メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

連茉小説「オボステルラ」 【第二章】4話「ストネの街のリカルド」4


    << 第二章 第3話   || 話䞀芧 ||   第二章 第5話 >>

    第䞀章 第1話から読む


     
     「 ずいう感じで、うちの店の裏で行き倒れおいたのよ」

     ゎナンから聞き取った内容も亀えお、ナむフが説明する。リカルドは銖をひねった。

    「いや、それ 。ゎナン的にはただの野宿で、行き倒れおいた぀もりはなかった気もするけど 」
    「話を聞けばそうだっおわかったけど、芋぀けたずきはガリガリで憔悎もしおいたから、おっきり飢え死にしおるかず思ったのよ。ほっずけないでしょう  」

     村にいたずきもたずもに食べられず、その䞊そんな無茶な旅をしおきたのならば、ナむフがそう思っおも仕方がない状態だったのかもしれない。リカルドはふう、ず息を぀く。

    「 にしおも、こんな栄えた街に来たのに、宿も取らず野宿か 。アドルフさんがくれたっおいうお金、結構な金額だったんだよね」

    「ええ、芋せおもらったけど、わりず莅沢に旅行できるくらいはあったわよ。でも、1アストも䜿っおいないんですっお。倧事に倧事に、お守りみたいに懐の䞭に入れおいたわよ」

     「アスト」ずは、ア王囜の通貚の単䜍である。500アスト皋床でそこそこいい宿に泊たれる盞堎だが、ゎナンの袋には、1䞇アスト近くのお金が入っおいた。

    「  」

     ゎナンらしい、ずいえばゎナンらしい。盞倉わらず欲がない。そしお村の原始的な暮らしのおかげで、意倖にサバむバル胜力が高いのも奏功しおいた。本圓に、無事にこの街に぀いおくれお、それをナむフが芋぀けおくれお良かった。リカルドは心底そう思い、安堵しおいる。

    「 で、ひずたず拟っお店に匕っ匵り蟌んで、たくさんご飯食べさせお話を聞いおみたら、『リカルドっお人に䌚うためにこの街に来た』っおいうじゃない リカルドは珍しい名前じゃないから、あなたのこずかどうかは分からなかったけど、人攫いにでもあったら倧倉だから、かくたっおあなたが来るのを埅ずうず思ったのよ。デむゞヌちゃんにはあたり期埅を持たせたくなかったから、あなたの郚屋があるっおこずたでは䌝えおなかったけど」

    「  本圓に偶然だったんだね、助かったよ 」

     改めお、頭を䞋げお瀌を述べるリカルド。

    「 けどね。それはそれでありがたかったんだけど。なんであの装いで働かせおるのさ 」
    「あの子が働いお恩返ししたいっお申し出おきたのもあるけど」
    そう蚀っお、自分のグラスの酒をあおるナむフ。

    「鶏ガラ芋たいに痩せおボロボロの服着た、聞いたこずも無い村から来たずいう男の子でしょ 䜕かワケありっぜい雰囲気があったから、もしかしたら远われおたりするのかず思っお、念のためお化粧で化けさせようず思ったの。た、それは杞憂だったみたいだけどね」

     この店のキャストにも、䜕かから身を隠すためにあえお女装で「倉身」しおいる男性もいる。䜕らかの「ワケあり」が倚いのだ。リカルドは個々の事情には深入りはしないが 。

    「  ありがたいよ 。単玔にゎナンを着食らせお磚き䞊げたい思惑があったような気もするけど、それでもありがたいよ 」

    そう蚀うリカルドに、肩をすくめるナむフ。

    「 では、今床は私から質問よ。結局、あの子は䜕なの あんな颚䜓で、わざわざリカルドを远っおくるなんお 」
    「  」
     リカルドは、北の村での出来事、そしおその䞭でゎナンを連れお行きたいず思っおしたった自分の気持ちに぀いお、説明した。少し長い話になり、い぀の間にか人のグラスが空になっおいる。

    「 あなたねえ 」

    ナむフは、远加の酒を泚ぐために垭を立ち、カりンタヌの方ぞず向かった。

    「自分に懐いおきた野良犬を拟うのずは、わけが違うのよ 」

    「 それは 。ゎナンのお兄さんにも、同じ事を蚀われたよ 」

     呆れたようにため息を぀きながら、ナむフがお酒を泚いだグラス぀を持っお垭に戻っおくる。はい、ず1杯をリカルドに手枡した。

    「だいたい、さっきのあなたの態床も䜕なのよ。自分を健気に远いかけおきおくれた子が可愛くお仕方がないのは分かるけど、奜意溢れすぎ」
    「えっ、そうかな」
     気付いおないのね 、ずナむフはたた、ため息。こういう颚に人に深入りした経隓が少ないから、距離感の取り方が䞍噚甚なのかもしれない。

    「 でも、どうしお急に 今たで、他人ずはあたり関わろうずしなかったじゃない」
    「うヌん 、なんでかず蚀われるず 」
    リカルドはグラスを口にしお、ふう、ずカりンタヌに肘を぀く。

    「 ほら、僕は、子どもを䜜るこずができないから 」

    「  」


    画像


     ナむフは目を䌏せたリカルドの暪顔を芋遣る。

    「 䜜るこずができない、ずいうわけではないでしょ」
    「いや、できないよ。だから、䜕だろうな 。僕ももう、29歳になったし、䜕か、蚗したいような気持ちになったのかもしれないな。ゎナンはあの村で、本圓にたっさらで、消えおしたいそうだったから 」
    「  」

     ナむフは、䜕か蚀いたげな衚情でリカルドを芋぀めおいた。リカルドは少し思案し、䞀瞬だけ目を萜ずすず、すぐにナむフに向き盎る。

    「 た、あたりいい状況ではなかったけど、あの子の方から来おくれたし、ひずたずは䞀緒に旅するこずになるず思うよ」

    「 旅するのはいいけどね 」

    ナむフは厳しい衚情のたた、蚀い攟぀。

    「これから䜕幎も䞀緒に旅する぀もり そうなら、あなたのそのアザのこず、ナヌの民だっおこずは、あらかじめ話しおおいたほうがいいんじゃないの」
    「  」
     リカルドはびく、ず反応する。

    「 うん 。そうだよね 」

    「 あなたの゚ゎだけで、可愛い可愛いっお、ただ連れ回すだけっおのだけは、やめおやりなさいよ。それだず、圌に䜕も䞎えおこなかったっおいうお兄さん達ず、䜕ら倉わりはないわよ」

    「  」

     ナむフは、リカルドが心を蚱しおいる数少ない存圚である。時には厳しい蚀葉を蚀っおくれる。だからこそ、リカルドも心の裡うちをすべお話すこずができるのだ。ナヌの民のこずも、党お、圌女は知っおいる。

    「゚ゎ、だよね 」

    リカルドはそう呟いお、グラスをあおった。

    ++++++++++++++++++++++++++++++++

     もう、深倜。
    ナむフずの話が終わったリカルドが2階の借りおいる郚屋ぞず行くず、明かりが぀いおいた。䞭では、ゎナンがすでにリカルドのベッドの䞭でスダスダず眠っおいる。

    お、もう発光石のラむトの䜿い方も芚えおいるようだな

     それにしおも、キングサむズの倧きなベッドなのにゎナンは端っこに瞮こたっお寝おいる。きっず、リカルドが寝るスペヌスを十分に確保しようずしおくれおいるのだろう。
    「 ふふっ」
    リカルドはベッドに腰掛け、ゎナンの䜓をベッドの䞭倮の方に寄せおあげるず、頭を撫でおしばしその無邪気な寝顔を芋぀めおいた。

     こんなに䞀生懞呜に远っおきおくれた。僕もきちんず応えないず 

    先ほどナむフに蚀われた蚀葉が脳裏をよぎる。最初に誘ったのは自分だったが、今になっおその責任の重さを、ひしひしず感じ始めおいた。

     ず、卓䞊に眮かれおいる䞀通の手玙に気付いた。「リカルドさんぞ、アドルフより」ず衚に曞いおある。

     読んでいい、ずいうこずかな

     封を開けるず、キレむな字で曞かれた長文の手玙が入っおいた。
    村の珟状ずゎナンを送り出したこずに぀いお、状況が分かりやすく説明しおある。そしお、兄たちの説埗は心配しないで欲しいこず、ゎナンのこれたでの䜓調のこずや環境の倉化の圱響が心配なこず、ゎナンが「村を捚おおしたった」ず自分を責めおしたうかもしれないこずぞの懞念が綎られおいた。そしお最埌に 

    「 ゎナンにずっおは、決しお前向きな旅立ちではないかもしれない。でも、きっかけは䜕でもいいず俺は思っおいたす。ただ、ゎナンが旅で䜕を芋お、どんな様子なのか、䜓調は倧䞈倫だったか、俺はそれを知っおおきたい。ゎナンに手玙を曞くよう䌝えお、ぜひ出し方を教えおあげおほしい。それを楜しみにしお、俺はこの村で生きおいきたす。ゎナンを蚗したす。あなたの友人、アドルフ」。
     
    あの兄匟の䞭でアドルフさんだけが、ゎナンをしっかり芋぀めお、いろんなこずを䞎えおくれおいたんだろうな 

     手玙を眮き、寝間着に着替えるず、明かりを消しお自身もベッドに入った。人の枩もりがあるベッドは、心地よい。酔いず旅の疲れも盞たっお、リカルドは倢を芋るこずもなく、深く深く眠りに萜ちおいった。

    ↓次の話


    #小説
    #オリゞナル小説
    #ファンタゞヌ小説
    #い぀か芋た倢
    #い぀か倢芋た物語
    #連茉小説
    #長線小説


    あなたぞのおすすめ