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Photo byaide_tsumugu

消しゎムの角っこ

    やるべきこずが倚いなあず思う。

    やるべきこずの䞭でも、must絶察にやらなければならないものであったり、have toやらなきゃなであったり、shouldやったほうがいいであったり、皋床の差はあれど、そういう「やるべきこず」が倚すぎる日々にうんざりするこずがよくある。

    たず、朝起きなければならない。
    そこからかよずいう自分からの囁きが聞こえるが、䞀日を始めるためには、たずシヌツにべっずりず匵り付いた自分の䜓を剥がす䜜業が必芁だ。
    毎朝飜きもせず、私ずシヌツの間には、ずりもちでも付いおいるのかず思うほどこの䜜業は私を疲れさせる。
    頭を枕からべりべりず剥がす、そのあず右肩を、剥がし残しのないようにゆっくりず剥がす、そうすれば巊肩は割りかし簡単に剥がれる。空いた䞡手で右足巊足の粘着質ななにかをゆっくりず剥がしおいく、そうしおやっずベッドから起き䞊がる。毎朝こんなむメヌゞでやっずこさ起き䞊がる 。

    この起き䞊がるずいう䜜業を行っおいる䞭でも、「シヌツ掗わないず」などず、私の頭には別の「やるべきこず」が浮かんでくる。

    ベッドから足を降ろし、足裏にざらりずした感芚があれば「床掃陀しなきゃ」ず思い、そこから連想しお「コロコロ買わなくちゃ」ず、コロコロを買い物リストに曞き足すずいう新たな「やるべきこず」を思い぀く。

    起床しおものの2、3分の間で、こんなにも倚くの「やるべきこず」に襲われ、このペヌスで垞に私の頭の䞭にはいろんな「やるべきこず」が流れ蟌んでくる。

    歯を磚かなきゃ、トむレ行かなきゃ、レンゞ䞋のほこり取らなきゃ、柔らかくなっおきたキュりリ食べなきゃ、掗濯しなきゃ、垰りペヌグルト買わなきゃ、仕事のやり残しやらなきゃ、ペットボトル捚おなきゃ、靎掗わなきゃ、LINE返さなきゃ、麊茶぀くらなきゃ、あれやらなきゃ、これやらなきゃ。

    倚い ずにかく倚い。
    もっずシンプルに生きられたらず思う。
    定期的にやるべきこずを習慣化しお、自分の身の回りのもの達を取捚遞択しお、本圓に必芁なものだけで自分の呚りを䜜り䞊げられたらず思う。

    厄介なこずに、これらの頭に浮かんだ「やるべきこず」はすべお実行されるわけではない。

    シヌツは週末に掗おう、ブランケットもたずめお掗っおしたおうず思うも、週末に雚など降ろうもんならその予定は次の週末に先延ばしにされる。
    コロコロを買いにドラッグストアに行くず、新商品のアむスず気になっおいたリップだけを買っお家に垰り、カヌペットに匵り付いた髪の毛を芋お頭を抱えたりする。

    こういうおざなりにされた「やるべきこず」たちは私の頭の䞭のほこりになっお、氎分を含んだそれらは、ねばっずした塊ずなっお私の頭の空気をよどたせる。
    花瓶に入れた色ずりどりの花を芋るず、䞀瞬は「いい感じじゃん、うたく生きられおるじゃん」ず、黒い塊は私の死角に入り芋えなくなるが、ふず振り返った時に、隅に黒々しく固たったほこりを芋぀ける。
    その黒いほこりは、少し目を離した瞬間に、花瓶からこがれた氎を吞っお、花束から朜ち萜ちた葉を取り蟌んで、先皋よりも倧きさを増したような気さえする。

    こういう日々の積み重ねに慣れおしたうず、よどんだ頭のたたで、たた新たな「やるべきこず」を考え、こなそうずしお、そしおたたおざなりにしお、同じずころを削り続けお、消しゎムの片偎だけを䜿い続けた時のようなアンバランスな状態になっおいく感芚がする。

    䜕ひず぀できおいないわけではないから、確かに遂行された「やるべきこず」もたくさんあるはずなのに、なぜできないこずばかりに意識が向くんだろう。
    「やるべきこず」は、なかなか消えない文字ずしお私の頭の䞭にこびり぀いおいるけれど、ずっず䜿っおいなかった消しゎムの真っ癜でピカピカの角っこをこすり付けるず、今たでこびり぀いおいたものは䜕だったんだろうず思うほどあっさり消えたりするものだろうか。

    消しゎムの新品の角を䜿うのは、少し勇気がいる。
    自分ですら「ええいたたよ」みたいな気持ちで䜿うずいうのに、勝手に人に䜿われようもんなら胞倉を掎んでの倧喧嘩になりかねない。幌い頃から、消しゎムの角っこは人類にずっおの最終奥矩のようなものだ。

    私にずっおの消しゎムの新品の角っおなんなんだろう。
    やるべきこずに苛たれない思考の倉革か、思い切っおやるべきこずを忘れおしたうこずか、やるべきこず自䜓を枛らすための生掻環境の改善か。
    はたたた映画を芳るこずか、矎味しいものをたらふく食べるこずか。
    矎しい景色を芋るこずか、奜きな人ず䌚うこずか。

    思い぀いたものを぀ら぀らず曞いおみたが、どれもそうだし、どれも違う気もする。
    他の人はどうやっお、やかたしい頭の䞭の自分ず向き合い、バランスよく自分の䞭の蚀葉や感情を削っおいるんだろう。どのタむミングで新品の角っこを䜿うんだろう。
    町䞭の人に、鬌気迫る衚情でメモを片手に聞いお回りたい気持ちになる。

    今わたしの頭の䞭には、掗えおいないシヌツを掗わなきゃ、野菜を買いに行かなきゃ、明日仕事であれやらなきゃ、りォヌタヌサヌバヌ入れ替えなきゃ、掚しのFC曎新しなきゃ、来月の友人の結婚匏のドレス遞ばなきゃ、などが、殎り曞きのような字で䌑たず曞き足され続けおいる。

    それらが曞き足されながらも、掃陀しなきゃずいう文字は消され、靎掗わなきゃずいう文字もなんずか消し、溜たった段ボヌル捚おなきゃ、ずいう文字も消しカスを生み出しながら消すこずに成功した。

    䜿い叀した消しゎムの䞞い面で消された「やるべきこず」たちを忘れない、消す過皋で生たれた感情も忘れない、脳のメモリヌずしお残しおおくずいうよりは、その文字を消しお、䞞く黒ずんだその角で蚘憶しおおきたい。消化された「できた」があったこずをい぀だっお思い出したい。
    いざずなった時に、限界だず思ったずきに、最終奥矩の「消しゎムの新品の角っこ」を䜿っお、自分を守れたら、それでいいず思えたら100点だ。

    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門

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