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Photo byram1112_stb

【創䜜倧賞感想】生きるこずの地続きを、モスキヌト ゚リに玡がれる

     これが、赊す物語だずすれば、どこたで深く、自分自信に「生死」に぀いお、問うこずを課しおいるのだろうか。䜜者自身も看護垫ずいう職業で日垞的に「生」ず「死」ず察峙しおいるからこそ生たれる、ぎりぎりの倫理芳なのかも知れない。

     この物語が描くものを蚀葉ずしお衚珟しようずするず、的確な「色」を刀断出来ない。䜜者のモスキヌト ゚リは、意図しお「色」の衚珟を䜜䞭で倚甚しおいるが、これが読み手に痛いほど、䞻人公千咲の心の「色」が倉化した様子を蚎えおくる。

     千咲がプロの看護垫になる成長が䞁寧に綎られおいくのが物語の䞻軞になる。玆䜙曲折はあるのだが、それを乗り越えながらも、キャリアずしおは折れる手前でなんずか螏みずどたり、順調に成長をしおいく。

     どんどん本物のプロの看護垫になっおいく。

     その心情や、キャリアを積んで冷静に物事を俯瞰出来るようになるたでを、䞀緒に投圱するだけでも読んでいお楜しい。

     ただ、その成長ず同時䞊走する䜕も倉わらない絶察的な存圚の「生」ず「死」が、ずっず千咲の身近に存圚しおいる。千咲に限らず、今働いおいる珟圹の医療埓事者や看護垫は、この瞬間もそうなのだず思う。

     心の眮き方を間違えおしたえばどうなるのかは、私でも想像出来る仕事だ。

     看護垫ずしお、人間ずしお、真っ盎ぐに成長しおいくのに、どんどんその心の底の「色」が、深く濃く黒く塗り替えられおいき、千咲の看護垫ずしおの成長ず芋事に察比しおいる。決しお癜には戻れなくなっおいる。

     新人看護垫の恋ず成長の物語。ず、安易に語る話ではない。その裏にある、盎結しおいる「生」の色ず「死」の色が垞にそばにあり、千咲は、䜕床も、䜕癟回も察峙しおいお、その結果、日垞を脅かしおしたう境界線にいるような危うさを感じる。

     その危うさを助長しおいるのが、どこか掎めないモスキヌト ゚リの冷静な俯瞰の深い色の文䜓である。あえお詩的な衚珟を倚く䜿甚するこずにしお、千咲の危うさそのものを衚珟しおいるのではないかず思う。千咲は、生きおいるのか、死に向かっおいるのか分からない「際」にいる。

     これが、実に読み手を迷わせお、モスキヌト ゚リの䞖界の䞭に匕き蟌たれ、物語の確信に至る前に、この䞖界どこかキレむだなず、物語がすり抜けおいくような気分になるから面癜い。

     衚珟がキレむずいうのは、モスキヌト ゚リの感性によるものだず思うが、䞀぀の颚景描写を読んでも絵画を芋おいるような気分になる。

     物語は、おそらく医療珟堎の事実に基づき描いおいるず思われる、どの゚ピ゜ヌドもしっかりず人間が描かれおいるからこそ厄介だ。

     詩的な描写ず深い人間描写が亀互に襲っおくるので、読み手の感情が揺さぶられる。

     実際に、こういうふうに人間を芳察するこずが出来るのなら、本圓に楜しいのだろうなず思う。その分、実際は蟛いこずも倚いのだろうなず感じる。

     描かれおいおるのは、正しさや、間違いずいう尺床では説明出来ない「人間」ずしおの正解が存圚するずいうこずを提瀺しおくる。

     物語で珟圚進行圢の圢で、同時に進む恋愛䞖界の䞭でも、圢のないあやふやな粟神的な䞖界の繋がりを芋せるこずで、生きるこずは、䟝存にも、因果があるのかも知れないず䌝えおくる。

     終始、䞻人公から䌝わるメッセヌゞがある。「それでも、生きおいる」このメッセヌゞを匷く感じる。

     どうしようもない。䜕も出来ない。気持ちさえも、亀わせるこずが出来なくなる。だけど、それでも、生きおいる。

     そこに気付くたでに、患者を含め色々な人達ず千咲は、出䌚う。その出䌚いの濃床は、どれも自分の栞を塗り替えられおしたうようなもので、その郜床真っ盎ぐに正盎に悩む。その危うさに同僚の綟はしっかり気付いおいる。

     䟝存するこず、されるこず。患者の垌望になるこず、寄り添うこず。毎日「人間」を盞手に察峙しながら、自分を赊した時に、その色を自分の色に塗り重ねられるのは、自分だけだず初めお気付いおいく。

     珟実でも恋愛、仕事、どこの境界線で「䟝存」に倉化しおしたうのか、誰にも分からないたた、皆曖昧に生きおいる。䞀生懞呜に生きた結果、気付いたらそうなっおしたっおいるこずがほずんどだ。

     充実の裏には、危険が垞に朜んでいお、人間はそれを知りながら、蚀葉を重ねお玡いでいく。どんな結末になろうが、やはり「それでも、生きおいる」ず、この䞻人公千咲は蚀っおくれおいるように感じる。

     物語で残酷なこずも起きるのだが、それよりも、モスキヌト ゚リの俯瞰ず冷静な衚珟により、その文䜓の詩的な矎しさの䞭にいる䞖界芳を物語の至るずころで感じおしたう。

     だから、䜕床読んでも受け取る「色」が倉化しおしたうのだ。

     すごい。

     あたり、䜿いたい衚珟ではないのだが、物語なのに、幻想的な気持ちにもさせおくれお惹かれおしたう。

     この䜜品は、モスキヌト ゚リが今しか描くこずが出来ないものを、党力で描いおいる気がしたす。

     このバランスで、この衚珟方法は、この先も小説を曞き続けおいくのなら、倱っおしたうのかも知れない。それくらい絶劙なバランスで成立しおいるず思いたす。

     だから、私は読めおラッキヌだず思う。

     この䜜品の感想を「曞きたくおも曞けない」ずいう人を䜕人も芋かけた。それなのに、すごいず皆が思っおいる。䜕かの衝動を䞎えおくる。人の心のどこかに感じるものを、䞎えるこずが出来る小説なのだず思いたす。

     そしお、感想を曞けない人がいる気持ちも説明出来たす。詩的なこの䞖界は、読み手の想像が物語以䞊に勝手に広がり、居心地が良すぎおしたい、明確な正解を説明出来なくなるからだ。

     だからそこそ、読めお嬉しくなる。

     モスキヌト ゚リは、自分の䜜家ずしおの色を塗り始めたのだず思う。これから先も、どんどん衚珟が倉化しおいくのだず思う。それが匷みである気がする。圌女が描く衚珟の底が党然芋えない。

     そもそも私は、圌女が描くナヌモアある゚ッセむが奜きなずころから始たっおいる。

     それが、小説を曞いたら党然違う衚珟を芋せおきた。衚珟でいく぀もの顔を持぀のだから、魅力的に芋えおしたう。

     倚くの人が、圌女のこずを知っお欲しいです。このタむプの䜜家は、熱狂的なファンを䜜りたす。圌女にしか描けない䞖界芳がすでに存圚するからです。

     圌女の䜜品を、さらにもっず倚く読める機䌚が増えるこずを願い、たくさんの人に届くこずを願いたす。人を惹き付け続けるこずが出来る、貎重な䜜家になるず思いたす。

     私は、圌女に䜜品を曞き続けお欲しくお、これからも読たせお欲しいです。

     そしおこれは、決しお私䞀人の意芋ではないず思っおいたす。


     
     それず、もう䞀぀䜜品を぀いでに。こんなに振り幅を出せないです。䞀生懞呜に感想曞いたのに、これはもはや別人レベルのコメディ䜜家で、党囜の看護垫や医療埓事者から怒られお欲しい小説で最高です。映像化しお欲しいくらい倉態です。党話朗読されるくらいの倉態を匕き寄せるパワヌを持っおいたす。


     䜕はずもあれ、たた䞀人奜きな衚珟をしおくれる䜜家に出䌚えたこずに感謝いたしたす。


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