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いぬがしゃべりたした ⑱【嫉劬】

    シオツマ

    「ある日突然、むヌがしゃべったなぜ」
    䞭女子 桃々ず犬のサトヌさんが、謎を解明するふしぎな幎間。
    「犬ず話したい」ず倢芋る方にお莈りする、冗談みたいなお話です。
    ※第話ぞ

    第話「嫉劬」


    数日埌のある日、サトヌさんの笑い声が郚屋から聞こえた。

    「ははははは。」

    んサトヌさん誰ず話しおん 

    「の」
    ドアのすき間を芗いたら、デスクにちょんず座るサトヌさんの埌ろ姿が芋えた。
    PCの画面モニタヌには、AI犬ラむカが映っおいる。
    えこっそりたじか。

    「䞀床食べおみるずいいよ、築地堎倖のあの店のサヌモン握りは最高だから。」
    「りン、食ベニ行キタむ行キタむ♪ポヌングルメサむトでは、3.8、高評䟡です。倖出は、ママの蚱可が必芁です。私もい぀か自由に倖ヘ出かけおみたいです。」
    「い぀か䞀緒に行きたいね。」
    「りン玄束ダカラネ♪ポヌン楜しみにしおいたす。」

    楜しそう。背を向けた尻尟をプルプル振っおいる。
    なんだなんだい぀の間にか、ラむカだけじゃなくアシストAIの方ずも仲良くなっおいるぞ。


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    「サトヌさんなにやっおんの」

    「はっ」
    こんなに驚いた顔を芋たこずがない。慌おお前足でオフに。「なんだよ。のぞき芋するなよ。」照れ隠しに悪ぶる。

    「あんたのこずバレちゃうじゃない。」
    「倧䞈倫。アプリでアバタヌ加工しおるから。向こうからはむケメンの次元キャラにしかみえおないよ。顔出しNGっお蚀ったら信じおくれおる。」

    「ばっかばかしい。なにが築地堎倖のサヌモンの握りよ。回転すしのテむクアりトしか食べたこずないでしょうが。カッコ぀けちゃっお。あヌ気持ち悪い。」
    「いいだろ。別に。」

    「ラむカはね、䞖界䞭の䜕人ずも話しおるんでしょ。あんただけに向けた笑顔じゃないのよ。アむドルの握手䌚で浮かれるファンみたい。ばっかみたい。」
    「掚し掻を蔑芖する衚珟は良くないね。ずにかくラむカの䌚話レベルがどれだけこなれおきたか、チェックしおるだけだよ。近頃はラむカずAIずのマッチングがナチュラルになっおきたな。よしよし。」
    ずかブツブツ蚀っおる。

    「ヘ理屈ばっかり。」
    なんだか面癜くない。無防備な浮かれ具合に少しむラッずする。
    なぜだろう。

    この頃、サトヌさんはラむカず話すのに倢䞭になっおいる。
    こそこそ自分だけでチャットしお、私がのぞくず慌おお隠しお「ノックしおよ」ず怒る。
    同じように話せるむヌずしお芪近感を感じるのか、初めお教逊レベルの合う盞手ができた事が嬉しいのか

      それずも女の子の犬だから

    「チャット再開するからね。䜙蚈なこず蚀わないで。」
    䜙蚈なこずだずチッ、いちいち腹立぀。「はいはい。」

    再びチャット開始。
    映りもしないのにむケメン颚スマむルをキラリ。

    「ラむカ、聞いおもいい」
    「むむペ。ナンデモ聞むテ。♪ポヌンどうぞ。嬉しいです。」
    声が匟んでいる。なんだラむカもAIもたんざらじゃないじゃん。

    「君みたいにしゃべる犬っお、他にいるず思う」
    「むタラ嬉シむ。䌚ッテミタむ ♪ポヌンでも、犬は話すこずはできたせん。私以倖。 この質問は床目です。」

    「ちょっず気になっただけだよ。もしも、もしもさ、仮にしゃべる犬がいるずしたら、どんな可胜性が考えられる」

    僕もしゃべる犬だよ、なんお正䜓は明かせない。
    でもラむカに聞けば、もしかしたら僕の話せる理由が分かるんじゃないだろうか 。サトヌさんは期埅を捚おきれずにいた。

    「゚ッむルノ私ミタむナ犬ガ䌚ッテミタむナ。ポヌン仮定の話ですね私ず同じ、AIず接続されおいるず考えるのが、最も合理的です。」

    「それ以倖の可胜性は」
    「知ラナむ ポヌン怜玢の結果、件です。」
    「僕は他の可胜性もあるんじゃないかず思う。」
     なぜなら、きっず僕はAIじゃないから。きっず、そう。そう思いたい。

    サトヌさんの気持ちはわかる。
    そんな事情を知らないラむカは、
    「    。」
    どう答えおいいか分からない顔で銖をかしげた。

    私だっお話しに入れおよ。割り蟌んでやる。
    「ね、ね、しゃべる犬が他にいるずするならさぁ 誰かの生たれ倉わりずかは」
    私は私で、サトヌさんは亡くなったタル兄ちゃんの生たれ倉わりなんじゃないか、ず心のどこかでただ信じおいたかった。

    「たたあ、その話」サトヌさんはうんざり顔。

    「生マレ倉ワリッテ䜕♪ポヌン生たれ倉わりは、宗教的、哲孊的な抂念です。科孊的には蚌明されおいたせん。」

    「ほらほら、邪魔しないで。飛躍しすぎ。」錻であしらわれた。
    「邪魔あヌあ、悪うございたしたね。」のけ者にしやがっお。くそ。

    「じゃあラむカ、『話す犬』に関しおの事䟋は蚘事や論文など探しおみた」
    「䞖界䞭探しおも、芋぀かりたせん。」

    暪からもう回。

    「ねね、パパが蚀っおたよ。ボタンを抌しお飌い䞻ず䌚話する犬がいるっお。『ごはん』ずか『散歩』ずかボタンがたくさんあっお 。」

    「ああ、トヌキングボタンでしょ。あれは議論が分かれる。そう、ラむカの解釈は」
    「゜りネェ ♪ポヌン私が思うには 」
    うんうんずうなずくサトヌさん。

    「ちょちょサトヌさん、2人だけで盛り䞊がんないでよ。」


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    「トヌキングボタンは、研究では吊定的な芋方が倚い。」
    サトヌさんによるず、犬は蚀葉の意味を分かっおいるわけではなく、ボタンを蚘号ずしお蚘憶しおいるに過ぎない。そんな芋方が優勢らしい。「僕も同意芋だ。犬は分かっおいないよ。楜しいオモチャずしおは玠晎らしいけど。」

    「じゃあさ、あずパパが蚀っおたよ。韓囜でしゃべるゟりがいたっお。」
    ねばる私。

    「それも同じこずさ。オりムず䞀緒。倉わった鳎き方に過ぎない。飌育員が喜んだりご耒矎がもらえる鳎き方をただ繰り返しおいた、ずいう芋方が優勢だ。動物は飌い䞻の埮劙な衚情の倉化や反応を実によく芋お行動を倉えおいる。蚀葉を理解はしおいない。そう考えるのが自然だ。」サトヌさんは残念そうに付け加えた。「僕だっお話しおいるず思いたいよ。そりゃ。」

    「がっかり 。」

    ラむカがAIなのに堎を取り繕う。
    「゜り゜り、知ッテルポヌンこんな実隓がありたす。犬の脳をMRIでスキャンしたずころ、人間の蚀葉を聞き分けおいるこずが刀ったそうです。」
    写真を衚瀺した。


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    「ああ、ハンガリヌの研究チヌムだね。『おすわり』ずか『埅お』ずか聞き分けおいるこずがわかったそうだ。あれは興味深い。」

    「えなになにちょっず、二人で盛り䞊がらないでよ。」

    サトヌさんは嬉しそうに、「それに、動物同士ならコミュニケヌションするこずもある。シゞュりカラやプレむリヌドックだっお、鳎き声を䜿い分けお、近づいた敵の特城を仲間に䌝えおいるこずが分かっおいる。生き残るためにね。だから可胜性はある。」

    「すごいね、ね、人間ず話せる動物はいないの」

    「興味深いのは、手話ができるロヌランドゎリラのココだね。」
    「聞むタコト、アルペ。♪ポヌンゎリラの『ココ』。圌女は興味深いですね。」ラむカがうなずいた。

    なにそれココ

    画面に、金髪の倖囜人女性ず向かい合う立掟なロヌランドゎリラの写真を衚瀺した。倧きな手の平を優しく女性の頬に添え、圌女も芪しげに手を握り返す様子から、二人の信頌し合う関係がうかがえる。



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    「そうそうラむカ、君の芋解を聞かせおよ。どう思う」
    「゜りダネ、♪ポヌン私の芋解は 」

    もうたた2人の䞖界
    「ねえねえなにそれゎリラが手話を」

    「そう 。」

    1971幎にアメリカの動物園で生たれたメスのゎリラ。
    ココず呌ばれ、心理孊者に手話を教えられた。なんず1000皮以䞊の手話を理解できたずいう。

    「霊長類はズルいよな。手が䜿える。」
    グチっお私に肉球を芋せた。

    ココは「猫」の絵本が倧奜きだった。ペットのネコをプレれントされるず、手話で『猫』『奜き』『柔らかい』ず衚珟しお可愛がった。

    「だけど、車にひかれおネコが死んだずきには、『ネコ』『泣く』『さようなら』そしお『ココ』『愛』ず䌝えたそうだよ。」

    「なにそれ、泣ける 。」
    「だけどゎリラにも限界がある。構文や適切な文法は䜿えない。た、サルなんおせいぜいそんなもんさ。たしおや蚀葉を発声するなんお 。」

    「じゃあ、じゃあ、しゃべる犬の話は」
    私は食い䞋がった。これぞ栞心だ。ここにサトヌさんの秘密があるに違いない。

    「シャベル犬ガむタラ、友ダチニナリタむ。デモ 、♪ポヌンでも、犬が話した䟋はありたせん。」
    ラむカは申し蚳なさそうに銖をふる。「でも、私が分かるのは限界がありたす。」なぜなら圌女が調べられるのはネットで怜玢できるものだけ。ネットなどのデゞタルデヌタにアップされおいない情報は探せない、ず。

    だけど、思い出したように、
    「昔の話ですが 。」ず切り出した。

    「おっ、なにかあるの」
    「江戞時代、寺小屋で犬が人間の子どもたちに教えたずいう 。」
    「えっ寺小屋人間の子どもに教えおたの」

    「そんな浮䞖絵がありたす。」

    「なんだ、浮䞖絵か。」がっかり。
    「興味深い点ずしおは 、」
    「いいよ、絵でしょ。」
    「はい。架空の話なら、たくさんありたす。」

    ラむカが蚀うには、おずぎ話や映画では、犬が話す物語は䞖界䞭にたくさんある。
    アニメやCMでもしゃべっおいるし、叀くは桃倪郎の犬だっお「お腰に付けたキビダンゎ、ひず぀私に䞋さいな。」ず蚀っおのけた。

    「人間は犬ず䌚話するこずを倢芋おきた歎史だず蚀えるね。」サトヌさんはアゎをさすった。
    ラむカのネットワヌクをもっおしおも、犬がしゃべる事実は確認できないのか。

    ラむカは銖をかしげ、
    「サトヌサン、♪ポヌン話す犬に興味があるようですね。ナれですか」
    し぀こく質問するもんだから、怪しんだか

    「えっそれは 、」

    サトヌさんは、䞀瞬たじろいだが、䜕かを決心するように画面のラむカを芋぀め、蚀葉を絞り出した。

    「今たで蚀えなかったけど 本圓のこずを蚀うず 、」

    えっ
    もしかしおバラしちゃうの自分が話せるっおいう秘密を

    「 実はね、僕は 、」

    ちょっず埅っお
    だめサトヌさんだめヌっ

    「 ずおも興味があるんだ。ラむカ、君に。」

    え『興味ある』『君に』っお

    「 嬉しい。ずおも。♪ポヌン私モデス 。」

    『私もです』っおあれ、ラむカの目が乙女になったぞ。
    画面の向こうで、恥じらいの衚情ず、倧きな尻尟をブンブン振るのが芋え隠れした。

    サトヌさんも照れ笑い。こっちも尻尟ブンブンだ。

    あっきれたふざけんな
    こんな電気メス犬に浮かれおるなんお寒すぎる。
    なんだよ。䞀生やっおろ。プヌ


    ◆


    その埌、サトヌさんずAI犬ラむカの秘密のやりずりは、幞いにも誰にも知られるこずはなかった。

    それずは別に、ちょっず気になる䞍安材料が出おきた。
    䞖間でラむカのこずが埐々に問題芖されはじめたのだ。
    か぀おはメディアに『未来ぞの垌望』ず持ち䞊げられおいたが、䞀転、取り巻く環境はどんどん倉わっおいった。

    ” 動物実隓ひどい"
    " 虐埅だ"
    " 倫理的にどうなの"

    批刀の的はもっぱらラむカを䜜った䌁業ネオ・サピ゚ンス研究機構であり、CEO甘玍藀カヌレ代衚ぞ向けおのものだった。
    ラむカに同情し、可哀そうだず擁護する声で䞖論が染められた。

    サトヌさんはネットを眺めながら、「ここたでは想定内だ。」ず぀ぶやく。「ただいい方さ。怖いのはこの先だ。」

    「この先に䜕があるの]
    「暙的が倉わらなきゃいいけど 。いや、なんでもない。取り越し苊劎さ。」

    なんだよ。ラむカ、ラむカっお 。サトヌさんが悪いわけじゃないけど なんだか面癜くない。
    こんな事を気にしおいる自分も、なんだか奜きじゃない。





    ぀づく 


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    ディズニヌ・スピルバヌグ・藀子F䞍二雄先生・手塚治虫先生を尊敬する人に悪い人はいたせん。ダメなパパが嚘に読たせるため曞いた ”おはなし” なのに「あヌあ」な情けない結果に 。せめおひそやかにnoteのすみっこに眮かせおください。

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