#40|【遠距離介護を仕組みで回した⑤】 「高齢者複合施設」という選択☘️ケアハウスから特養までつながっていた
高齢者複合施設で生活するという選択が、
遠距離介護にとってはまさに救世主、
そんなお話です。☘️
仕組みで回す遠距離介護④の続編になります。↓
母が通っている小規模多機能のケアマネから、
デイサービスやショートステイでの母の様子を聞いた。
夜は20時頃に眠前薬を飲み、2時頃にトイレへ起きる。
3時から4時頃になると本格的に目を覚まし、
「母の家へ帰りたい。」
「お父さんのところへ帰る。」
そう言って、
部屋とフロアを一時間近く行き来することがあるらしかった。
コップにマスクを掛けて、
他の利用者さんのところへ持って行ったこともあった。
食事は、一度に配膳すると混乱してしまうため、
一品ずつ出してくれているという。
メールを読み終えても、
しばらく画面を閉じることができなかった。
心に残ったのは、
母のできなくなったことではなかった。
「一品ずつ配膳しています。」
その一文だった。
母の様子を、
こんなにも丁寧に見てくれている人がいる。
そのことが、何よりありがたかった。
私は、そのメールを特別養護老人ホームの生活相談員へ転送した。
入居申込書を提出した直後の判定会議で、
母の待機順位は25番。
もし、次の判定会議があるなら、
今の母の状態を知っておいてほしかった。
数日後、父が言った。
「Fさん(ケアハウスの責任者)が、夜の様子を心配して話をしに来てくれた。お前が急いで母さんを特養へ入れたいと思っているのかと、と心配していたぞ。」
特養へ送った私のメールは、ケアハウスにも共有されているようだった。
私はすぐに、Fさんへメールを書いた。
「一日でも長く、両親一緒にケアハウスで暮らしてほしいと思っています。
ただ、最近の母の様子を見ていると、いつまでそれが可能なのかわかりません。今から少しずつ、準備だけはしておきたいのです。」
数日後、Fさんが、私の帰省のタイミングに合わせて特養の見学を手配してくれた。
案内してくれた特養の生活相談員は言った。
「入居されている方のほとんどは、要介護4か5の方です。
車椅子をご利用の方が多いですね。」
「待機順位が変更することはありますが、優先されるのは、要介護4以上で、緊急性の高い方のみになります。」
母は要介護3だった。
見学を終え、ケアハウスへ戻ると、Fさんが面談に時間を割いてくれた。
「実際には、ケアハウスのスタッフが食事介助をしたこともありますよ。」
そう前置きしたうえで、続けた。
「最終的にはお父様のお気持ち次第ですが、ケアハウスでの生活が限界になる目安は、認知症の方が他の入居者さんのお部屋へ入ってしまったり、ベランダを通じて、他の入居者様のところまで出入りしてしまうようになった時です。」
「お母様は穏やかな性格ですし、今のところ、その心配はあまりなさそうです。」
さらに、
「もしケアハウスでの生活が難しくなった時には、特養のロングショートを利用することもできます。
その時の状態に合わせた次の選択肢を、一緒に考えていきましょう。」
そう言ってくれた。
ロングショート。
長いのか短いのかわからない言葉に、場違いにも笑いが込み上げた。
小規模多機能から届いた母の近況は、私から特養へ伝わり、特養からケアハウスへ共有されていた。
ここは、高齢者複合施設だった。
小規模多機能。
ケアハウス。
特別養護老人ホーム。
グループホーム。
それぞれの施設が連携し、
利用者の状態に変化があれば情報を共有し、
その時の状態に合わせて今の暮らしを支え、
その先にも備えていく。
その時々の状況に合わせて、
一緒に考え、支えてくれる人たちがいる。
ケアハウスで暮らし続けられる方法も。
その生活が難しくなった時の次の選択肢も。
最初から用意されていた。
高齢者複合施設。
それは、遠距離から見守る私にとって、心強い支えだった。
