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Photo byfuyuazami

それしか、残らなかった。|#21 最終章



    「ねぇ、お母さん……。」

    小さな声が、
    遠い記憶の底で揺れている。

    「ねぇ、なんのために生きてるの?」

    長い旅路を終え、
    再び、その問いに立ち返っている。

    ずっと、
    人は幸せを目指して生きているのだと思っていた。

    お金を得ること。
    夢を実現すること。
    穏やかに暮らすこと。
    愛する人と人生を分かち合うこと。

    形は違っても、
    その根は、すべて幸せへと伸びているように見えていた。

    けれど、
    そうは思えなくなった。

    愛や幸せは、

    いっときの状態だ。

    数ある状態のひとつにすぎない。


    では、
    何のために。


    ただ、
    生きていることを感じるために、生きている。


    苦しみもまた、
    生きていることを感じさせる。


    それは、
    秋刀魚のはらわたを味わうように、
    少し大人にならなければ得られない旨味に似ている。

    ときには思いがけず、
    貝の中の砂を噛む日もある。

    顔をしかめるような、あの異物感。

    けれどやっぱりそれは、
    確かに、貝を食べていることを思い出させる。


    「…お母さん?」


    あなたは、これからたくさんの出来事に出会う。

    恨む日も、嫌う日もある。

    生きることを手放したくなるときが来るかもしれない。

    その激しさに触れるたび、
    あなたは実感している。

    生きているということを。


    それしか、残らなかった。


    「……ねぇ。なんのために生きてるの?」


    意味づけられるのは、自分しかいない。


    「お母さんには、わからないの。」



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    ここに何を書いてもしっくりこない。 稼ぐためにnoteを始めた人。 でも、わたしは、稼ぎたいんだっけ

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