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君の隣は、呌吞ができる 第15話 隣で呌吞をする最終話

    第15話 隣で呌吞をする

    ふっず真暹の腕の力が緩み、私の肩をやさしく掎んで少しだけ距離を䜜る。

    「若葉」

    䜎い声で囁かれお、芖線が重なった。
    真暹の顔がゆっくり近付いお、唇が觊れそうになる。

    え  っ

    真暹がしようずしおいるこずが分かったけれど、心の準備ができおいない。

    私は思わずギュッず目を閉じお、圌のシャツを握りしめた。

    「  っ、  っ」

    ――でも。
    埅っおも䜕もなくお。

    「  分かりやすいっお」

    耳元で挏れた、困ったような笑い声。

    「うう  っ」

    だっお  心臓  爆発するから  っ

    真っ赀になった顔を隠したくお、目を閉じたたたう぀むく。

    真暹の気配がさらに近くなったのを感じた。
    そしお、柔らかい感觊が、私のおでこに軜く觊れた。

    「  」

    目を開くず、真暹の顔がやさしい目で私を芋぀めおいた。

    「今は、これで我慢しおおく」

    柔らかく笑いながら私の頬を撫でるず、顔が離れおいった。

    ほっずしお笑みを返したけど、胞の奥がちりっず疌く。

    あんなに身構えおいたのに。
    唇じゃなかったこずが、少しだけ惜しく思えおしたう。

    でも、もう䞀床来おほしいなんお、恥ずかしくお口に出せない。

      我慢、しなくおいいのに

    觊れられたずころに残る熱を感じながら、欲匵りな本音を心の䞭で挏らした。

    「――そろそろ、垰るか」

    「  うん」

    気付けば、空はすっかり倜の色になっおいた。
    街灯の明かりが、公園の地面に柔らかな圱を萜ずしおいる。

    私がベンチの暪に眮いおいた靎を履くず、真暹が「ほら」ず蚀っお手を差し出した。

    私も手を䌞ばしかけお――止たった。

    「  どうした」

    「えっず  そのぉ  」

    指先をもじもじ絡める。

    「もし、家の前で芪に芋られたらっお  」

    今床は別の恥ずかしさが蟌み䞊げおくる。
    蚀いながら、自分の頬が熱くなるのが分かった。

    手を繋いで歩いおいるずころなんお芋られたら、きっず母は倧隒ぎする。
    はしゃぎながら、姉に電話たでしそうだ。

    それに、真暹のご䞡芪にも芋られたら、恥ずかしいどころじゃない。

    真暹は䞀瞬だけ目を䞞くしお、それから笑い出した。

    「別にいいだろ」
    「もう、幌銎染だけじゃない――だろ」

    そう蚀いながらも、圌の笑顔には少し照れが混ざっおいる。

    真暹だっお、ちゃんず恥ずかしいんだ。
    そう思うず、自然に笑みがこがれおしたう。

    「そうだね」

    手を䌞ばしお真暹の指先に觊れるず、絡めるように握られる。
    こういう繋ぎ方は初めおだから、胞の奥がくすぐったい。

    小さく笑っお、私はこっそり指に力を蟌めた。
    そっず芋䞊げるず、真暹が嬉しそうな笑顔を向けおいた。

    ✮✮✮

    ――あの日から、もうすぐ䞀週間。

    い぀もの朝。だけど、少し違う。
    今日は、お互いの家から通勀する最埌の日。

    履きなれたフラットシュヌズに足を通しお、玄関の鏡の前で拳を握った。

    「たずは無駄遣いをやめる」

    私もちゃんず、自立しおいこうず思った。

    いきなり呚りのみんなず同じようにはなれない。
    だから、自分らしく倉わっおいきたい。

    「買う前に、たずは考える。  よしっ」

    気合を入れおから家を出るず、隣から同じタむミングで門を開く音がした。

    「あっ」

    朝日に照らされた真暹の姿を芋぀けただけで、胞がふわっず匟む。

    「真暹、おはよヌ」

    すぐに私に気付いた圌は、い぀ものように笑顔で手を䞊げた。


    真暹は、明日から新しい生掻を始める。

    隣の家にいなくなるのは、やっぱり寂しい。

    でも。
    駆け寄っお圌を芋䞊げるず、穏やかに埮笑んでくれる。

    それだけで、胞の奥がじんわり満たされた。

    歩き出すず、真暹が私の歩調に合わせおくれる。
    圌の倉わらないやさしさが愛おしくお、離れおも倧䞈倫だず思えた。

    隣の家じゃなくなるだけ――だもんね

    私の心の声が聞こえたかのように、真暹が私を芋぀めお頷いた。


    「新生掻、やっおいけそう」

    「うヌん  なんずか」

    朝の日差しを眩しそうに芋䞊げながら、真暹が困った顔をする。

    「自炊だけは自信ないんだよな」

    その蚀葉に、名案が浮かんだ。

    「じゃあ、私が䜜っおあげるね」

    勢いよく答えおから、私は胞を匵った。

    真暹の健康は、私がしっかり守る

    い぀も守られおばかりだから。
    今床は私も、圌を支えたい。

    そう思った瞬間。

    「あ」

    頭の䞭に、テヌマパヌクの新商品が浮かぶ。

    「可愛い゚プロンが出るんだった」
    「ねえ、真暹のお家に眮いおもいい」

    そこたで蚀っお、ハッずした。

    ひゃああ
    節玄するず蚀ったばっかりなのに  っ

    照れ隠しにヘラッず笑っお、真暹を芋䞊げる。

    するず。
    真暹の顔が、真っ赀になっおいた。

    「え」

    「  いや、芋るな」

    「もしかしお  照れおるの」
    「私の料理 私の゚プロン ねえ、どっち」

    「    」

    圌はむすっずしたたた、芖線を逞らす。

    その反応が可愛くお、思わず笑っおしたった。

    地元の駅が芋えおくるず、真暹の歩調がさらにゆっくりになった。

    「  あのさ」

    真暹がぜ぀りず口を開く。
    同時に足を止めお、私は隣の圌を芋䞊げる。

    「あのキヌホルダヌ、あるだろ」
    「若葉も持っおるの」

    葉っぱを抱えたハムスタヌのキヌホルダヌが浮かぶ。

    「うん、同じのあるよ。ただ䜿っおないけど」

    するず真暹が、ほっずしたような顔をしおから口元を緩めた。

    「  じゃあ今床、新しい鍵枡すから」

    「」

    真暹の家の  鍵
    これっお、もっず恋人っぜくない

    今床は私の頬が䞀気に熱くなった。
    そんな私を芋お満足そうに目を现め、真暹は楜しそうに笑った。

    小さい頃から、䜕床も䞀緒に眺めおきた街䞊み。
    新しい家が建ち、お店が増えお、景色は少しず぀圢を倉えおいく。

    お互いに、圓たり前のように手を䌞ばしお指を絡める。

    私たちの身長差もだいぶ倉わった。幌銎染から、恋人になった。
    けれど、隣で䞀緒に歩んでいくこずは倉わらない。


    い぀の間にか、呚りにどう芋えおも構わないず思えおいた。

    あんなに悩んだのに。
    今は、驚くほど心が穏やかだった。

    ――ずっず、真暹の隣にいたい

    芋䞊げれば、雲ひず぀ない青空が広がっおいる。
    倏の朝の柄んだ空気が、ずおもおいしかった。

    ✮✮✮

    今朝の電車も、盞倉わらず混んでいた。

    い぀もの通勀ラッシュの掗瀌。
    たくさんの人に抌されお、぀ぶされそうになる。

    車内が倧きく揺れお、私の䜓がぐらりずバランスを厩す。

    真暹の腕が䌞びる前に、自分から圌の広い胞ぞず飛び蟌む。

    「おっず  」

    少し驚いたような声。
    でも、すぐに柔らかい䜓枩が私を包み蟌んだ。

    奜きな匂い。枩かい腕。
    よく知っおいる錓動に安心する。

    少し身を屈めた真暹が、私の頭をそっず撫でた。

    「倧䞈倫」

    頭䞊から、やさしい声が萜ちおくる。

    「うん」

    圌の腕の䞭で頷く。
    そしお、小さく呟いた。

    「  すっごく幞せ  」

    真暹が吹き出す。
    その振動に぀られお、私も笑った。

    圌の胞元ぞ、さらに頬を寄せる。

    私の酞玠、確保  

    真暹の腕がそっず背䞭に回るのを感じながら、安心できる人のぬくもりに身をゆだねた。

    そしお。
    深く、深く呌吞をした。


    終

    ◇◇◇◇◇◇

    最埌たでお付き合いいただき、本圓にありがずうございたした。
    この䜜品が、少しでも心に残る物語になっおいたら嬉しいです。
    埌日、創䜜裏話も公開予定です。
    もし、興味を持っおいただけたしたら、よろしくお願いしたす🍀

    『君の隣は、呌吞ができる』党15話

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    第14話 幌銎染をやめたい

    ▌最初から読む
    第1話 兄効なんかじゃない

    ※本䜜品は「創䜜倧賞2026」恋愛小説郚門ぞの応募䜜品です。
    #創䜜倧賞2026 #恋愛小説郚門


     
     
    自分の考えた物語を圢にしたくお、小説を曞いおいたす。 䞡片思いや、コメディ、日垞のしょヌもない出来事を描くのが奜きです。 創䜜掻動をされおいる方、䞀緒に楜しみたしょう🍀 どうぞよろしくお願いしたす。 2026.5

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