
【ネパール】ダルを味噌汁だと思ったのは、味ではなく、並び方だった
ネパールに住んでいた2年間、毎日、ほとんどダルバートを食べていた。
バート(ご飯)、ダル(豆のスープ)、そしておかず。
この並びを見て、最初に思ったのが、日本の定食だった。
ご飯と味噌汁とおかず。
組み立てが、そのまま同じだった。
味にも、通じるところがある。
味噌は大豆から作られている。ダルも豆から作られている。
その豆っぽさが、一緒かなと思う。
ただ、ダルのほうは、テンパリング(油でスパイスの香りを立てること)をしたり、ギー(澄ましバター)を入れたりする。風味は、そのぶん強いかもしれない。
違うのは、味噌汁は味噌汁をベースにして、具をいろいろ選べるところ。
食の多様性を求める日本には、合っているのだと思う。

ベジタリアンの大家さんのダルバートのダルは別の小鉢に入っていた。
初めてダルを食べたときは、カレーにしては味が薄めで、淡白だと思った。
それ単体だと淡白なのだけれど、ご飯と混ぜて、その上におかずやギーをのせると、すごく深みが出る。ベースとなる味付けなのだと思ってからは、外せないものになった。
ダルに使われることが多いのは、ムングダル。黄色のややオレンジがかったもの。
ほかに、レンズ豆や、緑っぽい豆もあった。
何種類か混ぜている店もあったけれど、多くはムングダルだったと記憶している。

遊びに行くといつもダルバートを出してくれる。
真鍮の器に、ダルとヤギ肉のカレー。ご馳走です。
ネパールのダルは、わりとオーソドックスな料理という感じ。
使う豆やスパイスの量に違いはあっても、作り方は、どこへ行ってもほぼ同じだったような気がする。
サラサラとしたものと、少し濃厚でドロッとしたものがある。
私は、サラッとしたほうが食べやすかった。
ダルバートという名前は、ダルが主役に見える。
でも食卓では、主役ではない。
なくてはならないものだけれど、主役じゃない。
それでいて、ないと困る。
そういう、不思議な存在だった。
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ご飯とダルを混ぜる、その先の話です。
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ダルの材料が、市場から台所へ運ばれるまでです。
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マガジン「ネパールの市場と台所」
見出しの写真は、長野県諏訪市のネパール料理店、スパイスカフェ アナンダで、2026年2月に撮ったもの。
左が大根とチキンのカレー、真ん中がマショウラ、右がダル。
マショウラは、日本でいう大豆ミートのようなもの。私はこれが大好きだった。