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生活困窮者自立支援制度。高知市NPO法人「こうちネットホップ」(代表=田中きよむ高知県立大学教授)

    上記より転載

     高知市でホームレスを支援しているNPO法人「こうちネットホップ」(代表=田中きよむ高知県立大学教授)が今年、結成15年を迎えた。路上生活者に物資を渡す「夜回り」と一時宿泊施設の提供で多くを支えてきた有志の組織。メンバーの高齢化も進む中、届きにくい声にも寄り添おうと懸命の活動を続ける。

     大学教員や学生、市議ら10人ほどで2010年9月に結成。今は月1回、繁華街を回って路上生活者に食料やカイロなどを渡し、体調が悪い人を無料低額診療所につなぐ。ほかに、不動産業者らと連携して住宅を紹介し、生活保護の受給申請にも同行する。

    上記より転載

    生活困窮者自立支援制度とは

     「生活困窮」とは、単に経済的に困窮しているだけでなく、本人や家族の心身の状態の悪化や、社会からの孤立など、様々な問題が複雑に絡まり合い、誰かの助けを借りて状況を改善しなければ、生きがいを持って自分らしく生活することが難しくなっている状態をさします。
     「生活困窮者自立支援制度」とは、様々な要因により生活に困窮している方々に対し、丁寧な相談受付や、相談者の課題に応じた助言、専門の支援機関との連携、地域社会へのつなぎなどにより、生活の立て直しを支援する仕組みとして、平成27年度から始まった新しい制度です(高知市では、全国に先駆けて、平成25年度のモデル事業からスタートしています)。
    (お困りの状況の例)
     ・失業して、なかなか次の仕事が見つからず、家賃の支払いや今後の生活設計が難しい
     ・税金・保険料や公共料金の滞納があり、家計のやりくりに困っている
     ・病気や障害があり、今後の生活に不安がある

    ○生活困窮者自立促進支援モデル事業報告書

    高知市の取組について

     高知市では、生活困窮者自立支援法に基づく次の事業を実施しています。

    事業の名称事業の内容住居確保給付金

    【家賃補助】

     離職や廃業、休業等により経済的に困窮し、住居を失った方や住居を失うおそれのある方を対象に、一定期間、家賃相当分の給付金を支給するとともに、就労支援等を実施し、住居及び就労機会の確保に向けた支援を行う制度です。

    【転居費用補助】

     世帯員の死亡や転出等、又は申請者もしくは世帯員の離職や廃業、休業等により経済的に困窮し、住居を失った方や住居を失うおそれのある方を対象に、家計全体の支出改善のための転居費用相当額(上限あり)を支給する制度です。

    ※対象者は、こちらの支給要件をすべて満たしている方になります。
     詳しくは、高知市生活支援相談センターまでお問い合わせください。

    認定就労訓練事業

     心身の状況や長期失業など様々な要因により、ただちに一般就労することが難しい方のために、その方に合った清掃、農作業、事務補助等の作業機会の提供を行い、就労に向けた訓練等を行います。

    ・高知市生活困窮者就労訓練事業認定事業所台帳

     生活困窮者就労訓練事業を実施するにあたり、高知市の認定を受ける場合は、下記リンク先の情報をご覧ください(申請書等の様式も掲載しています)。

    ・生活困窮者就労訓練事業の認定に関する様式等について

    就労準備支援事業 コミュニケーション能力に不安がある、長期失業や就労の経験に乏しいなど、すぐに一般雇用に結びつくことが困難な方を対象に、生活リズムの改善や、社会参加活動、就労体験などを通じ、段階的にステップを踏みながら、就労に必要な基礎能力の向上を図ります。家計改善支援事業 家計管理が十分に行えず日常生活に支障をきたしている方を対象に、専門の家計改善支援員と一緒に家計の収支を確認しながら、家計管理の仕方を身に付け、生活の再建を目指します。家計の再建に向けた計画を立て、税金や保険料の滞納の解消にも取り組んでいます。居住支援事業 住居を持たない方に一定期間宿泊場所の提供等を行います(※対象者要件あり)。子どもの学習・生活支援事業(高知チャレンジ塾)

     中学生を対象に、学習の場を設け、無料で学習支援や居場所の提供を行います(高知市教育委員会が実施)。

    相談窓口

     高知市社会福祉協議会が設置する「高知市生活支援相談センター」では、高知市からの委託により、市民の皆さんから暮らしに関する様々な悩みごと・困りごとを受け付けています。
     相談の内容を詳しくお聞きする中で、相談者の意向に沿ったプランを立て、専門の支援機関と連携しながら、問題解決に向けたお手伝いを行っています。
     早めの相談が、解決への近道です。
     相談先が分からず悩んでいるうちに、問題が徐々に深刻になり、問題を解決する意欲や、SOSを発信する力さえ失くしてしまいかねません。
     秘密厳守を徹底していますので、悩みごとは一人で抱え込まず、どうぞ安心してご相談ください。
     お電話での相談も可能です。お気軽にご相談ください。ご本人以外でも、ご家族・友人など、身の回りに心配な方がいる場合は、センターまでご連絡ください。
     

    高知市生活支援相談センター

    業務時間:月曜日から金曜日の8時30分から17時15分まで ※土曜日・日曜日・祝日・年末年始は休み
    住所:高知市丸ノ内1丁目7番45号 総合あんしんセンター3階
    電話番号:088-856-5529 Fax番号:088-856-5549

    ※ご予約があればお待たせせずに相談員が対応できますので、なるべく事前にご連絡ください。

    上記より転載
    長引くコロナ禍に物価高騰も加わり、生活困窮者の暮らしはいっそう苦しくなりつつある。研究と並行してホームレス支援に取り組んできた高知県立大学社会福祉学部の田中きよむ教授(59)は「災害や国際情勢などで、誰もがある日すべてを失う可能性がある時代。自分のこととして考えてほしい」と訴える。

     ――コロナ下の生活困窮者の状況を教えて下さい

     支援してきた元ホームレスの男性は警備の仕事に就いていましたが、コロナ後に仕事が減り、月収が十数万円から数万円に激減。家賃滞納でアパート退去寸前に追い込まれました。この時は勤務先が雇用調整助成金(雇調金)を利用して何とかしのげましたが、ぎりぎりの生活を続けている人は少なくありません。

     コロナ下の国の支援策には雇調金や住居確保給付金、国民1人10万円の特別定額給付金などがありましたが、いずれも仕事や家、銀行口座があって住民登録している人が対象で、ホームレスにはほとんど届きませんでした。ホームレスへの10万円給付については、国が「住民登録がなくてもネットカフェや自立支援センターも生活の本拠として認められる」との事務連絡を出しました。でも、そもそも自立支援センターは地方にはなく、ネットカフェも利用料や身分証が必要。月1回の夜回りなどで出会う路上生活者にチラシを配って呼びかけましたが、最初から受給を諦めている人ばかりでした。

     国の物価高騰対策はガソリン代や電気料金に重点が置かれていますが、車も家も持たない人たちは最初から支援の対象外です。

     ――今年始めたシェルターに申し込みや問い合わせが相次いでいるそうですね

     代表を務めるホームレス支援団体「こうちネットホップ」でも自前の一時保護施設が必要と考え、高知市内にアパート2室を確保。リフォームして1月から「ステップハウス」と名付けて正式に受け入れを始めました。1泊千円(状況に応じて減免相談)で最長30日まで。ただ路上生活者は生活保護も敬遠する人が多く、シェルター利用は限られるのでは、と考えていましたが、オープン初日の元日から利用の申し込みがありました。

     最初の利用者は夫の暴言に苦しむ40代のDV(家庭内暴力)被害者の女性でした。9月末までの利用者は計15人。2室のうち少なくとも1室は埋まっている状態が続いています。

     15人の内訳はホームレス10人、DV被害者5人。ただ、ホームレスと言っても必ずしも元々の路上生活者だけではなく、家庭や地域、職場の人間関係が悪化して居場所を失い、シェルターを頼って来られたケースが大半。これまで主に路上生活者に目を向けてきた私たちにとって見えていなかった人たちでした。

     本人や支援者から受けた問い合わせは9月末までに計12件でした。DV被害や近隣・家族トラブルでホームレスになる可能性のある方が5人含まれています。路上生活を始めるきっかけも人間関係の悪化が多い。

     ホームレスの再定義が必要です。ホームレス自立支援法では「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」としています。ですが「人間関係の悪化で居場所(ホーム)を失った人」と捉えて、生きづらさを自己責任とせず寄り添い、地域で支える仕組みが必要ではないでしょうか。

     ――支援する側に求められることは

     「支援」という言葉はどうしても押し売り、上から目線になりがち。相手のプライドや生き様を尊重する姿勢が大切だと思います。夜回りで出会う路上生活者もコミュニケーションがとれるようになるまで時間がかかる人が多い。根気強く何度も通い、本当に困った時にSOSを受け取れる存在になれるよう心がけています。

     最終的には、ホームレス支援団体が必要なくなり、地域住民が困っている人を自然に支え合うようになることが理想です。

     ――貧困問題の研究やホームレス支援を続けてきたのは、なぜですか

     「限界状況にある人にこそ、ちゃんと光を当てた研究をしなきゃいかん」。幼少期に父に言われた言葉が今も強く記憶に残っています。父は意思伝達も難しい重度障害者の発達保障の研究者で、施設の職員も兼任していました。現場に向き合わず、机の上だけでわかったつもりになるような研究者にはなるな、と言いたかったのだと思います。無意識のうちに影響を受けてきたのかもしれません。

         ◇

     たなか・きよむ 1962年生まれ、大津市出身。滋賀大大学院で経済学修士、京都大大学院で博士課程単位取得中退。高知大教授を経て、2006年から県立大の前身である高知女子大教授。専門は社会保障・地域福祉論。代表を務めるホームレス支援団体「こうちネットホップ」は10年に発足し、夜回りを月1回行っている。4月にNPO法人化した。

    特集 路上の声に寄り添い続ける — NPO法人「こうちネットホップ」の挑戦と評価

    ■ 活動概要 — “誰も見落とさない社会へ”

    特定非営利活動法人こうちネットホップは、2010年に高知市でボランティア団体としてスタートし、2022年にNPO法人として設立されました。代表の田中きよむ教授(高知県立大学社会福祉学部)が長年にわたり路上生活者や生活困窮者支援に取り組んできた実践が、正式な組織として結実したものです。法人の目的は、 路上生活者・生活困窮者等の相談・見守り・居場所確保支援と、地域住民への課題理解の促進 です。

    主な活動内容は次の通りです:

    • 月に1回の夜回りを通じた食糧・支援ニーズの把握

    • 健康・相談支援の聞き取り

    • 一時宿泊施設「ステップハウス」の運営(生活再建支援)

    • 地域に向けた困窮問題の啓発・情報発信

    こうした地道な活動を通じ、**“社会から見過ごされがちな人々の声を拾い上げる場”**をつくることが大きな役割になっています。


    🏠 「ステップハウス」 — 居場所の提供

    こうちネットホップは、2022年に**一時宿泊施設「ステップハウス」**を開設。これは、ホームレス状態の人やDV被害者など、緊急の住居や居場所を必要とする人に対して、短期的な居住支援をするシェルターです。利用者は無料または減免制度で安心して過ごせる空間が提供され、生活保護や支援機関につなぐ橋渡しとして機能しています。

    取材によると、この開設から延べ25人以上が宿泊利用しており、相談や問い合わせも多数寄せられるなど、ニーズが大きいことが明らかになっています。生活困窮者が存在する実態は、従来の統計では把握しきれない“潜在的困窮人口”の存在を示唆しています。


    🎖 社会的評価 — 『社会貢献者表彰』受賞

    2025年12月、こうちネットホップは
    公益財団法人「社会貢献支援財団」安倍明恵代表

    が主催する第64回 社会貢献者表彰を受賞しました。これは、社会の安寧と幸福のために尽力し、顕著な功績を挙げながらもこれまで評価される機会の少なかった個人や団体に贈られる賞です。こうちネットホップは、 長年にわたる路上生活者支援、生活困窮者支援、一時宿泊の提供などの実践と継続性が評価されました。

    この表彰は、単に一つの成果ではなく、地域福祉・社会支援分野での「価値ある役割が社会的に認められた」象徴的な出来事として位置づけられます。


    📡 メディアと社会的認知

    こうちネットホップの活動は、地元メディアでもたびたび取り上げられています。高知放送の特集番組で、「関係性の貧困」や支援の現場の思いが紹介され、ネット回りや支援理念が広く伝えられました。メディア露出は、市民・自治体・企業が生活困窮者支援を理解・協力するきっかけとなっています。


    📊 取り組みの意義と課題

    ✔ 意義:

    • 誰にも見えにくい困窮者へ直接寄り添う実践

    • 「居場所」提供による社会的包摂の試み

    • メディア発信・啓発で社会全体の理解促進

    こうした取り組みは、単なる“物資支援”に留まらず、「生きづらさを社会で支える文化づくり」として機能しています。

    ✔ 課題:

    • 支援ニーズの増加に対する資源・人手の確保

    • 長期的な定住支援・自立支援の仕組みづくり

    • 困窮者定義と統計把握のギャップ

    特にホームレス支援や“関係性の失われた人々”への支援は、行政制度だけではカバーしきれない部分があり、当事者を理解するための研究と実践的連携が一段と重要になっています。


    🧩 まとめ — 社会福祉の最前線から

    NPO法人こうちネットホップは、**“誰かの声を聞き、誰かの居場所をつくる”**というシンプルながら深い理念を実践してきました。高知の地域社会において、ニーズの見えにくい困窮者を支援し、社会理解を促進する取り組みは、多くの評価を受けています。

    受賞やメディア露出を通じてその価値が可視化されつつある今、こうちネットホップの活動は 地域福祉の新しい地平を拓くモデルとして注目されるべき存在になっています。

     
     
    予備校の講師、家庭教師、中学校の補助教員歴。放送大学発達と教育専攻卒業、仏教大学文学部中高教職課程中退、シャバットジャーナリング開発

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