚れがたまるところがないから、洗うのがとにかく楽」だとよく言っています。何年も同じ包丁を使い続けている人ほど、切れ味そのものよりも、この日々の洗いやすさを重視して選んでいるのかもしれません。価格は4,200円。長く付き合う一本として、はじめから少し余裕をもって選ぶという母の考え方が表れているように感じます。

    休日に台所に立つ人が、まず握って確かめたこと|ヘンケルス ミラノα II 三徳包丁

    平日は仕事で帰りが遅い夫が、休日の朝ごはんや簡単な炒めものを担当してくれることがあります。包丁を持つ回数自体はわたしより少ないのですが、それでも「握りやすさ」にはけっこうこだわりがあるようで、以前一緒に売り場に立ち寄ったとき、いくつかの包丁を実際に握って確かめていました。そのとき気に入っていたのが、このヘンケルスのミラノα IIです。

    日本人の手に合うように改良を重ねたという流線型のハンドルが特徴で、軽くて持ちやすいぶん、長時間の調理でも疲れにくいのだそうです。刃とハンドルが一体成型のオールステンレス構造で、隙間がないぶん洗いやすく、食洗機にも対応しています。刃渡りは16.5cmと標準的な三徳包丁の範囲で、肉・魚・野菜のひととおりを一本でこなせる、いわゆる万能タイプです。

    価格は3,850円。夫いわく「握ったときに軽く感じたのに、切ってみると意外としっかり刃が入っていく」のが気に入った理由とのことでした。ドイツの品質基準をもとにつくられているそうですが、生産は中国とのことです。休日にたまに立つ台所だからこそ、扱いやすさが最初のハードルを下げてくれるのだと思います。

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    家族が多く慌ただしい台所で、軽さが最後まで効いてくる|ティファール プレシジョン 三徳包丁

    子育て支援センターで顔を合わせるうちに仲良くなったママさんは、家族が多く、週末はまとめて何品も作り置きをする人です。台所に立つ時間が長いぶん、道具選びの基準もはっきりしていて、「とにかく軽いものがいい」とよく話しています。彼女が実際に使っているのが、このティファールのプレシジョンでした。

    本体重量は154gと、ここまで紹介してきた中でもいちばん軽いタイプです。刃渡りは16.5cmで、素材は刃身から柄までステンレス鋼。食器洗浄機の使用も可能とのことです。軽いというと頼りない印象を持たれることもあるかもしれませんが、彼女いわく「野菜をたくさん切る日ほど、この軽さのありがたみがわかる」とのこと。玉ねぎを何個も刻んだり、大根を大量に千切りにしたりする日でも、手首への負担が少ないのだそうです。

    価格は3,082円で、10年保証がついているのも安心材料のひとつだと話していました。作り置きのように一度にたくさんの食材を切る機会が多い人ほど、切れ味の鋭さだけでなく、この軽さが最後まで効いてくるのかもしれません。

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    長く使うつもりで選ぶ、一生ものの一本|グローバル 三徳包丁

    料理が本当に好きなママ友がいます。以前、鋳物のホーロー鍋を教えてくれたのも彼女で、道具にはお金と時間をかけて向き合う人です。彼女の台所を見せてもらったとき、他の包丁とは少し違う存在感を放っていたのが、このグローバルの三徳包丁でした。

    刃渡りは18cmと、ここまで紹介してきた5本のなかでいちばん長いサイズです。刃先とまな板が接する部分が長く、包丁を前に押し出すように切る「突き切り」という切り方に向いているのだそうです。キャベツの千切りや大根の輪切りも、安定して一気に切り進められると彼女は話していました。ハンドルまで継ぎ目のないオールステンレスの一体構造で、見た目にも美しい佇まいです。

    ここまでの4本と少し違うのは、食洗機対応をうたっていない点です。彼女はいつも手洗いで、水気を拭き取ってからしまうようにしていて、「洗うところは正直ひと手間だけど、そのぶん長く使えている気がする」と話していました。まな板は木製かやわらかいプラスチック製を選び、かぼちゃのような硬いものを無理にこじらないようにするなど、刃を長持ちさせるための扱い方も教えてもらいました。価格は12,100円と、5本の中ではいちばん高い部類ですが、何年も、それこそ十年単位で付き合っていく一本として見ると、納得できる金額なのかもしれません。便利さよりも、育てるように使うことを楽しめる人に向いている一本だと感じます。

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    研ぎに出す日のために、いま気をつけていること

    こうして5本を見比べてみると、洗いやすさという軸だけでも、選ぶ人によって少しずつ違う理由があることに気づかされます。ひとりで手早く済ませたいわたしにとってのちょうどよさと、母が長年かけて選んだ基準と、休日だけ台所に立つ夫の感じ方と、家族の多いママ友の軽さへのこだわりと、道具を育てるように使う人の考え方。どれが正しいということではなく、それぞれの台所の事情に合った選び方があるのだと思います。

    お手入れについては、どの包丁も基本は同じです。使い終わったらできるだけすぐに洗い、水分をしっかり拭き取ってから収納すること。濡れたまま放置すると、ステンレスでもくすみやすくなると聞きます。硬い食材を無理にこじらないよう気をつけるのも、切れ味を長持ちさせるちょっとしたコツだと感じています。収納の面でも、子どもが小さいうちは出しっぱなしにせず、包丁差しや引き出しの奥など手の届かない場所にしまうことを、あらためて意識するようになりました。

    それでも、どんな包丁も使い続けていれば少しずつ切れ味は落ちていきます。わたしが今回あらためて感じたのは、それ自体は避けられないことで、大事なのは切れ味が落ちたときに気負わず研ぎに出せるかどうかだということでした。洗いやすくて手入れの負担が少ない包丁を選んでおけば、日々のストレスは減らせます。そのぶん、いつか研ぎに出す日がきても、それまでの付き合いを気持ちよく振り返れるのではないかと思っています。次に切れ味の変化に気づいたときは、面倒がらずに、近所の金物屋さんに持っていってみようと思います。

    包丁は、買ったその日がいちばんよく切れて、あとは緩やかに変化していくだけの道具です。だからこそ、買うときに見るべきは切れ味の鋭さそのものよりも、この先何年も付き合っていくときの手間のかからなさなのかもしれません。トマトの皮で刃が滑ったあの瞬間から、わたしの包丁の選び方は少し変わりました。

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    みのり
    夫と小さな子どもと暮らす30代。テーマは「丁寧で、住みやすい暮らしづくり」。安いものを次々に買い替えるより、選び抜いた良いモノを長く大切に使いたいタイプです。
    このnoteは、わたしが暮らしの中で「これは良かった」と思えたものを、あなたにそっとおすすめする備忘録です。

     
     
    夫と小さな子どもと暮らす30代。テーマは「丁寧で、住みやすい暮らしづくり」です。安いものを次々に買い替えるより、選び抜いた良いモノを長く大切に使いたい。暮らしの中で「これは良かった」と思えたものを、わたしの目線でそっとおすすめしていきます。

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