
父が詐欺にあった話②
定年退職後、自宅に引きこもって暇を持て余した父が、不用品買取業者詐欺の電話をうっかり信じ、訪問予約までしてしまった話はこちら↓
後で知ったのだが、この手の業者は最初から不用品が目当てではない。
家の中を見回りながら、「貴金属の査定もできますよ」と持ちかけ、知識のない高齢者から安く買い取るのが目的なのだという。
つまり、金やプラチナの指輪をうっかり見せると、数千円だけ渡されて持っていかれる。
見せるな。絶対に見せるな。
危機管理能力が無駄に高い母は、父から話を聞いた時、詐欺じゃないかとすぐに思ったそうな。
キャンセルの連絡をしてほしいと父に言っても、
「せっかく俺が手配してやったのに!」
「家のいらない物が金になるなら良いじゃないか」
と、聞きやしない。
母から良く聞く詐欺だと言われたところで、黙って認めるような人ではないのだ。
(ちなみに父は未だに、詐欺にかかったとは認めていない)
仕方がないので、2人仲良く喧嘩をしながら、
家じゅうのいらないものをかき集めたらしい
(見たかったなー)
それもほとんどが若いころに着ていた洋服類やバッグになったとか。
そして運命の週末。
予定時間が迫る中、なぜかひっそりと外出しようとする父を、やはり危機管理能力の高い母は見逃さなかった。
なんで外出するんだい。
普段はリビングとトイレの往復しかしない父がである。
とはいえだ、よくよく考えれば、これは非常に私の父らしい行動とも言える。
父は何かを決めることは大好きだが、それを実行するのは嫌いなのだ。
肝心な時にふらっといなくなり、全てが終わった後にひょっこり現れる。
そして結果が上手くいっていれば自分の手柄。
上手くいかなかった場合は、現場にいた人のせいにする。
そうやって60年以上、生きてきたのである。
絶対に同じ職場にいてほしくないタイプだということは間違いない。
しかし、今回は詐欺である。
さすがの母も、外出する父を何とか引き止め、(というか当たり前だ!)
業者の訪問を待った。
そして時というものは必ず来る。
リビングに、インターホンの音が響いた。
つづく
追記:つづいた!