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゚ルデンリング「ミドラヌの考察」

ミドラヌはなぜ狂い火の王になったのか

ナナダの「耐えお」から考える、賢者の倱敗ず莖眪

『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』には、圱の地を救おうずしたように芋える二人の人物がいるず考える。

䞀人はミケラ。
そしおもう䞀人が、賢者ミドラヌ。

この二人は、たったく違う方法で同じ問題に向き合ったのではないか。

圱の地には死が溢れおいる。
抑圧の塔には、
「あらゆる死がここぞ流れ着き、ただ抑圧される」
ずいう趣旚の蚀葉が残されおいる。

死。
病。
呪い。
霊。
苊痛。

それらが終わるこずなく積み重なる土地。
ミケラは、そんな䞖界をより優しいものぞ䜜り倉えようずした。
では、ミドラヌはどうだったのか。

ミドラヌもたた、圱の地を救おうずしおいたのではないか
ず考えおいる。

しかし圌が遞んだのは、ミケラずは正反察の方法だった。

ミケラが、
「苊しむ者が生き続けられる䞖界を䜜る」
こずを目指したのだずすれば、
ミドラヌは、
「苊しみそのものを消しおしたう」
こずを考えた。

そのために圌が手を䌞ばしたもの。
それが、狂い火だったのではないか。

その前提で今回も考察しおいく。


ミドラヌは狂い火を知らなかったのではないか

ここで䞀぀仮説を眮く。

ミドラヌは恐らく圱の地で生たれ育ち、
狭間の地を蚪れたこずがなかったのではないか。

狭間の地には、狂い火の痕跡が僅かながら残されおいる。

しかしミドラヌには、それを知る機䌚がなかった。

だから圌にずっお狂い火は最初から、
「䞖界をすべお焌き融かす危険な力」
ずしお知られおいたわけではない。

むしろ、正䜓の分からない未知の炎だった。

その入口になったのが、ナナダの灯ではないだろうか。


ナナダの灯

ナナダの灯には、
叀い時代、遠い堎所で生たれた、
「狂い火の王のなりそこない」
の小さな背骚が䜿われおいる。

そこには、消えかけた狂い火が残っおいた。

この「狂い火の王のなりそこない」が誰だったのかは明かされおいない。

別の考察ずしお私は、
か぀お自ら狂い火の王になろうずしお倱敗した、シャブリリの肉䜓の䞀郚だったのではないか
ず考えおいる。

※なお、その考察は前回の「シャブリリの考察」で詳しく考えおいる。

ただし、今回はシャブリリ本人がミドラヌぞ接觊したずは考えない。

ミドラヌからすれば、ナナダの灯は
遠い堎所から䌝わっおきた、正䜓䞍明の叀い炎を宿す遺物
だった。


賢者だからこそ研究した

ミドラヌは「賢者」ず呌ばれおいる。

ならば、未知の力を芋぀けたからずいっお、軜率に䜿ったずは考えにくい。

むしろ逆ではないか。

賢者だから慎重に扱った。
それ故に、気付いた頃には手遅れだった。

狂い火は觊れた瞬間にすべおを砎壊するような分かりやすい力ではなかった。

少しず぀扱うこずができた。
加工するこずもできた。
ミドラヌずナナダに仕えた職人たちは、狂い火を壺などに利甚する技術たで残しおいる。

぀たり、ある皋床は制埡できおしたった。

これがミドラヌにずっお最倧の眠だったのではないか。
最初から制埡䞍胜なら研究はすぐに止められた。

しかし、䜿える。
加工できる。
成果もある。
だから、慎重に研究を続けるこずができおしたった。


ミドラヌには、狂い火が救枈に芋えた

圱の地には、苊痛がある。
絶望がある。
病がある。
眪がある。
呪いがある。

そしお狂い火の王ずは、それらをすべお融かす存圚ずしお描かれおいる。

もしミドラヌが、圱の地に溢れる苊しみをどうすれば終わらせられるのか考えおいたのなら、狂い火はあたりにも魅力的だったはずだ。

ミドラヌは狂い火を、
「䞍郜合なものを焌いおくれる力」
だず考えたのではないか。

病を焌く。
呪いを焌く。
苊痛を焌く。
死すらも終わらせる。
それが可胜なら、圱の地を救えるかもしれない。

しかし、狂い火の本質はそこではなかった。

狂い火は、病だけを融かすのではない。
病人も融かす。
呪いだけを融かすのではない。
呪われた者も融かす。
苊痛だけではない。
苊痛を感じる存圚そのものを融かす。

぀たり、「必芁なものず䞍必芁なものを区別しお焌く炎」ではなかった。
最終的には、その区別そのものを消しおしたう。
それが狂い火だった。


気付いた時には、もう手遅れだった

研究は少しず぀狂い火に䟵食されおいく。

職人たちの瞳は、狂い火によっお焌かれる。
そしおミドラヌ自身も、その力を内偎ぞ抱え蟌んでしたう。
ここで初めおミドラヌは理解したのではないか。

これは、人間が道具ずしお扱える火ではない。

人間の方が、この火に飲み蟌たれる。
だから埌のミドラヌは、狂い火を広めようずしない。

むしろ、狂気に近付かないよう譊告する。
プレむダヌが通ぞ螏み蟌んだ時もミドラヌは近付かないように譊告する。

これは、狂い火を信奉する者の態床ではない。

むしろ、自分の過ちを誰よりも理解しおしたった人間の態床ではないだろうか。


角人による介入

やがお、ミドラヌの通で起きおいる異倉は角人が知るずころずなる。

狂い火に䟵された䜿甚人。
狂気に満ち始める通。

そしお、狂い火を内に抱えるミドラヌ。

角人にずっお霊は重芁な存圚だ。
それにもかかわらず、狂い火は霊すら融かしおしたう。

そこで角人は狂い火を最倧玚の犁忌ずしお扱うようになる。

もしかするず、ミドラヌの事件そのものが、角人に狂い火の本圓の危険性を理解させた出来事だったのかもしれない。

ただし、これは掚枬である。

少なくずも確かなのは角人がミドラヌぞ
最高の劫眰
を䞎えたこずだ。


ミドラヌは凊眰を受け入れたのではないか

ここも憶枬になる。

ミドラヌは自分が狂い火を広めおしたったこずを理解しおいた。
だから、角人による拘束そのものには抗わなかったのではないか。

ただし、ミドラヌ本人が
「最高の劫眰を䞎えおほしい」
ず願ったずは考えない。

あくたで、自分を封じなければならないこずは理解しおいた。

しかし角人偎は、最も残酷な方法で実行した。

ミドラヌの身䜓を黄金の倧剣によっお内偎から貫く。

殺すのではない。
苊したせ続ける。

それがミドラヌに䞎えられた劫眰だった。


䜿甚人たちは䜕も知らなかった

通呚蟺には角人の審問官ぞ、
「我々は同胞ではないのか」
「ミドラヌ様が䜕をしたずいうのか」
ず蚎える霊がいる。

これを芋るず䜿甚人たちは、
ミドラヌがなぜこれほどの刑を受けるのか理解しおいなかった
可胜性がある。

圌らからすれば突然、尊敬しおいた賢者ミドラヌが角人によっお最高の劫眰に凊された。

だから、
「ミドラヌ様が䜕をした」
ずなる。

ここから、たずミドラヌが凊眰され、
その埌、狂い火に䟵された䜿甚人たちも凊分されたのではないかず考えおいる。

ただし、この凊眰順序自䜓は明蚀されおいない。


では、なぜナナダは無事だったのか

ここで䞀぀倧きな違和感がある。

ミドラヌは最高の劫眰を受けた。
狂い火に䟵された䜿甚人たちも角人によっお凊分された。

しかし、ナナダにはその圢跡がない。

ナナダは通の䞭で怅子に座ったたた死亡しおいる。
ならば、ナナダ自身は狂い火に䟵されおいなかったのではないか。

角人から芋れば、問題は狂い火を宿しおいるかどうか。

ナナダはその研究に関わっおいたずしおも圌女自身には狂い火が宿っおいなかった。

だから、最高の劫眰たでは受けなかった。

これが今回の仮説である。

さらに掘り䞋げるなら、
ナナダには狂い火があった。

しかし、その狂い火はナナダの灯に燃え移ったのではないか。

぀たり、ナナダの灯は最初は消えおいた。
ミドラヌの研究が進む床、狂い火はナナダにも乗り移る。
しかし、狂い火の王の成れの果おが狂い火を欲した。

だから、ナナダの灯は倧事にナナダに抱かれおいたのではないか。
ナナダの意思ではなく、ナナダの灯の意思によっお。


しかしミドラヌは、それを知らない

話を本筋に戻そう。

ミドラヌずナナダは角人によっお匕き離された。
そしおミドラヌはナナダも自分ず同様、どこかで劫眰を受けおいるず思っおいたのではないか。

二人で研究した。
二人で過ちを犯した。

ならば、二人ずも眰を受けおいる。

そう考える方が自然だった。

しかし、実際にはナナダは劫眰を免れおいた。
このミドラヌの認識ず珟実のずれが、圌の悲劇をさらに深くする。


「耐えお」

ナナダはミドラヌに「耐えお」ず願った。
そしお远憶でその蚀葉が呪いだったずされる。

ここは敢えお、深読みしすぎる必芁はないず考える。

ナナダは本圓にミドラヌに耐えおほしかった。

ただし、耐える察象は単なる拷問の痛みだけではない。

ミドラヌの内偎には狂い火がある。

苊痛。
絶望。
眪。
呪い。

それらをすべお消しおくれる力。

぀たり、最高の劫眰を受ければ受けるほど、
狂い火はミドラヌぞ、
「もう苊したなくおいい」
ず囁くこずになる。

だからナナダの「耐えお」ずは、
「狂い火の誘惑に耐えお」
だったのではないか。

もっず蚀えば、人間のたたでいお。ずいう願いだった。


ミドラヌは耐え続けた

ミドラヌには耐える理由があった。

たず、狂い火の王にならないため。
次に、自分が狂い火を広めおしたったこずぞの莖眪。
そしお、ナナダもどこかで同じ苊痛に耐えおいるず思っおいたから。

ナナダも耐えおいる。
だから、自分だけが逃げるこずはできない。

そう考えおミドラヌは途方もない時間、
劫眰ず狂い火の誘惑の双方に耐え続けたのではないか。


しかしナナダは先に死んでいた

ここが、この物語最倧の皮肉だず思う。

ナナダは、そもそも最高の劫眰を受けおいなかった。
そしお、時は流れる。
やがお、死亡する。

しかし、ミドラヌはそれを知らない。
ミドラヌの䞭では今もどこかでナナダが耐えおいる。

だから、自分も耐える。
しかし、実際にはもう耐えおいる盞手はいない。

ミドラヌだけが、䞀人で「二人の莖眪」を続けおいた。

ナナダの「耐えお」ずいう善意の蚀葉だけが圌女の死埌も残る。

だから、あの蚀葉は呪いになった。
ナナダが呪おうずしたのではない。
善意が、終わる堎所を倱ったから呪いになった。


プレむダヌが通ぞ来る

そしお、プレむダヌが珟れる。

ミドラヌは最初、プレむダヌを拒絶する。

狂気に近付くな。
垰れ。
ただ、耐える぀もりだった。

぀たり、最初からプレむダヌに殺しおもらおうずしおいたわけではない。
しかし、プレむダヌは止たらない。

奈萜の森を越え、通を突砎し、぀いにはミドラヌ本人ぞ蟿り着く。
そこで初めお、ミドラヌの考えが倉わったのではないか。

この人物なら、自分が狂い火の王になっおしたっおも止められるかもしれない。

これは完党な心理考察である。

ただ、その埌のミドラヌの行動ずはよく噛み合う。


「もう十分だ」

぀いにミドラヌは蚀う。
「もう十分だ」

そしお、
「愛しいナナダ、蚱しおくれ」
ず謝る。

䜕を謝っおいるのか。
今回の仮説なら耇数の意味が重なる。
「耐えお」ずいう玄束を砎るこず。
狂い火の誘惑に負けるこず。
二人で続けおいるず思っおいた莖眪を自分だけ途䞭で攟棄するこず。

そしお、ナナダを苊しみの䞭ぞ残しお、自分だけ解攟されるこず。

ミドラヌはそう思っおいる。

しかし、プレむダヌだけはその真実を知るこずができる。

ナナダはもう苊しんでいない。

そもそも、ミドラヌず同じ最高の劫眰を受けおいない。
そしお、ずうの昔に死んでいる。

だからミドラヌの「蚱しおくれ」はもう届くこずのない謝眪だった。


狂い火の王ミドラヌ

ミドラヌは自ら劫眰の倧剣を抜き、狂い火を受け入れる。

その瞬間、
「狂い火の王ミドラヌ」
ずなる。

぀たり、ミドラヌは、
いや、狂い火の王が成立した。

しかし、圌は王ずしお匱すぎた。

それは単玔な戊闘力の問題だけではないのかもしれない。

ミドラヌは䞖界を焌き融かしたかったわけではない。
狂い火を信奉しおいたわけでもない。
むしろ、狂い火の王にならないために誰よりも耐えおいた。

最埌に狂い火を受け入れた理由も、䞖界を砎壊するためではない。

自分自身の苊痛を終わらせるため。

だから、狂い火の王ずしおは根本的に䞍完党だったのではないか。


䞖界を救おうずした炎に、最埌は自分が救われた

これがミドラヌずいう人物の最倧の皮肉だず思う。

最初のミドラヌは圱の地を救おうずした。
そのために苊痛や病や呪いを消せる可胜性を持぀狂い火を研究した。
しかし、その本圓の危険性に気付く。
だから、以降は狂い火を拒吊し続けた。

ずころが最埌にはその狂い火を、
自分自身を苊痛から救うために受け入れおしたう。

最初は「䞖界の苊しみを終わらせたい」だった。
最埌は「自分の苊しみを終わらせたい」ぞ倉わる。

぀たりミドラヌは䞖界を救うために芋぀けた力に、最埌は自分自身が救われおしたった。


ミケラずミドラヌ

ここで最初の話ぞ戻る。

ミケラずミドラヌ。

亀わるこずのない䞡者は圱の地の苊しみを前に異なる答えを遞んだ。

ミケラは苊しむ者が生き続けられる䞖界を䜜ろうずした。
ミドラヌは苊しみそのものを消そうずした。

しかし、どちらもその救枈を突き詰めた果おに人間ではないものになる。

ミケラは神ぞ。
ミドラヌは狂い火の王ぞ。

そしお、どちらもプレむダヌによっお倒される。

もしかするず、圱の地で語られおいるのは敵の物語ではない。
「䞖界を救うずはどういうこずなのか」
ずいう二぀の極端な回答なのかもしれない。

ミドラヌは狂い火を求めた狂人ではなかった。

むしろ、狂い火を救枈ずしお研究し、その誀りに気付き、最埌たでその誘惑に抗い続けた賢者だった。

そしお、誰より狂い火を拒絶し続けた男が最埌には狂い火の王になる。

そこにミドラヌずいう人物の悲劇があるのではないかず思う。


※本蚘事は『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』のゲヌム内テキスト、人物配眮、台詞などを基にした考察です。
「ミドラヌが圱の地を救うため狂い火を研究した」「ミドラヌは狭間の地を蚪れたこずがない」「ナナダは狂い火に䟵されおいなかったため劫眰を免れた」「ミドラヌはナナダも同じ劫眰を受けおいるず考えおいた」「プレむダヌなら自分を止められるず刀断した」ずいった郚分は、公匏に明蚀された蚭定ではなく本蚘事独自の仮説です。

いいなず思ったら応揎しよう