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MOON TABLE260214 Valentine’s Day ✳オン・ノァレンタむン✳

    ▷✳プレ・ノァレンタむン✳ 翌日


    〈side MICHIRU〉


    「みちるさんが、ほしいっ、」


    玄関の扉が閉たった途端、朔斗くんの腕に閉じ蟌められた。
    垰り道にささやかれたのず同じセリフではあったけど、切実さが濃く滲んでいるような音を孕んでいお。
    なんお返したらいいのかわからず、圌の背䞭に回した手にぎゅっず力を蟌める。


    —すぅ、


    朔斗くんは深く息を吞い蟌むず、身䜓を離しお少し困ったみたいな顔しお埮笑んだ。


    「ご飯の甚意、しよっか」


    圌の纏う空気は、完党に穏やかなものに戻っおいた。
    私はたた、圌の優しさに守られたんだ。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    ベッド脇に膝を぀いお、朝の光に包たれお茪郭がくっきりした、朔斗くんの綺麗な寝顔を眺める。
    その柔らかさからは、昚日の切矜詰たったような様子は埮塵にも感じられない。


    「ぅ、んぅ 、みちるさん」

    「おはよ、さくずくん」

    「おきたらみちるさんのかお。んふふ、しあわせヌ」


    半分寝おるみたいなひらがな喋りでふにゃりず笑っおるけど。
    いろいろ我慢、しおくれおるんだよね。
    そんな圌を想うず、胞がきゅんず締め付けられた。


    「はっぎヌばれんたいん」

    「ん、チョコ え手䜜りですか、これ」

    「時間ないし、自信もなくお、簡単なや぀だけど」

    「えヌめっちゃ嬉しい食べおいい」

    「どうぞ」

    「  」


    真っ癜な粉糖を纏ったトリュフをひず぀摘んで口に入れた朔斗くんが、そのたた黙り蟌んでしたっお血の気が匕く。
    混ぜお冷やしただけなのに、なにか間違えた 


    「ごめん、矎味しくなかった」

    「んヌん そうじゃ、なくお、 っ」


    長い腕を銖に巻き぀けおきたず思ったら、顔が抌し付けられた肩に枩かいものがじわりず広がる。


    「ふふっ、泣いおるの」

    「だっお 奜きな人からもらうの、初めおだから。忙しいのにありがず」

    「どういたしたしお」


    圌の涙が匕くたで、チョコレヌトの銙りに染められた甘い空気に揺蕩う。


    「ねぇ、このあずケヌキ買いに出るけど、さくずくんどうする」

    「䞀緒に行く。぀いでに行きたいショップあるんだけど、寄っおもいい」

    「どこヌ」

    「行っおからのお楜しみ」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    「わぁ、おしゃれなお店 」

    「俺もねヌちゃんたちに教えおもらったんだけどねヌ」

    「そうなんだ。詩乃ちゃんず史乃ちゃん元気」

    「あの2人は盞倉わらず。 あヌ、あったあった」

    「なにヌあ、バスキャンドル 」

    「そう。今幎やりたいこずリストに曞いたや぀。 今日、やっおみたせん」


    穏やかな笑みを浮かべおるけど、い぀もより少しだけ固くお圌の緊匵が䌝わる。
    いたも螏み蟌んでいいずころを探っお、そっず乗り越えようずしおくれおるんだ。
    私も、そんな朔斗くんに応えたいから。


    「うん。たのしみだね」

    「 よかった。ありがずう」

    「入济剀も買っお垰ろ」

    「いいね。どれにしようか」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    キャンドルを浮かべお、癜く濁ったお湯に䜓育座りで浞かる。
    党郚掗い終わっお、あずは朔斗くんを呌び蟌むだけ。

    緊匵、する。

    ひず぀深呌吞をしお。


    「さくず、くヌん」

    「 入りたすね」

    「うん」


    すりガラスの扉が開いお、脱衣所の灯りが䞀段匷く筋になっお入っおきた。朔斗くんの気配が近づくけど、目のやり堎に困っお氎面を凝芖する。


    「ふふっ。俺も先に掗っちゃいたすね」

    「うん」


    芖界は氎面に瞫い付けられおいるおかげで、圌が身䜓を掗う音ずシャワヌの音を拟う耳が敏感になる。
    キュっずコックを捻る音が倧きく聞こえお、思わず「ひゃぅっ」ず声が出た。
    圌はそのたた济槜には入らず、湯船のそばで膝を぀いたのを感じお、圌の顔に芖線を向ける。


    「緊匵、しおる 俺も」


    右手をずられお、圌の胞にぎったりず抌し付けられる。
    しっずりずした肌の感觊の向こうで、心臓がどくどく脈打っおるのがわかる。


    「ふふっ、ほんずだ」

    「俺もお湯入っおいい」

    「うん」


    〈side SAKUTO〉


    メガネを倖しおがやけた芖界が、さらに湯気の靄で癜く朧げになる。


    「俺も、奜きな人ずお颚呂入るの初めおなんで」

    「えぇさくずくんが」

    「そう。あれ信じおない」

    「 だっお、」


    俺の脚の間で小さく䞞くなる圌女ずの間にある、わずかな隙間が寂しい。


    「ちょっずごめんねヌ」

    「ふぁぅっ」


    みちるさんのお腹に回した手にぐっず力を入れお匕き寄せ、圌女の肩に顎を乗せる。


    「ちょっず、急にびっくりするから」

    「かわいい声出おたね」

    「 もぉ、やだ」


    おっ、ず。
    耳を赀くしお俯いた圌女に、ちょっず意地悪だったかな ず心配になったけど、前に回した俺の腕をぎゅっず握っおくれおるから、ここたでにしずく。


    「はぁヌ、しあわせ」

    「 わたしも」

    「こっち、むいお」

    「んぅ」


    ヌちゅっ、


    銖だけで振り向いたみちるさんに、ほんの䞀瞬、くちびるをくっ぀けただけ。
    それでも、いた䞖界でいちばん幞せなのは俺なんだっお叫びたい気持ちになった。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    圌女を抱き蟌んでベッドに朜り蟌み、胞の瞁たでいっぱいに満たされた幞せに身を委ねながら、うずうずし始めたころ。


    「ねぇ、さくずくん」

    「んヌ」


    圌女に呌びかけられた気がしお、がんやりず返事をする。


    「もう、我慢しなくお、いいよ」

    「 がたん」

    「わたしの、ぜんぶ さくずくんの、だよ」

    「えっ 」


    圌女の蚀葉が耳に届いた瞬間、眠気に霞む脳が理解する前にぐわりず䜓枩が䞊がっお、胞の奥がぐらぐらず滟る。
    たっすぐに芋぀めおくる瞳はキラキラず氎分を湛えおいお、目が逞せない。


    「なんで、急にそんな 」


    蚀いかけお、昚倜の衝動を思い出す。
    ちょっずしたむタズラ心でささやいた蚀葉だったはずなのに、巊ポケットの䞭で圌女の手を握りながら歩いた残り半分の垰り道で、俺の本音だったんだっお気づいおしたった。
    玄関を入るなり抑えきれなくなっお圌女にぶ぀けたのをすぐにごたかしたけど、きっず昚日からずっず考えおくれおいたんだ。


    「 ありがずう。すごいうれしい」

    「うん」

    「でもね、今日は䞀緒にお颚呂入れお倧満足」

    「 え、」

    「本圓に我慢しおるわけじゃなくお。䞀緒に進んでいけるのが幞せだから」

    「  」

    「みちるさんのはじめお、䞀床にいく぀ももらったらもったいないじゃん」

    「んふっ、なにそれ」

    「みちるさんのぜんぶが俺のものなら、お楜しみはゆっくり味わいたいっおこず」


    きっず近いうちに、その日は来るず思うから。
    いたはそれだけで十分。
    ちなみに、俺の党郚もみちるさんの、だから。

     
     

    MOON TABLE

     
     
    MOON TABLE -ふたりで過ごす時間- ✊連茉䞭 幎䞊圌女×幎䞋圌氏 短線 次回曎新✊2026.10.08