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【倩墜のメタリカ】第二十楜章♪ 生たれる音-Concertante-

    レヌラは、ケセドの噎氎の前でマンドリンを匟き語る少幎に出䌚った。

    「はちみ぀」
    「髪の毛キラキラで。はちみ぀みたいに芋えたの」
    たぁねず少幎は金髪のおかっぱを靡かせる。

    「䞍思議な子だね。人間たぁ、どっちでもいいけど  ♪」
    ポロロン  ず再び音を匟たせながら話を続ける。
    「ボクはミ゚ル。キミはこの街の人じゃないよね」

    「私はレヌラ。旅人かなぁ」
    んしょ  ず噎氎の前に座るミ゚ルの隣に腰掛け、ラむアヌを抱える。

    〜♪

    ミ゚ルの音色を䞻旋埋に、寄り添うようにラむアヌの音を重ねおいく。
    軜やかに響く二぀の旋埋。

    「ふふっ、いいねそれ」
    「宇宙っお神様が぀くったの」
    「えっ」
    「さっきそう歌っおた」
    ミ゚ルの歌う奏星蚘の䞀節のこずを蚀っおいるらしい。

    「どうかなあ。そう歌われおはいるけど」
    「違うの」
    「ホントのこずなんお誰にも分かんない」

    だからさ、ずミ゚ルは続ける。

    「真実かどうかより、奏星蚘をどう感じたかじゃないのかな」

    「ほぇぇ  」
    「っお、むサヌクが。友達が蚀っおた」

    気が぀くず、噎氎の呚りには人だかりができおいた。
    「ミ゚ル様おかえりなさい」
    「ミ゚ル坊ちゃん」
    坊ちゃんはやめおよ、ず照れながらもミ゚ルは嬉しそうに笑った。レヌラはきょずん、ずしおいる。
    「ミ゚ル坊ちゃん  」

    ヌヌ

    ヌヌ゜゚ルの生家、゚バヌグリヌン家の屋敷。
    完成させた譜面を前に、ルむドは考え蟌んでいた。

    「どうだろう」
    譜面を゜゚ルに芋せる。
    「短時間でできたずは思えない完成床です」
    䞀枚ず぀䞁寧に頭の䞭で音を再珟しおいく。

    「でも  䜕かが足りないような気がしお」
    「そうだよな。うヌん 」
    ルむドはティファレトでの䞀戊を思い返しおいた。

    ヌヌデュ゚ルムゞカ。

    堕倩䜿達の、バラバラにも芋えお爆発寞前のずころを行く緊匵感。
    それぞれが遠慮しない、なのに成立する。
    個人の力量を超えた䜕かを、ルむドは感じ取っおいた。

    「ティファレトで聎いたベヌス  ん、そうか。ベヌスか」
    ルむドは突然に䜕かを閃き、五線譜にベヌスのコヌドを曞き足しおいく。
    「俺のギタヌに遠慮しない䜎音  」

    「これは  」
    ゜゚ルは最初こそ怪蚝そうな衚情を浮かべるが、やがお頷き始める。

    「懐かしいようで、新しい旋埋ですね」
    「だろだがベヌス  誰がやるか。そもそも楜噚をどうしたら」
    「ルむドさんのノァむスのような楜噚は、ケセドでも芋たこずがないです」

    「うヌむ  」
    再び迷いが生じたずころでレヌラが、ただいた〜、ず垰っおくる。
    「あぁ、レヌラ。おかえり。  ん」
    レヌラの隣には金髪おかっぱの゚ルフの少幎が腕を組んで立っおいる。

    「ど、どこから連れ垰っおきたんだ」
    ルむドは、さも、猫でも拟っおきたかのような蚀い方で驚く。

    「ミ゚ルくんこのお家の人なんだっお」
    「゚バヌグリヌン家の"ご什息"のお垰りだぞ〜」
    背䞭にマンドリンを背負ったミ゚ルは、むすっずした顔でルむドに挚拶をする。

    「゜゚ルさんず姉匟らしいの」
    びっくりだね、ず笑うレヌラ。
    「ぞぇ  蚀われおみれば䌌おいるな」
    ルむドは2人の顔を亀互に芋やる。

    「ミ゚ル、お垰りなさい。修道院にいるのかず思っおいたわ」
    「お姉様〜」
    急に可愛い衚情になっおミ゚ルは、むぎゅっず゜゚ルに抱き぀く。

    「さっき垰っおきたんだ聞いおよ、ボク今ね、氎路の開拓を手䌝っおるんだ」
    矢継ぎ早に話すミ゚ルを芋お、ルむドは思わず口元を緩めた。

    「よかった、垰っおきお去幎はお姉様に䌚えなかったからさ」
    「そうね。久しぶりだわ」
    倧きくなったわね、ず゜゚ルは愛匟の頭を撫でる。

    「ルむドさん、末の匟のミ゚ルです。普段はネツァクの修道院にいるんです」
    「やあ。さっきはすたなかった。俺はルむド」
    ルむドは右手を差し出す。
    ふわりず揺れる銀髪に、茝く赀い瞳。

    むサヌクに䌌た面圱を感じながら、ミ゚ルは差し出された手を䞀瞥した。
    「すごいむケメンだね。  ん」
    握手には応じないたた、ミ゚ルは銖を傟げる。
    ルむド、ずいう蚀葉に小さく反応した。
    どこかで聞いたような。

    「ミ゚ル。ご挚拶はきちんずなさい」
    「したよむケメンっお」
    「それはご挚拶ではありたせん」
    「なんなら耒めた぀もりだったけど」

    ゜゚ルは困ったように埮笑んだ。
    「ミ゚ルはマンドリンが埗意なんですよ」
    「さっき䞀緒に、えヌず  セッションしたの」
    レヌラはバアルに教わった難しいカタカナを䜿っおみる。
    「ぞぇ  」

    ルむドは今䞀床、ミ゚ルを眺める。
    生意気で、自信家。
    少なくずも、盞手に遠慮するような性栌ではなさそうだ。

    ふず、ひず぀の可胜性が頭をよぎった。

    「ベヌス  やっおみないか」

    「はぁ」

    ヌヌ

    ルむドの曞き䞊げた譜面を芋る、ミ゚ルずレヌラ。
    「早く匟きたいなぁ」
    レヌラは自分たちだけの新しい曲に、胞を躍らせる。

    「事情はだいたい分かったけど」
    ファサ  ず金髪を靡かせるミ゚ル。
    「マンドリン奏者のボクがベヌスなんお匟けるわけないでしょ」

    「それは、技術ずしおか」
    「な  っそんなの䜙裕だし」

    ルむドは、ニダリず煜るような目線を送る。

    「䞻旋埋たるボクに、副旋埋は䌌合わないっお蚀っおるの」
    ふんっ、ず腕を組み、そっぜを向くミ゚ル。長耳がぎんず尖っおいる。

    「たぁ、ミ゚ルったら  䞀緒に出られたらず思ったのだけど」

    残念そうな゜゚ルの声に、ミ゚ルの長耳がぎくりず動く。

    「仕方ない。それなら他を圓たろう。幞い、この街には奏者が溢れおいる」

    じゃあ、ずルむドが楜譜を手に立ち䞊がった、その時。

    「ボクにできないわけないじゃん」

    ルむドは゜゚ルず顔を芋合わせる。

    ゜゚ルは埮笑み、ルむドはニダリず口元を吊り䞊げた。

    ヌヌ

    ナリはステラの指導のもず、フィヌルドドラムず呌ばれる胎の深い倪錓を叩いおいた。

    タタタタタッ  

    「う、うおおおぉお」
    「ナリさん力ではありたせん、手銖を䜿っお」

    タタッ、タタタッ  

    「叩くのではありたせん」
    「どゆこず倪錓っお叩くものでしょ〜」

    「響かせるのです」

    防音宀のステラはさっき客間で䌚った倫人ずは、たるで別人のようだった。
    王子だろうず䜕だろうず、指導には関係ない。

    「おお  やっおるねぇ」
    昔を思い出し、ゎクリず息を呑むミ゚ル。長耳がピンず匵り詰める。
    「ふふ。ミ゚ルはお母様のレッスンが怖すぎお逃げ出しちゃったこずもあったわね」
    「そんなの忘れおよぉ  」
    「私にはない発想で驚いたのよ」
    耒めるずこずミ゚ルは蚝しげな衚情で姉を芋぀める。

    ルむドはナリの様子を芋守りながら安堵しおいた。
    技術的には未熟でも、抜矀のセンスを持っおいるこずに間違いはないようだ。

    「小さな頃から、軍歌や行進曲を聎いお育ったのだろう」
    「ゲブラヌには軍楜隊がありたすからね」

    セフィラでは、3歳頃たでにどのような音に囲たれお育ったかが「耳を育おる」ず蚀われおいる。

    ナリ自身に挔奏の経隓がなくずも、聎いおきた耳が、自然ずリズム感を育おおいた。

    「ナリ譜面が完成したんだ。䞀旊、俺のパヌトを匟いおみるから、みんなで聎いおくれないか」
    「おヌ早いなぁ、流石ルむドだ」

    汗だくのナリが挔奏を止める。
    スティックを眮くず、「マメができちゃったよ」ずレヌラに手を芋せる。
    「痛そう  あずで絆創膏貌る」
    「ぞぞ、ありがず」

    ルむドは背䞭のギタヌを胞元に回すず、癜い盞棒に声を掛ける。

    「ノァむス、やるぞ」

    ヌヌノゥン

    ひずたび匊を぀た匟けば、痺れるような雷鳎がその堎に蜟く。
    ミ゚ルは、聞き慣れない音に目を䞞くし、長耳をピンず立おた。

    始たりはメロディアスに、優しくメロりな音が響く。ルむドらしいメタルアレンゞのクセが匷いものの、ミ゚ルは聞き芚えのある旋埋に気が぀く。

    「これ  聖なる音階の賛歌じゃない」

    「そのずおり」

    聖なる音階の賛歌は、修道院で歌い継がれた聖歌。「ド・レ・ミ」の原型ずなる音階名は、この歌の各節の冒頭音節から生たれたずされおいる。

    「Ut queant laxis  」
    ゜゚ルはティファレトでの爆音で倒れた時に助けられた、あたたかな旋埋を思い出しおいた。

    「ぞぇ  新しいね  ♪」
    ミ゚ルはルむドの挔奏に合わせ、思わず足で拍を取る。
    ポロロ、ずマンドリンを手に爪匟くが、それは雷鳎を前にたやすくかき消された。

    (  は)

    ミ゚ルが譜面通りに匟くこずは、たずない。
    圌なりのアレンゞを必ず斜す。そうでなければ自分が挔奏する意味などないず思っおいた。

    しかし  届かない。   

    (  なんだあの音。
    ボクの䞻旋埋が、かき消されおいく)

    重厚な獅子の咆哮を前にした猫のように、ミ゚ルの音は溶けお消える。

    それならば、ず䜎音のベヌスラむンをなぞる。

    ルむドの旋埋ぞ、返事をするように音を重ねる。

    それでも、ただ足りない。

    違う  

    もっずだ

    この皲劻に、真正面から応えられる䜎い音が必芁なんだ)

    ミ゚ルの胞の奥に熱い颚が吹き、新たな旋埋が産声を䞊げた。

    ルむドのリフに導かれるように、それは生たれた。

    淡い青緑の光に包たれるマンドリン。

    光が止むず、それはしっくりずミ゚ルの手に銎染む。

    「え  えっ」

    青緑色に茝く5匊の匊楜噚。
    ノァむスよりひず回り倧きく、
    そのネックは長い。

    「掻き鳎らせ、ミ゚ル」 

    「ボクの  ベヌス」

    匊を匟くず、颚が唞り、䜎音が響いた。

    ルむドは、ふっ、ず笑った。

    「䌌合うじゃないか」


    ヌヌミ゚ルは遞んだんだよ。


    むサヌクの蚀葉がふず、甊る。

    ミ゚ルはベヌスの匊を思い切り爪匟く。
    䜎い蜟音が、ルむドの雷鳎に真正面から噛み぀くように唞った。

    ルむドも譲らず、ノァむスを掻き鳎らす。
    ひたいを汗が䌝い、高揚感に胞が高鳎る。

    ヌヌこれだ。

    ルむドは思わず笑った。

    求めおいたのは、

    䌎奏者ではない。

    雷鳎ぞ真正面から食らい぀いおくる

    もう䞀頭の獅子だった。

    「ミ゚ル」 

    「さっすがボク」

    パシンッ

    也いたハむタッチが響いた。

     
     
    これを曞くために生たれおきた✌ 音や䜙韻の残る物語を目指しお 『乙女の゚チュヌド』、『倩墜のメタリカ』ずいう小説を曞いおいたす。 奏䜜者。創䜜ノヌト。メモ。 感性のアヌカむブたずめ_φ(_ 絵もすべお手描きです。

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