
やさしい簿記 第24回:簿記の基本に戻る② ―― 貸借対照表(B/S)って何だろう
前回は、会社の「1年間の成績表」であるP/L(損益計算書)について書きました。今回は、もう一つの基本の書類、B/S(貸借対照表)を取り上げます。
P/LとB/S、何が違うの?
決算のとき、税理士さんからP/LとB/Sの両方が出てきます。正直なところ、私も経営者になったばかりの頃は「両方あるけど、結局どっちを見ればいいの?」と思っていました。
一言で言うと、
P/L:ある期間(1年間)の「成績」を表す書類
B/S:ある時点(決算日)での会社の「体型・体格」を表す書類
P/Lは「今年1年、どれだけ儲けたか」という動きを見るものですが、B/Sは「決算日という、その瞬間に、会社が何を持っていて、何を借りていて、結果いくら自分のものが残っているか」を表すものです。
B/Sの基本構造
B/Sは、左側と右側に分かれていて、必ず左右の合計が一致します(これが「バランスシート」と呼ばれる理由です)。

「資産=負債+純資産」という式が成り立っていて、右側(負債+純資産)は「そのお金や設備をどうやって用意したか」、左側(資産)は「それを今、何の形で持っているか」を表しています。
【具体例】
たとえば、1,000万円の設備を、銀行から600万円借りて、自己資金400万円で購入したとします。
左側(資産):設備 1,000万円
右側(負債):借入金 600万円
右側(純資産):自己資金 400万円
同じ1,000万円という金額が、左右それぞれの見方で説明できる、というのがB/Sの面白さです。
経営者として、B/Sをどう見るか
P/Lだけを見ていると「今年儲かった」ことは分かりますが、それだけでは会社の本当の体力は分かりません。
借入がどれだけ残っているか
現金や預金がどれだけ確保できているか
純資産(自己資本)が、これまでの利益の積み重ねでどう増えてきているか
こうした「会社の体力・健康状態」は、B/Sを見ないと分かりません。P/Lで「今年の成績」を確認し、B/Sで「今の体力」を確認する。この両方があって、初めて会社の全体像が見えてきます。
特に注目してほしいのが、先ほどの表の中の「純資産」の部分です。純資産は、資本金だけでなく、これまで積み重ねてきた利益(P/Lの結果)も含んでいます。つまり、B/Sの純資産という一箇所に、過去のP/Lの積み重ねが反映されているのです。この「P/LとB/Sがどうつながっているか」については、次回もう少し詳しく掘り下げます。
まとめ:B/Sは「会社の体型・体格」
B/Sは、決算日という「ある時点」での会社の状態を表す書類
左側(資産)=右側(負債+純資産)で必ずバランスする
資産=「今、何を持っているか」、負債+純資産=「それをどう用意したか」
P/L(成績)とB/S(体力)の両方を見て、会社の全体像がつかめる
次回予告:第25回は「P/LとB/Sって、実はつながっている ―― 決算書の2枚をつなげて読む」をお届けします。お楽しみに!
<シリーズ:やさしい簿記>
このシリーズは、フリーランス・個人事業主・簿記初心者の方が「知らなかったから損をした」をなくすために、会計・税務・お金まわりの知識を、できるだけやさしく・深くお届けしています。記載内容は私個人の経験と理解に基づくものです。