
父が詐欺にあった話①
実家にいる父親が詐欺にあったらしい。
人をバカにすることをライフワークにしている父である。
話を聞いたときは、心配という感情は一切湧かず、
むしろ爽快ですらあった。
出来ればリアルタイムで現地観戦したかったぐらいであるが、
残念ながら、私が事の詳細を知ったのは全てが終わったあとだった。
つまり、ここから先は母から聞いた話である。
持ち前の性格の悪さもあり、友人のいない父は退職後、ひたすら家にこもっていた。
主な楽しみは、家の電話にかかってくる営業電話をおちょくることぐらいだそうで、実際に父は、
「そんな仕事していて、むなしくないんですか?」
「意味ないですよ、その仕事、やめた方が良いですよ」
なんて言っては、退屈を紛らわしていた。
そんな中、かかってきた一本の電話。
よくあるやつである。
「家にある不用品、買取しますよ」と、いうやつ。
もう死にゆく老人の二人暮らし。
どうやら終活というのをしたくなったらしい。
その場で家に来る日時まで決めてしまった。
仕事から帰ってきた母に、父は、
「来週末、買取業者がくるから。いらないものをだしておけよ」
なんて言いながら、すっかり満足した顔をしていたそうな。
きっとその時の母にとって、
一番いらないものは父だったのかもしれない。
つづく
追記:つづいた!