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ク゜デカ最䞋局 其の二 暡倣

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å…š 3 話の第 2 話。最䞋局で起き䞊がった「それ」ずの遭遇戊。


戊士の男は、䞖界最匷の倧長剣を、目にも止たらぬ神速で抜いた。

抜く音だけで、ク゜デカ血塊が動いた。血溜たりの瞁から節をひず぀、こちらぞ䌞ばしおくる。爪のような圢をした、血の色の節だった。

「クァ゚ス」

戊士の男は地の底から䜎く呌んだ。

「芪父さん、こい぀、灰、効くず思うか」

クァ゚スはもう動いおいた。問いの答えを埅たずに腰から灰の袋を抜き、口を開けお、それの䌞ばした節の先に癜いものをぶち撒けた。灰だった。灰は節の先に圓たっお薄く広がった。

それは灰を内ぞ運がうずしなかった。撒かれた灰の呚りで、節を䞀床、嫌そうに匕いた。

「だめだ、効かねえ」

クァ゚スはそう云うず、油の小瓶を握り盎しお、䜎く、滑るように䞉歩前ぞ出た。最初の半歩、二歩目、䞉歩目。䞉歩目の途䞭で腕を斜め埌ろぞ匕いお、油を空気の䞭に攟぀矎しい匧を描こうずした。

クァ゚スの腕が匕かれた。

その匕きがただ䞉千分の䞀拍ぶんしか終わらないうちに、ク゜デカ血塊の瞁の節が、クァ゚スの描きかけの匧の残り半分を、クァ゚スより〇.〇〇䞀秒早く、空気の䞭ぞ描き終えおいた。䞀぀の動きが二぀の䜓に頭ず尟を分けお、同時にこの宇宙に圚った。クァ゚スの腕はただ匕く途䞭で、節はもう攟ち終えおいお、クァ゚スが描くはずだった匧の埌ろ半分が、クァ゚スより先に、血塊の瞁の䞊に完成しおいた。

戊士の男はそれを芋た。芋た、ず思った時にはもう芋終わっおいた。䞉千分の䞀拍の事だった。クァ゚スの䞉歩目が地面に着く――着くはずだった。

クァ゚スの䞉歩目の、ブヌツが地面を打぀音が、この宇宙から完党に消滅した。

灰の音があり、革鎧の擊れる音があり、二歩目の音があっお、そのあずに来るはずの䞉歩目の音だけが、銀河の圌方ぞ抜け萜ちた。足音の順番が䞀぀、消えた。

クァ゚スの足は、宙で止たっおいた。

止たったクァ゚スの顔を、戊士の男は暪から芋おいた。クァ゚スの口が䜕か云いかけお止たった。声は出なかった。圌は自分の手の䞭を芋おいた。自分の腕が描こうずしおいた匧が、自分の腕の䞭から䞞ごず消え倱せおいた。空っぜの腕が、ただ匕いた圢のたた宙にあった。

「クァ゚ス、䞋がれ」

戊士の男は短く云った。

クァ゚スは半歩、埌ろぞ䞋がろうずした。だが䞋がろうずした足の先に、それの節がもう死ぬほど先回りしお眮かれおいた。クァ゚スが䞋がる堎所を、それは先に塞いでいた。クァ゚スは眮かれた節に䜓を圓おお、止たった。

◇◇◇

シビュルが動いた。

「リヌダヌ。あれ、止める」

シビュルは答えを埅たなかった。鉀槍を右手に構え盎し、象くらいある長い尟を䜎く埌ろぞ垂らしお、塊の右寄りぞ亜音速で走り蟌んだ。

シビュルの組み技は、鉀槍ず尟を別々の方向に同時に攟぀、湿地の最匷流掟の奥矩だった。鉀槍が前から、尟が埌ろから、二぀の動きが同時にそれを挟む。

鉀槍の先が塊の瞁の薄い箇所を深く裂いた。

裂いた瞬間、塊の瞁が鉀槍の振りを完璧になぞっお節を䞀぀䌞ばした。シビュルの鉀槍の動きを、塊は写し取ろうずしおいた。

だが、尟の方には――䜕も起きなかった。

シビュルの象サむズの尟は埌ろから、塊の別の箇所に巻き付いおいた。巻き付いた箇所の瞁は、ピクリずも動かなかった。ク゜  静かに、止たっおいた。死ぬほど  でもなく、メチャメチャ  でもなく、ただ、動かなかった。節を䌞ばす事も、なぞる事も、䞀切しなかった。

塊の瞁の、尟に巻き付かれた箇所が、止たった。

それたで塊は、向けられた動きを片端から完璧に写し取っおきた。クァ゚スの匧も、シビュルの鉀槍も。だが尟に巻き付かれた箇所だけは、節を䌞ばさず、なぞらず、死んだように止たっおいた。

その䞀瞬を、戊士の男は芖界の隅で正確に捉えた。捉えたが、圌はそれを蚀葉にしなかった。シビュルも蚀葉にしなかった。シビュルは止たった塊を仕留めきる前に尟を解いお、半歩退いた。寒さで次の動きが氷河期ぶん遅れた。塊の止たりは䞀瞬で終わった。

「シビュル」

「ああ」

塊の右寄りに、シビュルの鉀槍が裂いた箇所が残っおいた。その裂け目はもう死ぬほど速く塞がりかけおいた。

◇◇◇

クァ゚スは、ただそれの節に䜓を圓おたたた止たっおいた。

油の小瓶を圌はただ握っおいた。最埌の䞀本だった。圌はそれを塊の䞭倮ぞ向かっお党力で投げた。

投げた小瓶は塊の瞁の手前たで来た。

そこで塊の節が䞀本、小瓶の方ぞ䌞びた。芚えたばかりのクァ゚スの匧を内偎からなぞるように、節の先が小瓶の軌道を倖ぞ抌し戻した。

小瓶はそれの瞁の手前で、別の方向に跳ねた。跳ねた小瓶は戊士の男の方ぞ飛んだ。圌の巊肩のあたりを小瓶の匧が撫でお、通り抜けた。革鎧の留め金の瞁に、油の膜が薄く擊り付いた。小瓶はその先の地面に萜ちお、割れた。

その間に、それの節がクァ゚スの䜓の䞭倮寄りを、内偎から静かに開いた。

開いた、ず戊士の男には芋えた。クァ゚スの䜓の䞭ほどで節が、内から倖ぞ䜕かを開くように動いた。クァ゚スの䜓の茪郭が䞀瞬、内偎ぞ匕き蟌たれた。

クァ゚スは䜕も云わなかった。

圌はメチャメチャゆっくりず、その堎に厩れ始めた。厩れながら、最埌にもう䞀床、口が䜕か云いかけお――

塊の瞁の巊寄りが、動いた。クァ゚スを開いた、その堎所だった。塊の瞁が節を䞀぀䌞ばし、なぞる動きを始めおいた。䜎く、滑るような、䞉歩前ぞ出る動き。灰ず油の、あの矎しい匧。塊はクァ゚スの動きを、自分の瞁の䞊に䞊べ盎しおいた。クァ゚スの歩幅で、クァ゚スの速さで。

戊士の男の䜓が、前ぞ出る構えのたた、その瞁ぞ匕き戻された。クァ゚スの倒れた方は、芋なかった。芋るより先に、塊が次の匧を匕き終えようずしおいた。


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