メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ほぼ100文字怪談 まとめ13

    もりとき

    Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。


    【ほぼ100文字怪談_121】

    雨の中、傘もささずに髪の長い女が立っている。
    心霊にしたってこんなベタな展開ないよねと思って、すれ違いざまに横目で見てみた。
    女の顔には、ナメクジがびっしりと這っていた。
    ナメクジの向こうから女が私を見てる気がして、背筋に悪寒が走った。


    【ほぼ100文字怪談_122】

    縁日で人混みの中を歩いていたら、てのひらに子どもの手が滑り込んできた。
    親と間違えたのかと思って視線を落としたが、誰もいない。
    でも、冷たい子どものてのひらの感覚がまだある。
    さり気なく手を動かして振りほどいても、何度も滑り込んできた。


    【ほぼ100文字怪談_123】

    学校に行こうとして玄関に行ったら、濡れた足跡がひとつ。
    小さな子どもの裸足の足跡で、家の内側から外に向かった足跡。
    まるで子どもが早く遊びたくて、靴も履かずに家から飛び出していったような。
    でもこの家、私が一番の年少者なんだけど……。


    【ほぼ100文字怪談_124】

    定年後は田舎に引っ越した。スローライフを満喫しているが不可解なことがある。
    毎年、夏祭りの度に人がいなくなる。そして5日くらいでふらっと戻って来る。
    そのことについて聞いたら「これは順番だから」と返された。
    その順番は、私にも来るのだろうか。


    【ほぼ100文字怪談_125】

    ゴミの分別って面倒くさいよな。
    だからごちゃごちゃにビニール袋に入れて、こっそり捨てて、仕事に行ったんだ。
    途中コンビニで昼メシを買って、昼に食べようと袋を開けたら「ゴミは分別しましょう」ってメモとともに、俺が今朝捨てた不燃ゴミが入ってた。


    【ほぼ100文字怪談_126】

    夜、神社の前を通ると、白無垢の女性が立っていた。
    あまりの異質さに足を止めて遠目に眺める。
    突然、角隠しをかぶった頭がごろりと落ちた。
    その瞬間、耳元でざらついた不鮮明な声が「今の、見た?」と言った。


    【ほぼ100文字怪談_127】

    スマホのカレンダーで、リマインダーメッセージが表示された。
    内容を確認すると”あなたが死ぬ日”って出てる。
    何これ、怖くて外に出れないじゃん。いや、もしかしたら家の中で被害に遭う??
    マジで、どうしy


    【ほぼ100文字怪談_128】

    保育士として働いている。園児たちは無邪気で可愛いんだけど……。
    この間、園児が私の足元を指さして「先生、わんちゃんいるよ」って言った。
    私、犬を飼ったことはないんだよねぇ。
    無邪気すぎて、ちょっと怖いなって思うことがあるんだよね。


    【ほぼ100文字怪談_129】

    洗面台の蛇口を上げたけど、なぜか水が出ない。
    おかしいなと何度か蛇口を動かすけどやっぱり出ない。故障しちゃった?
    視線を感じてふと鏡を見たら、私の背後に女の姿が映っていた。
    その女の目から、鼻から、口から、水が出ていた。


    【ほぼ100文字怪談_130】

    郵便受けに入っていたマンションのチラシの間取り図。
    押し入れの中に、人の形のマークが描いてある。
    これは何だと興味本位で内見に行ったら、その部屋はそもそも押し入れがない物件だった。
    チラシを見せたら、不動産屋も首をかしげていた。



     
     
     
    誰かがぽつりと語ったような短い創作怪談をメインで書いてます。 noteに1500〜2500字の怪談を、YouTubeでは怪談を自動音声で読み上げる動画も公開してます。 最新情報はX(@moritoki_kaidan)にてお知らせします。

    あなたへのおすすめ