
荒技ショートショート_ 花
月の花。そんなものがあったなら、どうしても月に行きたい。
花が咲いていないことを知っていて、どうしてアームストロングは月に降り立ったのか。
花が咲かぬ死の世界。名誉が欲しくて行ったのだろうか?
否。
人には好奇心がある。止めようのない未知への興味がある。そしてそれがあるからこそ、人は前へ進むことが出来るのだろう。
毎夜、空を見上げて思うのである。
宇宙に何があるのかを想像した果てが、月面探索だったのだろう、と。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「月の花」から始まる文章を自由に書いてみませんか?ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。初めての人も大歓迎!いうことで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
表のお題が【節分の半分は優しさでできています】で。裏のお題が【怪文の半分は野菜でできています】|д゚)チラッ ということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今回のお題は、「ゼロ番目の願い事」というお題で作品を書いて(描いて)みませんか?と、いうことで。
今回は、これをこのまま文中に入れることにしよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、たまごまるさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・月の花」で検索して飛んで来ました。
コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。
たまごまるさん、お久し振りです。
作品、拝読しました。不思議な作品でした。
一歌という名も、桃李という名も、なかなか無い名前ですよね。しかも、一歌は、あまり恵まれない環境で育ち、桃李と出会い。そして不条理にも別れが来て、加害者に疑われて、かえって寂しさを増す。
こんな別れ、あって良いのでしょうか。
淡々と流れていくストーリーに、なんとも言えず不満を抱きそうになりました。
私は、ハッピーエンドこそが物語だと思っております。物語は、ハッピーエンドでなければならない。
でも。
読後感の諦念に似た感情は、ひょっとしたら、ハッピーエンドに匹敵するもののような気がしています。
不条理な事件で、初めて一歌が噛み締めた幸せという感情。
一歌はきっと、次の恋を見つけるだろうと、私は思います。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は5重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。いやいや、とうとう3年目5ヶ月に突入した。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 花」約410字を、どうぞ。

月の花を咲かせたい。
いつか財前がそう言っていたことを涼は思い出した。
月面は真空で。普通に考えると不可能だ。だがそんな夢の花を、いつか生み出すのだという。
今日は節分。財前の机上に、一陽来復・一陽来福お守りのお札を置いておくのが、涼の毎年の習わしである。
財前が夜中の24時ちょうどに、お札を柱に恵方に向けて貼り付けると、みんながまた1年、無事に各々のミッションに没頭できる。
今朝もまた、悪の組織から良からぬ声明が出た。
「世界の野菜の半分を毒で満たします」
人はなぜ争い合い、過ちを犯すのか。過去を許し、共に今を生き、手を携えて未来を切り拓くことは不可能なのか。
永遠の命題に挑み立ち向かう日々。
財前が言う。
「心置きなく研究がしたい。これが1つ目の願いだ」
だが。
世界中の平和と安寧の実現。
これが我々すべての、ゼロ番目の願い事なのである。
いつの日にか、月の沙漠に花が咲くことを信じて。
今日も黙々と、ミッションをコンプリートしていく。

《余滴》
さて。「毎週ショートショートnote」のお題の解説です。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、表も裏も、なるべく言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし一方で、私のこの「荒技」にお題を探し続ける人もいらっしゃいまして。
田原にかさんのお題については、今日もここに、お節介な解説を入れてみようと思います。
ですが。
この解説についての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑
①表のお題が【節分の半分は優しさでできています】→一陽来復・一陽来福お守りを涼が財前に持ってくるのも優しさ。財前が研究所の発展を願ってお守り札を祭るのも優しさ。つまり半分は優しさで節分を彩ります。でも、もう半分は、希望で、出来ているのでしょう。
②裏のお題【怪文の半分は野菜でできています】|д゚)チラッ→悪の組織の怪文書。どうして世界の「野菜の半分」なのかは不明ですが、本当に毒で満たされたりしたら、それこそ一大事。世界の混乱を来す悪の組織。許せぬ。
ちなみに今回のカバー画像は、「月の沙漠」で検索して選びました。
小牧幸助さんのお題「月の花」と、山根あきらさんのお題、「ゼロ番目の願い事」も、何とも味のある、匂わせのお題だと思いました。
それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑
荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑って言った。
「日曜日、うんうん唸りながら記事を書くのやめて、マッサー(注1)に専念したら?その方が楽だよ?」
……。
マッサージをすると家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。
