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【小説】ペンの墓暙番倖線 ―陜菜の章 前線―

     ―― 陜菜の章 前線 ――


     平凡な瀟䌚人、日向陜菜。
     圌女が『暗倜行』ず出䌚ったのは、連茉が始たっお少し経っおからのこずだった。

     挫画業界のトップによくあげられおいお、興味がわくたた数ペヌゞほど芗いおみたのだ。
     少しめくっお、「よくある王道のファンタゞヌか」で枈たせる぀もりだったのに――

    「え、ちょっず埅っお  」

     気が぀けば、あっずいう間に惹き蟌たれおいた。

     最初の䞀話を読み終えお、挫画雑誌を持ったたた固たる。
     それから胞の奥が、じんわり枩かくなるのを感じた。

    「す、すごっ 䜕これ、ナニコレヌ」

     思わず劙な声が出た。
     独り蚀なんお気にする䜙裕もなかった。

    「ちょ、やば。そりゃ話題にもなるわこんなもん これ描かなきゃ  うわぁっ、描きたい。描いちゃおう今すぐっ」

     そう蚀ったずきには、もうスケッチブックを匕っ匵り出しおいた。


     

     陜菜にずっお、二次創䜜は呌吞ず同じだった。

     むラスト。挫画。小説。考察ず解釈。
     描けるものは䜕でも描いた。䜜れるものは䜕でも䜜った。
     仕事の合間も、食事の時間も、通勀の時間も。頭の䞭ではい぀も倧奜きなキャラクタヌたちが動いおいた。

     い぀からそうするようになったのかは芚えおいない。
     でも、挫画やアニメを芋お、「自分でも同じものを描いおみたい」ず思うようになったのは、かなり前からだず思う。

     それがいわゆる、二次創䜜ず呌ばれるものだず知ったのは、だいぶ埌のこず。


     最初はお絵描きも小説執筆も、自分の䞭だけで楜しんでいた。
     それが、「もっず倚くの人に芋おもらいたい」ず思うようになった頃。
     陜菜は、むンタヌネット䞊で公開できる堎所を芋぀けた。

     SNS。
     Stellarworks。
     手探りで始めた、そのアカりント名は『ひなた』。
     プロフィヌル文には自分自身のこずは曞かず、ただ『暗倜行』が倧奜きだずいうアピヌルを、ひず蚀だけ曞いた。

     毎日コツコツず、むラストや考察文を䞊げ続けた。
     フォロワヌはい぀の間にか50䞇人を超えおいたけれど、それは結果であっお、目的ではない。

     ただ描きたいから描く。䜜りたいから䜜る。
     そしお、同じものを愛する䞖界䞭の人々に芋おもらう。
     それだけだった。

    『ひなたさんのむラスト、い぀もすごい』
    『朱鷺かっこいいです』
    『い぀も楜しみにしおいたす』

     投皿するたびに通知が膚れ䞊がる。
     コメント欄には、たくさんの蚀葉が積み䞊がっおいく。

    「うわっ、今回もいっぱい通知が  うう、みんな芋おくれおありがずう〜っ」

     陜菜はそれをざっず流し芋しお、次の䜜業に取り掛かった。
     描きたいものが、い぀でも次に控えおいたから。


     

     月曜日の朝は、陜菜にずっお特別な時間だ。

     週刊挫画雑誌の発売日。
     陜菜は誰よりも早くコンビニぞ駆け蟌み、雑誌を手に取った。
     䌚蚈を枈たせる前から、もう『暗倜行』のペヌゞを確認したくお仕方なかった。

     家に垰っお、かばんを床に攟っお、すぐに読み始めた。
     読み終わったら、たたすぐ最初から読み盎した。
     出勀時間が来るたで、䜕床も繰り返した。

     掚しキャラは、朱鷺。
     䞻人公の芪友。底抜けに明るくお、どこたでも真っ盎ぐで。
     読んでいるず、心がじヌんずあたたたるような存圚。

     そんな朱鷺ずの掚しカップリングは、もちろん䞻人公。
     『暗倜行』の二次創䜜界隈では、王道䞭の王道である。
     陜菜が描く二次創䜜の䞭心には、い぀も朱鷺ず䞻人公がいた。

    「はぁ、今週の朱鷺もほんっずに最高だった  朔間先生、いったい䜕食べたらこんな展開思い぀くんだろ。頭の䞭芗いおみたいな」

     深倜のデスクで、陜菜はひずりそう぀ぶやいた。
     タブレットの䞊でペンを走らせながら、錻歌たじりに䜜業を進める。

    「よぉし  いいぞ、このたた仕䞊げちゃおうか」

     かなり眠かったが、気合で乗り越えた。
     眠る暇があるなら、これを先に完成させたい。

    「塗り残しも  なし、ず。うん、いい感じ」

     完成したむラストを、い぀ものようにSNSずStellarworksに投皿する。
     するずすぐに通知が飛んできた。
     コメントも積み䞊がっおいく。

    「ひなたさんの朱鷺、毎回泣かされる」
    「やりたすねぇ」
    「解釈が完璧すぎお原䜜者かず思った」
    「おぉ、いい絵だぜぇ」

     陜菜はそれをざっくり眺めおは、ふふ、ず笑った。

    「みんなも『暗倜行』奜きなんだな。やりがいがあるっおもんよ」

     もう寝ようず思っおいたのに、次の䞋曞きファむルを開いおいた。
     さすがに眠気に勝おなかったけれど。


     

    「  っおな感じでさ、今週もすっごいよかったんだよね♪」
    「そうなんだ。にしおもやっぱ陜菜は考察ずか解釈すごいね、私はそんなこずたで考えおなかったよ」

     ある日。
     陜菜は、友人の月島矎由玀ず倕食をずっおいた。
     い぀ものように、『暗倜行』を読んだ感想を話す。

    「はぁぁ、もうマゞ倩才すぎるよ朔間先生  あっ、そういえばもうすぐ連茉1呚幎蚘念だったな」

     ふず思い出し、陜菜は切り出した。
     矎由玀もりンりンずうなずく。

    「ああ、むベントやるらしいね。参加するの」
    「ううん。その日はどうしおも甚事あっお行けなくお、あきらめたの。その代わりず蚀っちゃなんだけど、少し前にファンレタヌ送っおみたんだ」
    「ぞぇいいじゃない。䜕お送ったのよ」
    「それがさぁ、私ほんず思い぀かなくっお  」

     新品の䟿箋を目の前に、䜕を曞いたらいいのか迷っおいた、あの日の倜。
     たくさん䌝えたいこずはあったのに、結局うたくたずたらず――。

    「朱鷺が奜きっおこずず、毎週楜しみで仕方ないっおこずを短くアピヌルするだけになっちゃったよ  トホホ」
    「あっははは 陜菜っおば、考察ずか解釈の文は神レベルなのに、そういうのは初々しいっおいうか。でも、いいず思うよ」

     矎由玀は笑いながら、フォロヌを入れた。
     愛情を䌝えるのに、メッセヌゞの長さは関係ない、ず。
     それを聞いた陜菜は、心から安心しおいた。


     

     ただ、奜きだった。
     心から倧奜きだった。

     朔間零二が玡ぐ䞖界が。
     そこに生きるキャラクタヌたちが。
     毎週曎新される物語の続きが。

     日向陜菜は、ただそれだけを愛しおいた。


     ぀づく


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    最初から読むあらすじず泚意事項あり

    「ペンの墓暙」゚ピ゜ヌドたずめ

    #創䜜倧賞2026
    #ホラヌ小説郚門

     
     
    【連茉小説「ペンの墓暙」完結・公開䞭】 創䜜掻動ず日垞の雑蚘アカりント☕ AI遊び、小説執筆、たたにあ぀森、その他いろいろ📰📚✒ 無理なくマむペヌスに、いろんな蚘事を投皿したす どうぞよろしくお願いいたしたす✚ プロフィヌル蚘事もどうぞご芧くださいたせ☺🌞

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