
「一緒に読む」絵本は、言葉の栄養になる。生後4ヶ月の息子が教えてくれたこと
こんばんは、みやこびとです。
私はオーストラリアのメルボルンで、生後4ヶ月半の息子・こびさんと夫と暮らしている。
「絵本は正しい順番で読むもの」
そう思っていたけど、こびさんと過ごす中で、その思い込みをひっくり返してもらう出来事があった。
今日は、こびさんから教わった気づきを、最近読んだ本も引用しながら書いてみたいと思います。
📚
はじめての絵本時間
我が家では、生まれてすぐの頃から読み聞かせを始めた。
知育というとかっこいいけど、単に触れ合い方のレパートリーを増やしたかっただけ。こびさんが起きていた数少ない時間に、いろんなことを試していた。ちょうど産後まもない私もボロボロで、座ってできる絵本タイムはまさにうってつけの交流だった。
赤ちゃんは生まれたばかりの頃は視力が弱く、白黒しか見えないらしい。
聞いていた通り、最初から白黒のコントラストがはっきりした絵本に興味を示してくれて嬉しかった。
いまは4ヶ月半。視力も発達して、赤や黄色といった原色の絵本やおもちゃに反応するようになった。
半月くらい前から、手を器用に動かせるようになってきて、目の前に現れるいろんなものをつかもうと必死な姿がなんとも愛おしい。
まだ力加減が分かっていないゆえ、髪の毛がちぎられそうにはなるけど。
これも男の子ママの宿命なのか。
ページをめくる小さな手
掴みたいのは、ママの髪の毛やおもちゃだけではないようだ。
ある日、絵本を読んでいると、こびさんがページの端をつかもうとしていることに気づいた。
なんとなく、こびさんのペースに合わせてみたくて、
「自分でめくってみたい?」と声をかけると、まんざらでもない顔。
お話を進めるのは一旦中断してしばらく眺めていたら、ついにこびさんは小さな手で厚いページをしっかりつかみ、めくることに成功したのだった!
「わあ!めくれたね、すごいね!」と一緒に喜びながら、ふと悩む。
こびさんは、絵本の流れとは逆の順序でページをめくっていたのだ。
お話を続けるにはまた先ほどのページに戻らなければならない。
お話を続けるべき…?
それとも、自分でめくれたことに敬意と喜びを示して、逆順で進めちゃう…?
「正しい順番」でなくてもいい
そのとき読んでいたのは仕掛け絵本で、ページをめくると動物が変身するように見えるもの。
本来なら「ヒヨコ → ライオン」と進むはずが、こびさんが好きなめくり方だと「ライオン → ヒヨコ」になってしまう。
でも、これはこれでアリかも。面白い。
絵本はお話通りに読まなくてもいいんだった。
まだ文字も読めない4ヶ月のこびさんとの絵本タイムは、本筋とは関係ない部分に飛ぶこともしょっちゅう。
「この足元に咲くお花が気になるの?黄色くてかわいいね」
そんな寄り道こそが私たちの“絵本時間”。
こびさんがその時に気になっているものに、一緒に向き合うこと。
だから「読んであげる」じゃなく「一緒に読む」。
どの絵本においても、物語を進めるページ順が大切なのではなく、
読んでいるこびさんと私が主役なのだ。
「絵本、読んであげる!」という声かけを
「絵本、一緒に読もうね!」に変えようと思った。
絵本は「言葉の栄養」である
最近、「サラダ記念日」でお馴染みの歌人、俵万智さんの『生きる言葉』を読んでいる。
なんでも吸収しちゃう幼いこびさんとの日常は、使う言葉に気をつけたいなと思うし、なによりnoteを書くようになって、より一層言葉の大切さを実感するようになったから。
俵万智さんは、ご自身のお子さんとの幼少期のことを振り返って、絵本が持つ力についても述べられていたので、少しだけ紹介したい。
絵本を読んでいるとき、子どもが「ん?」と戸惑った顔をすれば、意味がわからないのかなと察してやることができる。
ゆっくり読んだり、少しかみ砕いた表現に言い直してやったり。好きな場面だとわかれば、大げさに繰り返し読んでやることもできる。ストーリーとは関係のない絵の細部に興味を示せば、脱線してその小さな花や石ころの話をしてもいい。
読み聞かせというのは、生きた言葉によるオーダーメードの読書なのだ。
スキンシップも兼ねるし、コミュニケーションのきっかけにもなる。
生きた言葉による、オーダーメイドの読書…!
「読み聞かせ」ならぬ、「一緒に読む」ことをここまで素敵に言い得た表現が、かつてあっただろうか。さすが言葉のプロ。感動した。
もう一つ、印象に残った言葉を紹介したい。
絵やお話が子どもの想像力を刺激し、文字というものの存在にも気づかせてくれる。楽しくて素敵な場所だ。
大人になると「この本が面白いことはわかった。では次の本を読もう」となるのだが、子どもはそうではない。「この絵本が面白いことはわかった。だからまた読んでほしい」となる。
読み終えるとすぐ「もっかい!(もう一回)」と言われて、うんざりした経験をお持ちの人も多いだろう。繰り返しのなかで、絵本の言葉が栄養になってゆく。
言葉が栄養になる――なんて美しい表現。
これからも絵本をともに楽しんでいくママでありたい
メルボルンの図書館には思った以上に日本語の本がある。でも、日本にいるわけじゃないから、気軽に絵本を手に入れられるわけじゃない。
きっと、お気に入りの絵本ができたら、こびさんと何度も何度も読むんだろうな。
絵本に正しい読み方なんてない。
ページの順番も、寄り道も、繰り返しも、全部が「言葉の栄養」になる。
親である私たちの考え方が、こうやって少し変わるだけで、こびさんにとっての読書体験はずっと違ったものになるのかもしれない。
ママは絵本も大人の本も読むのが大好き。
これからも、一緒にたくさんの絵本を楽しんでいこうね!
本日もお読みいただき、ありがとうございました!
日々の育児の中でふと感じていたことが、こうして見事に(そしてはるかに素敵な言葉で)言語化されているのを見かけられたのも、バタバタとした毎日のなかでも、しぶとい私が本を読むことをあきらめていないからなのかもしれません。
書くことは、読むことでもある。
そんな風に感じた、メルボルンでの1日でした。

📚 今日紹介した本はこちらです!
俵万智さん『生きる言葉』(読み始めたばかりだけど、彼女の言葉に触れられるだけで贅沢な時間です!)
赤ちゃんにおすすめの仕掛け絵本(こびさんが好きなやつ)
👇絵本を読むことに関して、メルボルンで学んだ素敵な気づき
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