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🪉創作大賞2026応募作品『砂丘の竪琴』夢と無意識が語りかける物語②触れる|夢日記|夢分析|ユング心理学|無意識|深層心理|HSP|トラウマ|イメージワーク|AIアート|前生|小説|プロトタイプ神話|物語|ファンタジー

※本投稿は
🪉創作大賞2026応募作品:
『砂丘の竪琴』①プロローグ
の続きです。
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前回の投稿はこちら▼
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ぜひ併せてお読みください。


宝物庫に響く声

宮殿でのプライベート音楽会が終わり、
大きな竪琴はまた宝物庫に戻されてきた。

楽師の男の指揮で、
下役の男たちが複数で
竪琴を運んできた。

相変わらず男性たちの姿はあいまいで、
腰下しか見えず、
顔かたちが判然としない。

竪琴は繊細な織物できた袋で包まれ、
さらにその上に
ほこり除けの白布をかけられ、
定位置に戻された。

大きな木の扉がズシンという
重い響きと共に閉じられ、
ガチャリと金属音が響いた。

また大きな錠前で
扉が厳重に閉じられたのだろう。

扉の向こうからは
運び役の男性たちの渋いため息と
ぶつぶつと不平を囁き合う
声が聞こえてくる。

しばらくすると宝物庫の中が
また静かになっていった。

小さな明り取りの窓からさす外の光は
さっきよりも暗くなっていた。
夕暮れ時なのだろう。

その様子を見ていると、
突然、薄暗がりから、
誰かの声してギョッとする。

ーあ~ぁ、また退屈な穴倉暮らしかよ。

よく響く低い男の声だ。

穴倉??どこのこと?

もうここには
誰もいないはずなのに。

ーしかし、さっきの野郎ども、
 適当に俺を運びやがって。

ー傷でもついたらどうするんだよ。

―次の出番は国賓歓迎音楽祭か?
 しばらくは暇だな。

それだけ聞こえて
また静かになっていった。

適当に運ぶ?
さっきの竪琴のことだろうか?
あの竪琴、喋れるの??

色んなことが思い浮かんでは消えていく。
私はこの世界に
干渉できないのがもどかしかった。

新しい持ち主

まるで風景や人物が
飛ぶように移り変わっていく。
蜃気楼が早回しで動いて、
消えていくようだ。

再び先に貴人の
プライベート音楽会が開かれた、
宮殿の広間に似た空間だった。

白い大理石の大広間だが、
今回は外に繋がるバルコニーが見えた。
厚手の豪奢なカーテンがかかっている。

全身白い衣装の貴人が、
バルコニーまで歩いていき、
外に出ると、広場を覆いつくすほどの
沢山の人がいた。

歓声と拍手が続き、
花びらが舞っている。

何発も響く轟音は
祝いの空砲か
花火の音かもしれない。

貴人の横に、別の男が立った。
赤や黒がメインの衣装で
すらりとした体形だ。

赤黒の衣装の男が大きな声で述べる。
大臣のような存在であるらしかった。

ーこの度、国王が
 その音色に心を寄せた演奏者に
 国宝『砂丘の竪琴』を
 下賜することになった。

ー女性としてこの栄誉につくのは、
 我が国始まって以来の快挙である。

大臣の言葉の後には、
また万雷の拍手と歓声だ。

「リオー!」「おめでとう!」
という声が沢山聞こえる。

バルコニーの下には
深紅のカーペットが敷かれ
大きな演奏舞台がしつらえられていた。

既に舞台の上に大きな竪琴が準備され、
美しい女性が竪琴の傍らに腰掛けていた。

あ!!!この前、
砂漠のオアシスで見た人!

その衝撃と共に、
また目が吸い寄せられていく。

女性は小さくお辞儀をすると、
ゆっくりと呼吸を整えてから、
竪琴をつま弾きだした。

広場にいた無数の人々が一斉に静かになる。

また竪琴が光り出した。

本体に刻まれた文字にも似た
不思議な文様が流れるように瞬く。

竪琴から湧きたつ魂が
湯気のようにゆっくりと立ち上って
女性を包んでいった。

竪琴の響きは初めは
静かでゆるやかであったのに、
だんだんと強く激しくなる。

女性の指が弦の上で、
のたうち回るように動いている。

まるで竪琴を何台も
一緒にかき鳴らしているかのように、
音と音とが重なっていく。

女性の腕や細い指先全体が、
七色に輝く蛇のようだ。

これは人の奏でる音ではなかった。

竪琴にそれほど詳しくない私でも
そう感じるほど、
女性の演奏はとびぬけていた。

竪琴の響きに
恍惚とした時間がどれくらい経ったのか。

いつのまにか女性の演奏が終わっている。

ポツポツとまばらな拍手が、
さざ波のように広がって弾け、
会場全体が揺れるほどの拍手になった。

再び大きな歓声と
鳴りやまない称賛の声が続く。

広場の観客で何人も
涙を流している人が見える。

バルコニーで座って聞いていた、
王様も大臣も満足そうだった。

女性がまた小さくお辞儀をする。
その頬は演奏が終わった満足感と
達成感に輝いていた。

ふと広場の会場の奥の方に、
どこかで見た男性の姿が見えた。

丁寧に整えられた庭木の影に
隠れるようにして、広場全体の様子や
演奏舞台の上にいる
女性を眺めているようだった。

アラビアン唐草の衣装。
いつかの宮廷楽師で
竪琴を弾いていた男だった。

どうして、そんなに隅っこにいるんだろう?
もっと表に出てくればいいのに。

それだけが気になって仕方がなかった。

初めての出逢い

ベッドで横になっている私の隣には
銀髪の魔王ミルアがいた。
ミルアが深く息をつく。

そしてポツリと

「あの時、俺は初めて本気で
  リオーに触れられたんだ」

とだけつぶやいて、
まぶたを閉じて口をつぐんだ。

この先、どうなるの?

私は横になったまま、
ぼんやりとそう思ったが、
今のミルアの様子を見ていると、
それ以上、話の続きを
催促しようとは思わなかった。

(つづく)

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これまでのエピソードは
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