創作大賞2026応募作品『砂丘の竪琴』夢と無意識が語りかける物語①プロローグ|夢日記|夢分析|ユング心理学|無意識|深層心理|HSP|トラウマ|イメージワーク|AIアート|前世|小説|ラノベ|プロトタイプ神話|物語
※本投稿は
🚹2025.10.20 魔王ミルアの物語の夢:
原型アニムスと紡ぐ3か月の交流の記録
~能動的想像・内的家族システム療法
の応用と実践①
の続きです。
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前回の投稿はこちら▼
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ぜひ併せてお読みください。
あらすじ
幾千年も前の昔。
砂漠の風が吹く国で、
一つの竪琴が宝物庫で眠っていた。
砂丘の竪琴と呼ばれる国宝である。
その竪琴には
意思があり・人の言葉を理解し、
癒しの力を持っていた。
市井の女性竪琴奏者リオーは、
その存在に導かれるように
砂丘の竪琴と出逢う。
天性の才能を持つ竪琴奏者と、
まだ魔王になる前の竪琴。
二人が過ごした日々は、
人々の思惑と絡み合い
やがて国の運命さえ
変えていくことになる。
これは後に
世界最強の魔王となる存在――
銀髪のミルアが、
まだ一つの竪琴だった頃の
遥かな昔語り。
夢のような景色の中で紡がれる、
音楽と変容の物語。
喪失と再生を描く
神話的心理ファンタジー。
毎夜のように
現代の千一夜物語が紡がれていく。
遠い遠い砂の国
夕暮れ時のトワイライトタイム。
砂漠の世界が目の前に広がる。
空の色は滅紫色・朱鷺色・
瑠璃色などが複雑に交じり合い、
水彩画の色パレットのようだ。
近くではオアシスの水が
こんこんと湧き出で、
植物たちが豊かに茂るところ。
傘状に大きく葉を広げる木は
ナツメヤシだろうか??
小さな花も沢山咲いて、
甘い香りが漂ってくる。
その中にエキゾチックな女性がいた。
長い黒髪がゆるやかに
ウェーブして揺れている。
目元がくっきりとして、
強い意志と共に知性を感じる瞳。
アラビアンナイトのお姫様のような
繊細で風に流れる衣装だった。
見惚れて目が離せなくなる。
女性は不思議な文様が刻まれた
大きな竪琴を傍らに抱え、
弦をつま弾き始める。
竪琴が砂漠の黄金色の砂粒と
呼応するように光りはじめる。
湯気のようなオーラが女性を包み込み
抱きしめているようだ。
竪琴から流れ出る音は
私にめくるめく陶酔を引き起こす。
聞くほどに身体と頭がふわふわするのだ。
もっとこの竪琴の音を聞いていたい。
そう思った。

封じられた竪琴
急に場面が変わる。
ここはどこだろう?
周りを見渡すと幾重にも
棚が張り巡らされていて、
色んな物が置かれている。
白い布で包まれた大きなもの。
無骨な木の箱に入れられたもの。
ほとんどは丁寧に梱包されて
中身が何か、よく分からない。
室内をじっくり見ていると
立派な焼き物の壺や大きな彫像、
宝箱があるところを見ると
宝物庫のようだった。
小さな窓から入る光が
ほこりに反射して
時々キラキラと光っていた。

ガチャリ。。。
静かな宝物庫の中で
急に金属的な音がしたかと思うと
重厚な木の扉が開いた。
誰かが片手に大きな錠前と鍵を持っている。
顔がよく分からない。
下半身や足元しか見えないからだ。
シルエットでおそらく男性だろう
という目星だけはついた。
アラビアン唐草模様が入った
ゆったりとした伝統的な衣装を着ている。
顔かたちがよく分からない男性が、
奥まったところにある白布をはぐと、
細かい模様の織物の袋に入った
大きな竪琴が出てきた。
さっきの女性が弾いていた竪琴だ!
と強く思う。
それなのに、今、その竪琴は
まるで別物のように静かだ。
柔らかい光をまとった幻想的な存在感も、
本体に刻まれた不思議な模様も、
全く自己主張しない。
眠っているのだろうか?
さっきはあんなに輝いて
女性と睦み合って
喜んでいたように見えたのに。
大きな竪琴は下半身しか見えない男性と、
その部下のような数人の男たちによって
運び出されていった。
まるでやっかいな大荷物の運搬だ
とでも言いたげな態度で
運び役の男たちの
舌打ちやため息が聴こえた。

大きな竪琴が運ばれて行ったのは
とても広い部屋だった。
まるで大理石で作られたような
白い石造りの広間。
広間は人が何十人も入れるほど大きい。
床はペルシャ絨毯のような
豪華な模様の敷物が敷かれている。
動物の毛皮の敷物もある。
明らかに高貴な人の屋敷か宮殿だった。
そこでは既に色んな楽器が並べられていた。
大きな太鼓は
ジャンベに似ているが少し趣が違う。
どんな音がするんだろう?
形の違う弦楽器がいくつもあり、
それぞれに色んな男性がついて
演奏の準備をしている。
しかし、相変わらず
男性たちの姿かたちは
遠目にしか見えず
ハッキリとしない。
その様子はまるで
宮殿の演奏会の下準備。
そしてそこにいるのはすべて男性ばかり。
女性が一人もいなかった。
あの砂漠にいた女性の姿を
もう一度見たいのに。

しばらくすると上座に人が現れた。
一段高い所に大きな椅子が設けられていて、
階級の高い人が座る席と分かる。
全身、白い衣装とターバンを巻き、
大きなトルコブルーの羽根飾りが目立つ。
ところどころキラキラ輝くのは
金銀の宝飾品をつけているからだろう。
王様?と思った。
その人が席に着くと、
優雅な音楽が演奏され始めた。
楽器の準備をしていたのは
宮殿の楽師たちなのかもしれない。
不思議な旋律だ。
聞いたことがない調べ。
でも洗練されている演奏なのに、
あまり好きになれなかった。
整いすぎている。
最初に見た女性の演奏は
もっと聞きたいと
強烈に思ったのに。
楽師の男たちが弾く演奏は
どこか冷え冷えとして乾いて感じられた。
ちょうど大理石に触れた時に、
思いのほか冷たくて
手を引いてしまうかのように。
上座に座る貴人は、
その音楽を聴きながら上機嫌のようだ。
手を叩いて喜んでいる。
どうしてこの差が分からないんだろう?
不思議で仕方なかった。
あの竪琴はもっと素敵に鳴る力があるんだよ。
楽師の男性たちにも
上座に座る貴人にも
そう教えてあげたいと思った。
でも今の私はその術を持たない。
だからこの目に見える情景を
しっかりと記憶するしかなかった。

いつもの場所
私が目を開けると、
見慣れたいつもの天井だ。
砂が流れる音も、
風の中に混じる甘い花の香りも
宮殿で奏でられる不思議な音楽も
もう感じない。
私は目を閉じて
自室のベッドに
横たわっていたのだった。
身体が重い。
ゆっくりと深呼吸を繰り返し、
足先・指先から
少しずつ身体を動かしていった。
(つづく)

あとがきにかえて
本作は創作大賞2026への
応募をきっかけに書き始めた
物語のプロローグ①です。
これまで拙noteでは
夢やイメージワークの
記録の中に登場してきた
魔王ミルアという内的キャラクター。
その過去の物語を、
神話やおとぎ話のような形で
書き直してみようと思いました。
この物語は、実際に見た夢や
無意識のイメージを土台に
再構成したものです。
イメージイラストや
動画も自作で作成済みですので、
文章と合わせて、
視覚的にもお楽しみ下さい。
まだ始まったばかりですが、
続きを楽しみにして
いただけたらうれしいです。
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『砂丘の竪琴』は
専用のマガジンにまとめる予定です▼
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魔王ミルアについての記事は
専用のマガジンでまとめています▼
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