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珈琲のなにがそんなに好きなのか?

    以前、こちらの記事で珈琲への偏愛をかるく語らせてもらいました。


    その続き、というわけでもないけれど…
    布教ついでに、ハンドドリップの何がそんなに好きなのかというお話も書いてみようと思います!



    本日の珈琲のご紹介


    本題に入る前に…
    この記事を書きながら飲んでいる一杯をご紹介させてください!

    やなか珈琲さんで購入した「アルーシャキリマンジャロ」
    タンザニアの豆で、焙煎度7(シティロースト)の ウォッシュト製法。
    高い標高と、火山が近い土壌が育てた東アフリカ有数のコーヒー。

    中温で蒸らしをながめに、お湯を揺らさないように淹れてみました。


    この豆、香りがいいんだよなぁ…
    「エチオピア・モカ」ほど華やかではないけれど、ほんのりとした柑橘系の、いい意味で軽い感じ。
    味わいもすっきり。酸味は感じるものの、コクの分だけ甘さがあって、口当たりがまろやかだから飲みやすい。

    …最後の方に、ちょっと苦味が残ってしまった。
    これは私の撹拌が甘かった気がする。次回に活かそう。

    朝、シャキっとしたいときは物足りないだろうけれど、夕方に差し掛かってゆっくりしたい気分ときには、負担なく飲めるキリマンジャロが似合う。
    余韻も控え目だから、作業にもちょうどいいんだよなぁ。


    この気楽な気分のまま、続きを書いてみよう。


    珈琲を淹れるまでに出会う「情報の数」


    やなか珈琲さんで購入した「アルーシャキリマンジャロ」
    タンザニアの豆で、焙煎度7(シティロースト)の ウォッシュト製法。
    高い標高と、火山が近い土壌が育てた東アフリカ有数のコーヒー。

    先程の豆の紹介。
    これだけでも結構な情報が詰まっていて…その全部が「味」に圧縮される。

    珈琲に馴染みがない方もいるかもしれないので「珈琲に関する基本情報」について説明してみます。
    自分がいま、どれくらい珈琲について知っているのかも確認してみたい。


    珈琲の基本情報


    豆自体の個性としては「どこの国で栽培されて、どういう精製方法がされたか」に由来すると思っています。
    それに合わせる調整値、のような形で、挽き目やお湯の温度といったレシピだったり、適した器具(ドリッパー等)がある程度決まってくる気がする。

    豆を選ぶときに見る名前もここから決まっていることが多いので、ぜひ次回選ぶときに気にしてみてほしいです!
    ※私は決して専門家ではないので、もし間違っていたら教えてください…


    産地(国・地域・標高)
    コーヒーの栽培には、他の植物と同様、気候や地形が関わってきます。
    とくに標高が高く、寒暖差が大きい場所で育ったコーヒーは実の熟成が遅くなる。
    ゆっくり育った実からは、酸味や風味、香りが凝縮された高品質な豆が採れやすいそう。…だから味わいもすっきり系が多いのか。


    品種
    じつは数十種類あります。でも飲むときに覚えておくのは2種類で十分。

    ・アラビカ種
    全体の半分以上はこちら。
    さらに「ブルボン」や「ティピカ」、「ゲイシャ」といった細かい品種に分かれている。
    色々な環境で育つ反面、病害虫に弱い。

    ・カネフォラ(≒ ロブスタ)種
    特定の気候で育つため流通量はやや少なめ。けれど病害虫に強い!
    味わいとしては個性が強いので、別の豆と合わせた「ブレンド」としてお目にかかることが多い気がする。


    精製方法
    果実からどうやって豆を取り出すか、その方法によって分かれているそう。
    大きく分けるとこれも2つ。特徴は名前どおりでシンプル。
    水の豊富な地域かどうかなど、産地にも影響を受けます。

    ・ナチュラル(乾燥式)
    果実のまま天日干しで乾燥させた後、脱穀して豆を取り出す方式。
    果肉の香りや風味が豆に染み込み、自然な味わいが残るため、ウォッシュトに比べると個性的な印象が多い気がする。

    ・ウォッシュト(水洗式)
    先に果肉を除去してから水洗い!
    元々ミューシレージという粘液質が豆には付着していて、これを洗い流すことでクリーンな味わいになるらしい。


    それこそ本日の一杯として紹介した豆の産地・タンザニアが分かりやすい。
    ビクトリア湖付近で栽培されるロブスタ種はナチュラル
    その他の地域はウォッシュトのアラビカ種
    …といったように2つの味わいに分かれています。



    書き出してみると、これだけでも結構な情報量。
    それを「名前」を見て分かるようにしているだなんて、命名って結構な技術ですよね。

    ただ、豆を選ぶときにはもうひとつ大事な情報があります。それが焙煎度。


    焙煎度
    果実から取り出した生豆にどの程度火を通したかの指標。
    ざっくり言ってしまうと「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3段階。

    もうすこし細かく分けると8段階くらいが一般的だそう。
    冒頭で紹介した豆の「シティロースト」というのはこちらに合わせた表記ですね。
    …段階の表記はお店によっても違うことがあるので、「数字が大きいほど焙煎度が高い」と覚えておけばいいのかも。

    その焙煎度によって何が変わるのかというと、酸味と苦味のバランスです。
    生豆の時点ではどういう味わいになるかはまだ決まらない。
    …もうすこし、ちゃんと傾向で説明しておこう。

    たとえば。
    ナチュラル製法(乾燥式)は果実の風味が残りやすいので、深煎りにすると複雑で甘いコクが出やすい。
    ウォッシュト製法(水洗式)はクリーンで繊細な酸味があり、浅煎り〜中煎りでの明るさが映える。
    標高が高い産地の豆が硬くなりやすく、酸味のポテンシャルが高いから浅煎り向き。
    低地栽培(ブラジルの一部など)は柔らかく、マイルドな苦味が出やすいので中深煎り〜深煎りが安定

    …などなど。
    ただ、焙煎度は必ずしも豆の種類で決まるというわけではないそうで。
    「どういう味わいに仕上げたいか」という焙煎士の腕や哲学の見せどころなのでここはあくまでベーシックな傾向の話。

    だからこそ、産地と製法とは別に、焙煎度を気にしてみるのが面白いんですよね。
    同じ豆でも、浅煎りか深煎りかによってかなり味の印象が変わってくるから。


    選んだ豆でどう淹れるかを調整する


    ここまでの情報が所謂「固定値」だと思っていて、お店で買うときにすでに決まっている情報。

    …うーん、中々にボリューミー。

    書いている側としてはあっという間だけれど、読む側は大変かもしれない…もうすこしシンプルな説明を心がけたいところ。

    選んだ豆を使ってどうやって抽出するか、その方法も色々あるのですが、私はハンドドリップがとくに好きなので今回はそこにフォーカスして続きを書いてみようと思います。


    挽き目とドリッパー

    好きな豆を買ったら、まずやることは分量を量ってミルで挽く。
    粉状にした豆にお湯や水を浸透させることで珈琲という飲み物が出来上がる。

    このとき、粉の粒度を粗くするか細かくするかが調整ポイント。
    けれど豆によってある程度の向き不向きが決まっているので、最初は買った豆を調べてみて、おすすめの挽き目で試してみるのがよさそう。

    細かいと、それだけお湯にふれている時間がながくなるので、ドリッパーとの相性もありますね。

    ドリッパーの形は台形や円錐型などたくさんあって、材質も含めるともう選べないくらいのバリエーションが。
    珈琲店や百貨店に行って、色々なドリッパーがずらりと陳列されているのを見るのがたまらないんですよね…とりわけ、白い陶器製のつるりとした表面が愛らしくて。

    基本的には、穴が大きい・多いほどお湯が流れるのが速い。
    粉がお湯にふれている時間でも、酸味と苦味のバランスが左右されます。
    抽出時間が長すぎると雑味が出て、雑味が多いと美味しくなくなってしまう
    …たぶん、使い終わったお茶パックを入れっぱなしにしたときと同じイメージ。

    その調整もまた慣れるまでは難しくて、そこが楽しい。
    珈琲は失敗しても、怒るのは自分の舌くらいなので。

    飲めたものじゃない!っていうくらいの味になった場合は…牛乳で割ってカフェオレにしてしまえば…ギリ捨てずに済むかもしれないので、おすすめです。


    お湯の温度

    珈琲の味わいには湯温もかなり重要で、湯温が高いほど成分が速く抽出され、湯温が低いほど成分の抽出はゆっくりになります。

    珈琲の味わいって、じつは結構システム的で。
    酸味→甘み→苦味、最後に雑味、という順番で抽出されるらしい。

    だから、湯温が高すぎると苦くなるイメージがあるんですよね。
    日本茶を淹れたことがある方ならイメージしやすいかもしれない。温度が高いと、苦味や渋みが出やすい。


    ただ、ここも調整ポイント…つまり、推しポイントだと思っていて。

    浅煎りの豆を買って「フルーティにすっきり美味しく仕上げたい!」と思ったとき、お湯の温度は高めにすることをおすすめします。92℃くらい。

    湯温が高いとあっという間に苦味も出てしまうので直観に反するかもしれませんが…酸味だけだと、すっきりどころじゃなくなっちゃうんですよね。酸っぱい。
    だから、フルーティに仕上げたいなら酸味だけじゃなくて、苦味の力も借りましょう。

    逆に深煎りのしっかりしたコクと深さが欲しい場合は、最初に酸味をかるく出せればいいので、比較的低めの温度…豆によりますが、85℃くらいがおすすめです!


    一口にお湯の温度が大事、といっても…
    どういうふうに仕上げたいかの気分だったり、選んだ豆の個性や、それから挽き目や手持ちのドリッパーとの相性など、組み合わせによって最終的な「味わい」になるのが珈琲。奥深い。


    珈琲は美味しいし、産地によってある程度決まってくる味も好きだけれど…
    個人的にはむしろ、珈琲の「味を設計する」工程に惹かれたから「苦くて飲めない、苦手」なまま好きになったんですよね。


    ハンドドリップという工程の魅力


    豆を選んで、挽いて、ドリッパーとお湯の温度を決めて、淹れる。

    たった一杯の珈琲を飲むだけでもこれだけの工程があって、しかもそれぞれの工程での情報がたくさんある。

    忙しいときなんかは、お湯を注ぐだけのドリップパックも使うけれど。
    …珈琲を楽しみたいなぁ、という気分のときはやっぱりハンドドリップを選びます。
    味も、淹れる工程も楽しみたいから。

    珈琲のドリップは、とにかく変数が多いんですよね。

    変数が多い=どういう結果になるのか予測が立ちづらい。だから普通は、不安の種にもなりやすい。
    けれど、珈琲の場合は、それが「自分で工夫できる余地」になっているから楽しめる。そこが愛おしい。

    しかも、最初に確認したとおり「産地 × 精製方法」という固定値のおかげで、知識がなくてもある程度好みにあった豆を探せる。
    奥深いのに、門戸が開かれている懐の広さ。そこも好き。

    餅は餅屋に。迷ったら店員さんに「苦い方がいい」「朝に飲みたい」など気分や好みを伝えてみてください。


    ちなみに似たような理由で料理も好きなのですが…
    珈琲も料理も、「結果よりも過程を大事にしたい志向」に合うのしれない。

    それを香りや音で体感できるっていうのがミソ。
    だからこそ「珈琲を淹れる」という動作が私にとってはひどく整う、満たされるものに感じるんですよね。

    誰にも迷惑をかけない。失敗したって発見がある。
    リラックスしながら、いつもの思考と同じことを体験できる安心感。

    それはやっぱり味じゃなくて、工程への愛情なのだと思う。


    いま使っている器具


    最後に、いま使っている器具を紹介させてください。


    ▼ ミル:粉にするやつ ▼

    色はグリーン。
    手が小さいほうなのですが、持ちやすくてそんなに重たくない。
    CSは持ち手が取り外せなくて、使ったあと、クルクルと買ってに回りだすのですがそこもなんだか愛着が湧きます。


    ▼ スケール ▼

    しばらくは、1,000円くらいで買えるタニタのキッチンスケールを使っていました。

    ただ、豆に対してお湯の量が何gなのかを計算するのが面倒だったのでハリオの有名なやつに買い替え。
    「ポラリス」はお湯を注ぎ始めた瞬間に自動でタイマーも開始してくれます! 賢くて便利。


    ▼ コーヒーサーバー ▼

    基本的にカップにそのままドリッパーを置くことが多いけれど、多めに作っておきたいときやアイスコーヒーにする場合に使っています。
    …本当はガラス製がいいけれど、不器用なので…割れないものをチョイス。


    ▼ ドリッパー ▼

    「森修焼  円すい形ドリッパー」という1つ穴タイプを使っているのですがAmazon や楽天市場、Yahoo! ショッピングでも在庫切れ…

    森修焼にかぎらず、陶器製のドリッパーは保温性に優れているのでおすすめです!


    ▼ 本 ▼

    珈琲に関する知識を学ぶうえではいくつも本を読んだので、この記事に書いてある内容、というわけではないのですが…
    最近の、お気に入り。図鑑並みの大きさなのでちょっと置き場所に困りますが、綺麗で分かりやすいイラストや国ごとの特徴が見やすい一冊です。


    迷ったときは直観的に好みの道具を使ってみるのが良いと思います。
    性能も大事ですが、ライフスタイルや好みにあった道具が一番!

    この記事を読んで、ひとりでも多く、珈琲やハンドドリップの魅力に気づいてもらえる方がいたら嬉しいです。


    ▼ 収録:まった~り更新します ▼


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