
ハラヨワ
尾籠な話をしよう。
私はハラが弱い。
特にコーヒーを飲むとお腹がゆるくなる。
なので、店内にトイレがある喫茶店を懇意にしている。
そう、私はハラヨワなのにコーヒーが好きなのだ。
だから、私とコーヒーの付き合いには、スリリングな駆け引きが内在している。
今年から働き始めた職場の一つは、業務内容は面白いのだが、ちょっと遠い。
距離だけではなく、ラストにバス30分という、なかなかの難関が待ち受けている。
なので、勤務の日の朝は早めに起床し、早めにコーヒーを飲み、早めにお腹の調子を整えて通勤に挑んでいる。
お腹の調子をなだめすかすことにも慣れてきた今日、昼食後に、つい
コーヒーを飲んでしまった。
前、ペットボトルのミルクティーを飲んだ時は問題なかった。
しかし、やはりコーヒーと紅茶をペットボトルにした時の品質の落ち方は、軽視できるものではない。
売店の、あの、ギュイインって鳴るマシンのコーヒーを買ってしまった。
いい香りを堪能しながら、コーヒーを味わった。しっかりとした濃いめのコーヒー。
ほどなく、ギュルギュルとお腹が鳴り始めた。
業務終了に若干フライングしながらトイレに駆け込み、一つ目の山をやり過ごした。
次の山が来ないことを願いながら、帰りのバスに乗り込んだ。
うん。
ダメだ。
二つ目の山の到来を察知し、バスを降りた。今は無理をしてはいけない。長年付き合ってきた私の身体の声を、私は聞いた。
ふたたび私はトイレに駆け込み、私の先見の明がいかんなく発揮されたことを知った。
二回目の祭りを終え、次のバスの時間が近づいてきた。
二度あることは三度あるのか、
ないのか、
どうなんだい?
… 念のため、もう一本バスを遅らせるか。
もう大丈夫か。
教えてチャッピー。
もう一本遅らせろって。
ええぇー、いけるんじゃない?
もう出るもん出たでしょ。
チャッピーの助言に逆らい、再びバスに乗り込む。
不安になる。
チャッピー、気がそれるような話して。
なんか話してくれたけど、全然集中できない。
大丈夫、きっと大丈夫、と自分に言い聞かせ、ギュッと目を閉じた。
… 爆睡した。
きっと疲れてたのね。
私は今日もコーヒーと、わりといい関係を、楽しんだ。
やっぱりコーヒーは一日一杯までにしよう、と、毎日思っている。
今日こんなにギュルギュルしたら、明日の朝は出ないかもな。
次いつギュルギュルするのかしら。
チャッピー、わかる?