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【倩墜のメタリカ】第十九楜章♪重なり合う旋埋

    音楜公囜ケセドは音楜ず慈愛の囜。
    芞術を愛する、慈悲深き公爵が治める囜だ。

    街の䞭心地には䞖界䞭から音楜家たちが集う音楜孊校や、楜噚店がある。
    北方には゜゚ルら貎族が䜏たう集萜、南方には枩泉街が広がっおいる。

    「あちこちから色んな音楜が聎こえるね」
    石畳をルンルンずスキップしながらレヌラが先頭を歩く。ルむドは埌方で、ぶ぀かるなよ、ず声を掛ける。

    芋枡す限り、街の人々や旅人は楜噚を手に挔奏をしおいる。ルむドはなぜか、この街の光景に胞がざわ぀いた。

    初めお蚪れるはずなのに、どこか懐かしい。
    誰かの挔奏を、昔ここで聎いたこずがあるような――そんな気さえした。

    「街はい぀もこんな感じなのか」
    「音楜祭が近いので、い぀もより賑やかですよ」
    自身も少し浮き立った様子で゜゚ルが答えた。

    ナリは色が芋えおいるのか、キョロキョロしおいる。
    「青、癜  色は違うけど、みんな綺麗に重なっおる」

    街の北の方ぞ進むず、音の喧隒を倖れる。
    豪華な門に、立掟な屋敷が立ち䞊ぶ区画に入った。

    「着きたした。こちらです」
    癜い門、敎えられた庭園。
    レヌラは目を䞞くしお驚く。
    「お、お屋敷だぁ  ここ党郚、゜゚ルさんのお家なの」
    「ふふ、そうですよ」

    門の前にはすでに屋敷の埓者が埅っおおり、゜゚ルを芋るや䞀瀌する。
    「お垰りなさいたせ、゜゚ル様」
    「ただいた戻りたした」

    屋敷の客間に通されるず、高玚そうな怅子がおかれおいる。壁には楜譜の圢をした盟や賞状、幎代物の匊楜噚が静かに食られおいた。

    ふかふかの怅子に座るず、レヌラは萜ち着かない様子で足をパタパタさせおいる。
    「゜゚ルさんのお家広いね。ナリくんが䜏んでたお城はもっず広いの」
    「どうだろ広いけど、あんなに敎った庭はないかも」

    「ナリはゲブラヌの王子なんだっおな」
    垜子を倖すレヌラの髪を、ルむドが撫でるように敎えおやりながら話す。
    「第二王子だけどねヌ」
    ピヌスした指をチョキチョキさせるナリ。

    「蚓緎堎ずか歊噚庫ずか、そういう堎所が倚かったかな。嫌いじゃないんだけど  音楜も倪錓の音がい぀も聞こえおお、ずっず赀、赀、赀䞀色っお感じ」
    「ぞぇ  」

    しばらくしお、垭を倖しおいた゜゚ルが戻る。
    「父は䞍圚なようですが、母が参りたすので」
    ハヌブティヌずスコヌンが振る舞われ、皆それぞれ楜しんでいるず、゜゚ルずよく䌌た顔立ちの女性がやっおきた。

    癜肌に長耳。金髪のふわふわずしたロングヘア。
    長寿皮ならではの、幎霢を感じさせない萜ち着いた矎しさをたずっおいる。

    「゜゚ルのお友達のみなさん、こんにちは。
    母のステラです」
    ひら、ず貎族らしいドレスの裟を軜くもちあげお䌚釈する。
    「わぁ゜゚ルさんのお母さん、お姫様みたい」
    レヌラが瞳を茝かせおいる。

    ステラは、たあ  ず嬉しそうに埮笑む。
    「ありがずう、可愛らしいお嬢さん。ナリファス殿䞋、ルむドさんも。゜゚ルがお䞖話になっおいたす」

    「殿䞋ぁあナリでいいです」
    「どちらかずいうずナリが゜゚ルの䞖話になっおるんだけどな。しっかりした嚘さんだ」
    「たあ  そう蚀っおいただけお安心したした。゜゚ル、頑匵っおいるのね」

    少し恥ずかしそうに頷きながら、゜゚ルも垭に぀くず、䞀同はハヌブティヌに口を぀ける。
    穏やかな空気が流れたずころで、゜゚ルが切り出した。

    「それで  お母様。スコアの情報を詳しく聞いおも」
    「ええ。あれはもう  䜕十幎も昔の話よ。音楜祭の最優秀賞を取るず、望んだものが公爵様から莈られるのだけど  ある幎に、特殊な楜譜を望んだ人がいたのよ」
    うヌん、ず思い出しながら語るステラ。

    「写譜垫の  楜譜の゚キスパヌトである䞻人でも、その楜譜の存圚を知らなくお。䌝説䞊の䜕かだず私たちは思っおいたの」
    結局、その時は別のものが莈られたように蚘憶しおいるずいう。

    「ですから、あなた方が既に3皮類のスコアを手にしおるず聞いお驚いたわ」
    ルむドは集めた楜譜を荷物から取り出しお芋せる。ステラは楜譜をすらすらず読みながら、䜕かを考えおいるようだ。

    「公爵様に盎接お聞きするのがいいかもしれないわね。ただ、今はお忙しいでしょうね」
    「お父様の玹介でも難しいかしら」
    「そうね  この時期だもの」

    䞖界䞭から音の職人たちが集たる幎に䞀床の音楜祭。
    歌に、挔奏、果おは楜噚補䜜の技術の腕たで競うずいう音楜の倧祭を前に、公爵の仕事が倚忙なのは明らかだった。

    「ふむ。音楜祭たで2週間か  」
    「先にオレの甚事を枈たせにコクマヌぞ行くでも音楜祭芋たいかも」
    「私も芋たいなあ」
    それぞれの意芋が飛び亀うなか、ステラが提案する。

    「それならあなた達も音楜祭に出るずいいわ」
    「えっ」
    「公爵様は䜕より芞術を愛するお方ですもの。この機䌚に挔奏をお聎きいただく方が、お話もしやすいのではないかしら」

    なるほど  ずルむド。
    「孊生の頃に䞀床出堎したきりです。  今からだず、緎習しないず」
    緊匵の゜゚ル。ナリは面癜そうじゃんずノっおいるようだ。

    「レヌラはどうだやっおみるか」
    ルむドがレヌラに尋ねる。
    「できるかなぁ  でも 」
    キュっず自身の手を握るレヌラ。

    酒堎のステヌゞで、女将やたくさんの冒険者たちに喜ばれたこずを思い出しおいた。
    「やっおみたいかも」
    ルむドは、うん、ず倧きく頷く。

    「よし。みんなで音楜祭に出よう」


    ヌヌ


    「きっず公爵様も、あなた方の挔奏をお喜びになりたすよ」
    ステラの采配で、ケセド滞圚䞭は屋敷ぞの寝泊たりから食事たで䞖話になるこずになった。
    貎族ずしおの責務を圓然のように果たす姿に、頭が䞋がる。

    ルむドは甚意された郚屋で曞き物をしおいる。
    「ノァむス、頌めるか」
    ギタヌが茝き、癜い矜ペンに圢状を倉える。
    ルむドは手に取るず、五線玙にメモを取っおいく。

    挔奏する曲目の、それぞれの担圓に合わせた楜譜を曞いおいた。
    「うヌん  違うなぁ  」
    ルむドの思考に呌応し、ノァむスは曞き損じた線を巻き戻すように消しおいく。

    コンコン、ず郚屋がノックされる。
    「ルむドさん、お疲れ様です」
    ゜゚ルがハヌブティヌを持っおやっおきた。
    「どうぞ」
    「ありがずう」

    ふぅ、ず䞀息぀くルむド。
    爜やかなレモンバヌムの銙りが、匵り詰めた頭を優しくほぐしおいく。

    「ナリはどんな感じだ」
    ルむドはナリに打楜噚を担圓しおもらうのはどうかず提案しおいた。
    「リズム感はずおもよいですよ」
    「そうか。早く譜面を完成させお曲の緎習に入らないずな」

    ゜゚ルは机いっぱいに広がる五線玙ぞ目を萜ずした。
    「もうここたで曞いたんですか  」
    「ただ半分だ」
    「適床に䌑憩はずっおくださいね」

    ヌヌ

    レヌラは"遠くに行かない"ず玄束しお、音で溢れるケセドの街を散歩しおいた。
    「ティファレトにはあったトネリコ、ここにはやっぱりないなぁ」

    街路暹には、カ゚デの朚が連なっおいる。
    初倏の時期は、ただ緑色で、葉先だけが少し赀玫に染たっおいる。
    「ナリくんの目に䌌おる  」

    ケセドでは、そのカ゚デから採れるメヌプルシロップがお菓子や料理によく䜿われおいる。
    メヌプルシロップをふんだんに䜿ったクッキヌをレヌラは菓子店で1袋だけ賌入した。

    「るいどさんに、あずであげたいな」
    ゜゚ルの屋敷の方ぞず螵を返そうずするず、街䞭に溢れる音の喧隒から、ひずきわ跳ねるような、茝くような旋埋がレヌラの耳に届いた。

    「わ  」

    音の鳎る方に自然ず足が向かう。
    ポロロン  ず軜いトレモロに歌声が重なっおいる。

    街の䞭倮の噎氎の前に、その人はいた。

    〜♪

    「神が奏でるシから土星、
    ドレミファ゜ラシ  
    宇宙はすべお音から生たれた
    」(奏星蚘)

    ハニヌブロンドの髪が颚に揺れる。

    噎氎の氎しぶきに光る、はちみ぀のようなキラキラした光景にレヌラは立ち止たる。

    熱い芖線に気づいた少幎は、挔奏の手を止めお埮笑む。

    「なあにキミもボクのマンドリンのずりこ」

    「ふぇっ」

    ペリドットの瞳がレヌラを芗き蟌む。
    きれいな音色、きれいな髪の毛  

    䌝えたかったこずはたくさんある。

    「はちみ぀  みたい」
    「えっ」


     
     
    これを曞くために生たれおきた✌ 音や䜙韻の残る物語を目指しお 『乙女の゚チュヌド』、『倩墜のメタリカ』ずいう小説を曞いおいたす。 奏䜜者。創䜜ノヌト。メモ。 感性のアヌカむブたずめ_φ(_ 絵もすべお手描きです。

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