
MVP ARCHIVE INFRASTRUCTURE | History : National Diet Library 1948- / 国立国会図書館 - 記録が未来をつくる

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東京・永田町、国会議事堂のすぐ近くに、日本最大級の知識の集積地がある、国立国会図書館 National Diet Library。
ここに集められているのは、本だけではない。
雑誌、新聞、地図、古典籍、楽譜、博士論文、議会・政治関係資料、音楽・映像資料、そしてデジタル資料。
時代ごとに異なる形で生み出されてきた、日本の記録が保存されている。
国立国会図書館 を見るということは、一つの図書館を見ることではない。
日本が何を記録し、何を未来へ残そうとしてきたのかを見ることでもある。
1948
戦後日本に生まれた国立図書館
国立国会図書館 は、1948年に設立された。
その成立には二つの大きな系譜がある。
一つは、明治以来の国立図書館につながる 帝国図書館。
もう一つは、衆議院図書館 と 貴族院図書館。
つまり、国民のための図書館 と 議会を支える図書館 という二つの流れが、戦後に統合された。
国立国会図書館法 は、その使命を象徴する言葉から始まる。
真理がわれらを自由にする 戦争を経験した日本が、新しい議会制民主主義の下で設けた知識基盤だった。
国会を支える
Library of the National Diet
名称に「 国会 」が入っていることには理由がある。
国立国会図書館 は、一般利用者のための巨大図書館であると同時に、国会の立法活動を資料と調査によって支える機関 でもある。
国会議員からの依頼に応じ、法律、政治、経済、外交、社会、科学技術、海外制度、さまざまな分野について調査を行う。
法案を考え、制度を比較する。
過去の議論を確認し、政策の背景を調べる。
その背後には、膨大な記録を収集し、整理し、必要な情報へ到達できるようにする仕事が存在する。
記録を保存するだけではなく、記録を、意思決定に使える知識へ変える。
それも 国立国会図書館 の重要な役割である。
納本制度
Legal Deposit System
国立国会図書館 を特徴づける制度の一つが、納本制度 である。
日本国内で出版物を発行した者には、一定の範囲で 国立国会図書館 へ納入することが法律によって定められている。
対象となるのは一般的な書籍だけではない。
雑誌、新聞、官公庁出版物、地図、楽譜、その他さまざまな出版物。
商業的に大成功した本も、ほとんど知られなかった小さな出版物も、その時代に日本で発行された記録として収集対象になりうる。
重要なのは、「 今、価値があるか 」だけで保存対象を決めない こと。
現在は重要性が分からない資料でも、50年後、100年後には、その時代を知る重要な証拠になる可能性がある。
納本制度は、現在の出版物を、未来の歴史資料へ変える仕組み でもある。
書庫
The Stacks
閲覧室の向こう側には、利用者からは通常見えない巨大な保存空間が広がっており、書架、書庫、保存庫、資料を運ぶ設備、温湿度などを管理する保存環境がある。
国立国会図書館 の中心にあるのは、膨大な記録を長期間維持するためのインフラである。図書館の価値は、目に見える閲覧室だけでは成立しない。
資料を受け入れ、分類し、整理し、保存し、検索可能にし、必要な人へ届ける、その巨大な工程が背後に存在する。
一冊ではなく、一つの時代
国立国会図書館 に残される資料は、それぞれ単独で存在しているわけではなく、複数の記録を重ねることで、一冊の本だけでは見えなかった時代の姿が現れてくる。
これは歴史研究にとって極めて重要である。
後世に書かれた説明だけではなく、その時代に実際に作られた記録へ戻ることができる、国立国会図書館 は、その入口を維持している。
古典籍
Rare Books & Historical Materials
保存されているのは近代以降の出版物だけではない。
古典籍、古文書、古地図、錦絵、歴史的な出版物、近代日本の政治関係資料、海外から収集された資料、そこには、現在では歴史資料となった膨大な記録が含まれている。
それぞれ異なる時代の情報技術が、物理的な資料として残されている。
本は情報であると同時に、その時代に作られた「 物 」でもある。
紙質、製本、印刷技術、書体、書き込み、蔵書印、それらもまた歴史の一部となる。
東京本館
Tokyo Main Library
現在の 国立国会図書館 を象徴する施設が、東京・永田町の 東京本館。
国会議事堂 に近接し、1961年に第一期部分が開館した。
その後、収蔵資料の増加に対応するため施設は拡張され、1986年には新館が開館した。
地上から見える建物だけでなく、膨大な資料を収容する書庫が施設を支えている。
政治の中心である国会と、記録を保存する国立図書館。
二つが近接して存在すること自体が、この図書館の性格を表している。
国際子ども図書館
International Library of Children's Literature
国立国会図書館 には、もう一つ重要な歴史的建築がある。
東京・上野の 国際子ども図書館。
その建物の一部は、1906年に完成した 旧帝国図書館 を利用している。
つまりここには、戦前の 帝国図書館 から戦後の 国立国会図書館 へ という制度の歴史が、建物として残っている。
図書館制度 の変化を、一つの建築から追うことができる場所でもある。
関西館
Kansai-kan
2002年、京都府精華町の関西文化学術研究都市に、国立国会図書館 関西館 が開館した。
資料保存、図書館協力、電子図書館サービス、アジア関係資料、東京本館とは異なる機能を担いながら、国立国会図書館 全体を支えている。
増え続ける資料を未来へ保存するためには、保存空間そのものも拡張し続けなければならない。
知識の保存には、物理的な場所が必要なのである。
紙からデジタルへ
Digital Archive
21世紀、記録の形は大きく変わった。
紙だけではなく、ウェブサイト、電子書籍、電子雑誌、デジタル画像、オンライン資料、情報そのものが最初からデジタルで生まれる時代になった。
国立国会図書館 も、資料のデジタル化とオンライン提供を進めている。
国立国会図書館 デジタルコレクション では、膨大なデジタル化資料を検索することができる。
さらに、WARP Web Archiving Project では、日本国内のウェブ情報を収集・保存している。
ウェブページは簡単に更新され、削除され、サービスそのものが消えることもあるため、デジタル時代には、「 保存しなければ消える記録 」が新しい形で増えている。
未来の一次資料
今日発行された新聞、今日出版された本、今日公開されたウェブサイト。
現在の私たちにとって、それらは日常的な情報にすぎない。
しかし100年後、それらは、21世紀初頭の社会を知る一次資料 になっているかもしれない。
歴史資料は、最初から歴史資料として生まれるとは限らない。
日常の記録が保存され、時間が経過することで、歴史資料になる。
国立国会図書館 が保存しているのは、過去だけではない。
今この瞬間にも、未来の歴史資料が増え続けている。
日本の記憶を残す
小さい何かを失わずに集め続ければ、社会そのものの記録になる。
後世の人間が過去を検証するとき、必要なのは記憶ではない、記録である。
国立国会図書館 とは、本を集めた巨大な建物ではない。
日本という社会が生み出した記録を集め、整理し、保存し、未来へ渡すための場所である。


Basic Data
名称| 国立国会図書館
English| National Diet Library
略称| NDL
設立| 1948年
根拠法| 国立国会図書館法
主要施設| 東京本館・関西館・国際子ども図書館
東京本館| 東京都千代田区永田町
関西館| 京都府相楽郡精華町
国際子ども図書館| 東京都台東区上野公園
主要機能| 国会への調査・情報提供、国内出版物の収集・保存、利用提供、書誌作成、デジタルアーカイブ、図書館協力
主要制度| 納本制度
デジタル保存| 国立国会図書館デジタルコレクション / WARP
前身| 帝国図書館、衆議院図書館、貴族院図書館
資料分類| Library / Documents / Archives / National Institution

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