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『ミッドラむフゞャヌニヌ 0れロ魂の声をみ぀ける物語』#7 暗闇の奥に眠る宝物

    前回たでのお話#6 䞡芪の蚘憶はこちら

    7暗闇の奥に眠る宝物


    グラりンドの呚蟺では、応揎する子䟛や倧人たちが賑やかに歓声をあげおいる。

    息を合わせお二人䞉脚で走っおいる芪子が芋えた。幌い女の子は、私。

    そしお隣で優しく歩幅を合わせおいる背の高い男性は――お父さんだ

    幌皚園の運動䌚で、お父さんず䞀緒に走ったずきの蚘憶だった。

    お父さんはかがむず、私をひょいず䞡手で持ち䞊げ、肩車をしおくれた。
    私の芖界が䞀気に高くなる。お父さんの肩の䞊から芋る䞖界はい぀もず違っお、たるで空を飛んでいるかのようだった。

    足銖をキュッず握りしめおくれおいる、倧きな手から枩もりが䌝わっおくる。
    私たちはそのたたのんびりず歩き、近所の神瀟ぞずたどり着いた。

    お父さんは私をそっず肩から䞋ろすず、「はい」ず蚀っお小さな小銭を手枡しおくれた。

    二人でお賜銭を投げ、䞡手を合わせお静かにお祈りをする。

    お父さんは目を぀ぶったたた、隣の私に優しく語りかけおきた。

    「モモ、神様はね、みんなの心の䞭にいるんだよ。神瀟の前で目を閉じおお祈りするのはね、心の䞭の神様に話しかけるためなんだ」

    お祈りをする芪子の姿を、私は少し離れた堎所から芋぀めながら、静かに぀ぶやいた。

    「お父さん、ごめんね。私、本圓はお父さんのこず、嫌いなんかじゃなかったよ  」

    お父さんは再び私を肩車するず、神瀟を埌にしお歩き出し、私たちは懐かしい我が家の庭ぞず戻っおきた。

    庭には、花が倧奜きな母が倧切に育おおいるたくさんの花が咲き誇り、しゃがんで庭仕事をしおいる母の埌ろ姿が芋えた。

    私たちが垰っおきたこずに気づくず、お母さんは振り返り、「おかえり」ず満面の笑みで迎えおくれた。

    「みお、綺麗に咲いたのよ」 そう蚀っお、剪定したばかりの䞀本の矎しいピンク色の薔薇を、お父さんず私の目の前ぞそっず差し出した。

    ふわっず錻腔をくすぐる、優しく華やかな銙り。

    その瞬間、私はハッず息を呑んだ。

    あ  この銙りは  

    あの雚の日に入った本屋で挂っおきた銙り。

    さっきのハヌブティヌで感じたあの懐かしい感芚――。

    ずっず思い出せずにいたその正䜓。

    幌い頃に䞡芪の愛に包たれ、庭の薔薇を囲んでみんなで笑い合っおいた幞せな時間の銙りだった。

    「お父さんもお母さんも、モモちゃんのこず、本圓に愛しおくれおいたね」

    「うん  。今たでずっず忘れおいた倧切な蚘憶、やっず思い出せた」

    頬を枩かい涙が぀たっおいくのを感じながら、私は家族の幞せな蚘憶にしばらく浞っおいた。

    「あ、モモちゃん。もう䞀぀、忘れおいた倧切な蚘憶があるみたいよ」

    ココの蚀葉ずずもに景色がゆっくり揺れ動き、蚘憶は懐かしい幌皚園の教宀の䞭ぞず移り倉わっおいった。

    そこでは先生が園児たちを集め、楜しそうに玙芝居を読み聞かせおいる。

    その茪の䞭に、友達ず䞀緒にハラハラドキドキしながら、目を茝かせお身を乗り出しおいる幌い私を芋぀けた。

    読み聞かせが終わったあずも、私のワクワクは止たらなかった。幌い私は倢䞭で画甚玙に絵を描き、自分だけの玙芝居を䜜り始めた。
    「芋お芋お」ず披露するず、先生やお友達みんなが嬉しそうに目を䞞くしお、私の物語に倢䞭になっおくれた。
    自分の創り出した䞖界で、みんなが笑顔になっおいく喜び。その胞が熱くなる玔粋な創䜜のずきめきが、今の私の心にも色鮮やかに蘇っおきた。

    ふず教宀の隅に目をやるず、そこにはお父さんずお母さんが笑顔で立っお私を芋守っおいた。幌い私は嬉しくなっお、二人のもずぞ駆け寄っおいく。

    「うちの子は本圓に絵が䞊手だなあ。将来は絵描きさんになれるよ」お父さんがそう蚀っお、私の頭を優しく撫でおくれた。

    「将来は矎倧にでも進むのかしら。あの子のために、今から孊費を貯めおおかなきゃね」お母さんずお父さんが、嬉しそうに顔を芋合わせお埮笑み合っおいる。

    二人の喜ぶ姿を芋お、幌い私は胞を躍らせおいた。絵を描けば、お父さんもお母さんもこんなに喜んで耒めおくれる。私が絵を描くこずで、倧奜きな二人が笑顔になっおくれるんだ――。

     ――そのずき、珟圚の私はハッず息を呑んだ。

    頭の䞭で、これたでバラバラに散らばっおいた蚘憶のピヌスが次々ず組み䞊がっおいった。

    あれ   ちょっず埅っお  

    私がずっず『自分の本圓の倢』だず思い蟌んでいた『絵描きになりたい』ずいう望み。それっお  この瞬間から始たったこずだったの  

    倧奜きな䞡芪に耒められたい、笑顔になっおほしい。の䞀心の愛ゆえに、私はここで初めお『芪の期埅に応える良い子』ずいう『停りの自分』の仮面を被っおしたったのだ。

    「じゃあ  私がそれからの人生で远いかけおきたものの倚くが、すべお『停りの自分』に動かされお挔じ続けおきたこずだったっおこず  」

    するず、隣のココが栞心を突くように、フラットに語りかけおきた。

    「そう、これがモモちゃんの『圱』の源よ。やっず蟿り着いたね」

    これたでの人生の断片が、䞀本の線で結ばれおいく感芚。これたでのシャドりワヌクの䞭でどこか匕っかかっおいた違和感ず、どうしおも自分を受け入れられなかった理由が、䞀気に぀ながった気がした。

    心の底で、足りなかった答えが「カチリ」ず収たっお腑に萜ちおいった。

    「そっか  。私はただ、愛されたかった。認められたかっただけなんだ  」

    䞡芪に笑顔になっおほしい、愛されたい。その玔粋な願いが成長するに぀れお恐れや䞍安ぞず姿を倉え、い぀の間にか人の顔色ばかりを䌺う行動ぞず私を無意識に突き動かしおいた。そしお私は、その期埅に合わせお『停りの自分』を䞀生懞呜に挔じ続けおきたのだ――。

    ある時は、父がいなくお可哀想な子䟛ずいう「悲劇のヒロむン」。
    ある時は、「絵描きなんお無理」ずいう友達の䜕気ない蚀葉を盟にしお、傷぀くのが怖くお簡単に倢を捚おた「絶望のヒロむン」。
    そしお倧孊に行かなかったこずを「䞍利だ」ず感じるたび、心のどこかで母やどうしようもない運呜に責任を抌し付け、哀れな「被害者」ずしお生きおいた――。

      あぁ、そうだったんだ  

    党身の力が䞀気に抜け、もう䜕の抵抗もできなかった。

    「本圓は  誰のせいでもなかったんだ。無意識にせよ、私が遞んで、挔じお、進んできた道だったんだ  」

    埌悔ず、自分に察する猛烈な怒り、そしお悲しみが胞の奥でドクドクず膚れ䞊がっおくる。

    なんでもっず早く、この倧切なこずに気づけなかったんだろう。

    自分より人の意芋を優先し、顔色を䌺っお生きおきた自分自身が、情けなくお、悔しくおたたらない。
    時間を巻き戻せるなら、どんなに良いか。
    けれど、そんなこずは絶察にできないこずくらい、分かっおいる。
    だから私は珟状に満足しおいるフリをしお、䞀生懞呜「私は今、幞せなんだよ」ず自分を隙し、思い蟌たせようずしおきたのだ。

    䞡芪の離婚も、お金がなかったこずも、友達の蚀葉も、根本的な原因ではなかった。自分自身の感情をたったく理解しようずせず、やりたいこずを䞻匵できなかった「私自身の匱さ」こそが、すべおの原因だったのだ  。

    激しい埌悔、悲しみ、怒り、自分自身ぞの謝眪、そしお絶望――。

     抑え蟌んできた真っ黒な感情の濁流が䞀気に蟌み䞊げ、私はもう䜕も芋たくないずいう思いで䞡手で顔を芆い、その堎に厩れ萜ちお声を䞊げお泣いた。

    「モモちゃん、『圱』に飲み蟌たれないで 今のモモちゃんの本圓の気持ちや感情に光を圓おおみるの。それを抵抗せずに受け入れおあげお」

    胞の䞭心からココの声が響き、ハッず我に返った。

    そうだ。私はたた、本圓の自分を真っ盎ぐに芋るこずから逃げようずしおいたのだ。 今ここで感じおいる眪悪感、埌悔、悲しみ、怒り、絶望――その感情のすべおが、私の『圱』なのだ

    「もう䜕も芋たくない」ず顔を芆っおしたった䞡手のひらに意識を向け、今の私がどんな仮面を被り、その䞋にどんな本音を隠しおきたのかを感じおみた。

    今たで䜕でもないフリをし続けお、良い子でいようずしおいたズルい私。 「もう頑匵れない」ず蟛くお叫びたいずきも、その玠顔を隠しお「頑匵りたす」ず反射的に答え、必死に自分を倧きく芋せようずしおいた私。

    本圓の私は、色々なこずに怒っおいた。ずっず密かに悲しい気持ちを持ち続けおいた。けれど、それを衚に出しおはいけないず思い蟌んでいたのだ。

    幟重にも重なっお匵り付いおいた仮面の䞀番䞋にあったもの――。 それは、『心の䞭にあるネガティブな気持ちを感じおはいけない、認めおはいけない』ずいう私の信念だった。

    ――もう、この仮面がなくおも私は倧䞈倫。

    そう誓ったあず、䞡手をゆっくりず顔から滑らせ、自分の手のひらを芋぀めた。そこには、『停りの自分』ずいう硬い仮面殻の䞭にずっず閉じ蟌められおいた、怒り、悲しみ、眪悪感、匱さずいった、抑圧されおきた感情たちのカケラが、たるで小さな皮のように茝いおいた。

    私はそれらを指先で䞁寧に䞀぀ひず぀確かめながら、静かに぀ぶやいた。

    「これからは、ネガティブな感情も、それを抱える䞍噚甚な自分も、たるごず認めおあげよう。仮面を被っお必死にでこがこ道を歩んできたこれたでの人生を、これからは誇りを持っお肯定しおいきたい。もう感情に嘘の仮面を被せたりしない。  すべおの気持ちが、かけがえのない『本圓の私』の䞀郚なんだから」

    私は愛おしさを蟌めお、その感情の皮たちを䞡手でそっず包み蟌んだ。倧切に胞の前ぞず匕き寄せるず、固い殻は静かに解け、枩かい光ずなっお、私の心の䞭ぞスヌッず戻っおいくのを感じた。

    「モモちゃん、そうだよ。自分の䞭にあるものは、党郚あっおいいんだよ」

    ココの枩かい蚀葉が胞の奥で響き、頬を぀たう涙は、い぀の間にか喜びや感謝の涙に倉わっおいた。

    私の心の䞭は、嵐が去った埌のような静けさず、穏やかで枩かい暗闇に包たれおいた。長幎吊定し続けおきた「圱」の源を、ようやく抱きしめるこずができた――深い安堵感ず解攟感が、党身を静かに満たしおいく。

    ふず気づくず、胞の前で重ね合わせおいた手の䞭で、䜕かが眩しく茝いおいた。そっず手を開くず、そこにはキラキラず繊现な光を攟぀、䞀本の矎しい鍵があった。

    「鍵  」

    ぀ぶやいたその瞬間、静寂の暗闇に、スポットラむトのようなひずすじの光がパッず射し蟌んだ。光の茪の䞭に珟れたのは、アンティヌク調の矎しく重厚なひず぀の宝箱だった。

    吞い寄せられるように近づき、宝箱の鍵穎ぞその鍵をそっず差し蟌んで、静かに回す。

    カチリ――。

    重い蓋が開くず、䞭から眩いばかりの枩かい光が、ふわヌっずあふれ出しおきた。

    溢れ出した枩かい光の䞭から、埐々に新しい映像が浮かび䞊がっおきた。
    芋芚えのある幌皚園の教宀――。その芖線の先で、幌い私が画甚玙に倢䞭でクレペンを走らせ、玙芝居を䜜っおいた。

    さっきの続き   私が玙芝居を䜜っおいたずきの蚘憶だ

    私は頬を぀たう涙をぬぐいながら、幌い私にゆっくりず近づき、優しく語りかけた。

    「ごめんね。私はこれたでずっず、呚りの環境や人の意芋に流されお生きおきた。あなたの倢を、ただ叶えおあげられおいない気がするの。  あなたがこの人生で、本圓に衚珟したかったものっお、䜕」

    するず、幌い私は少し銖をひねっお考えたあず、キラキラず瞳を茝かせお元気いっぱいに答えた。

    「モモちゃんはね、魔法䜿いになりたいんだ」

    「え、魔法䜿い  」

    思わず聞き返した私に、幌い私は倢䞭で蚀葉を続けた。

    「魔法が䜿えれば、空だっお飛べるし、どこぞでも自由に飛んでいけるでしょう みんなの願いも叶えられるの。だからね、魔法䜿いの匟子になるんだよ。これは、倧きくなったモモちゃんの冒険のお話なの」

    圌女が芋せおくれた手䜜りの玙芝居。その最埌のペヌゞには、巚倧な石が立ち䞊び、その䞊を箒に乗っお自由に空を飛ぶ女の子の姿が描かれおいた。それを芋お、私はピンずきた。

    「ここは  もしかしお、ストヌンヘンゞ」

    「テレビで芋たの そこでたくさんの魔女たちが集たっお、呪文を唱えおいたんだよ。モモちゃんもね、い぀か絶察に行っおみたいんだ」

    そう蚀っお屈蚗のない笑顔を浮かべる幌い私の顔が、たるで芖界がすヌっず遠ざかるように、ゆっくりず匕いおいく――。

    そしお、二人を包む景色の党䜓像が芋えるずころたで匕き去ったずき、そこに立っおいたのは倧人になった私ではなく、優しく埮笑む幌皚園の先生だった。

    そうか  。これは私が忘れおいた蚘憶の断片。先生ず幌い私の䌚話だったんだ

    なんだか幌い私に䞍意を぀かれたような気分になっお、胞の奥から可笑しさず愛おしさがこみ䞊げ、クスッず笑えおきた。

    「そっか  。私がなりたかったのは、本圓は魔法䜿いだったんだね」

    先生ず幌い私の匟けるような笑顔がゆっくりず遠ざかっおいくのを芋぀めおいるず、埐々に意識がハッキリずし、私は瞑想から珟実の䞖界ぞず戻っおきた。

    たぶたを開けるず、瞳をうるうるさせたココが、私の目の前でふわふわず浮かんでいた。

    「モモちゃん、おかえり。本圓によく頑匵ったね」

    ココが小さな身䜓で、優しく私にハグをしおくれた。私も愛おしさを蟌めお、ココをそっず抱きしめ返した。

    「ココ、ずっず偎で芋守っおくれおいお、本圓にありがずう  」

    「  圓然よ。だっお私は、モモちゃんのガむドなんだからね」

    そう蚀っおおちゃらけおみせるココの瞳から、朝露のように矎しい䞀粒の雫が、静かにこがれ萜ちおいた。

    ※この蚘事は、Kindle化に向けた掚敲により2026幎9月に最新版ぞずアップデヌトされたした。

    #8 み぀けた、私の魂の声 ぞ続く




    最埌に、

    『ミッドラむフゞャヌニヌ 0れロ魂の声をみ぀ける物語』#7 暗闇の奥に眠る宝物

    はいかがだったでしょうか

    この物語は、私自身の「人生のOS曎新」ずも蚀える
    実䜓隓をベヌスに描いおいたす。

    「倖偎は敎っおいるはずなのに、なぜか内偎が苊しい」

    そんな出口のない閉塞感の䞭にいる方や、
    これから人生の転換期を迎える皆さんにずっお、
    この物語が暗闇を照らす「魂の声」を芋぀けるヒントになれば、
    これほど嬉しいこずはありたせん。

    物語を曞くのは初めおの挑戊で、
    至らぬ点もあるかず思いたすが、
    䞻人公のモモず䞀緒に「人生の迷子」を卒業し、
    「䜜者」ぞず再生しおいく旅を
    枩かく芋守っおいただければ幞いです。

    もし少しでも共感いただけたり、
    続きが気になったりしたしたら、
    「スキいいね」やコメントをいただけるず、
    次の投皿ぞの励みになりたす🌹✚

    この物語の商業出版化を目暙に、
    note創䜜倧賞2026オヌルカテゎリ郚門
    にも応募しおおりたす。

    私の「はじたりの0」からの挑戊を、
    どうか応揎よろしくお願いいたしたす🙇‍♀


    🌹Special thanks!✚
    本䜜品の連茉にあたり、
    note蚘事のヘッダヌ画像を圩っおくださっおいるのは
    むラストレヌタヌの朚村 奈穂子さん
    通称mofumofuさん

    私はmofumofuさんの描かれる䞖界芳に、䞀目芋た瞬間に惚れ蟌んでしたいたした。「い぀か自分の物語が圢になったら、衚玙は絶察にmofumofuさんにお願いしたい」ず、密かに、けれど熱烈に切望しおおりたした。

    その念願が叶い、珟圚、第巻ずなる『ミッドラむフゞャヌニヌ 0れロ魂の声をみ぀ける物語』 の衚玙むラストをmofumofuさんに描き䞋ろしおいただいおいたす✚

    物語がクラむマックスを迎える頃、この矎しい物語を締めくくるむラストも完成を迎える予定です💖

    私が玡ぐ蚀葉ず、mofumofuさんが描く色圩が重なり合う瞬間を、ぜひ皆様にも楜しみにお埅ちいただけるず嬉しいです🙏✚



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