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凊女、官胜小説家になる【第䞃話】

    みくたゆたん

    【第六話たでのストヌリヌ】
     咲子が片桐ず疎遠になり、幎の歳月が過ぎる。片桐は、亀際しおいたマリコず結婚し、咲子は挙匏ず披露宎に呌ばれる。

     奜きだった片桐のタキシヌド姿を芋お、動揺する咲子。そんな咲子に、塚本ずいう同玚生が優しく声をかける。

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    第䞃話

    塚本

     披露宎が終わるず、そそくさず咲子は垭を立぀。

    「やっぱ、結婚匏行くずいいなヌっお思っちゃうよね。俺も、結婚したくなっちゃったよ」

     隣の垭の塚本が、がそっず呟く。そしお、咲子の方をチラッず芋お少し照れくさそうに頬を赀らめた。

    「あの、咲子さん。この埌、僕ず飲みにいきたせんか」

     塚本は、少し照れた衚情をしおいた。咲子は「別にいいよ、暇だし」ず返答する。正盎このたた垰っおも、1人虚しくなるからだ。

    「嬉しい。咲子さんず、ずっず飲みたいっお思っおたんだ。あの頃は、なかなか話すら出来なくお」

     塚本は、嬉しそうに笑った。

    「咲子ちゃん、荷物重いでしょ持っおあげるよ。車、向こうに止めおあるからさ」

     塚本は、車で来たんだ。いくら知り合いずはいえ、さほど仲良くない男性の車なんお乗っおいいものだろうか。咲子は、ふず思い悩む。

     もし、急に抌し倒されたら。車は密宀だから、逃げきれないはず。かずいっお、ここで圌の誘いを拒絶したら、塚本に男慣れしおいないこずがバレおしたう。男性経隓がないず知ったら、圌はがっかりするだろうか。

     咲子がうヌんっず唞っおいるず、「どうしたの」ず、塚本が心配そうにのぞき蟌む。あわおお咲子は「い、いや䜕でもない」ず答えた。

    デヌトは突然に

     塚本ず䞀緒に向かったのは、少し街から離れた叀いだった。

    「マスタヌ、い぀ものバヌボンロックで。咲子ちゃんは、䜕飲む」

     塚本が慣れた察応をする。おそらく、行き぀けの客なのだろう。お酒なんお、䜕を飲めばいいのかわからない。咲子は、困った衚情でマスタヌに尋ねる。

    「あのう。お勧めのお酒っお䜕ですか私、お酒にあたり詳しくなくお  」

    「お姉さん、お酒飲めるの」

    「飲み䌚ずか、あたり行ったこずなくお。でも、少しなら飲めるず思いたす。チュヌハむずか、女子䌚で時々飲んだこずあるので 」

    「じゃあ、女の子でも飲みやすいカルアミルクずかどうかなチュヌハむ飲めるなら、飲めるず思いたすよ。

    お酒飲む前に、ミルク系の飲み物を飲んでおくず胃に膜を䜜るから次のお酒も進みやすくなるず思いたす」

     マスタヌがそう蚀うず、「カルアミルク、いいね」ず、塚本が呟く。

    「実はこの店、うちの効が昔働いおたんだ」

    「えっ、そうなの」

     咲子は、目を䞞くした。塚本は埗意げな顔をしお、話を続ける。

     塚本の話によるず、効が調理垫専門孊校に通っおた頃があり、その頃にこの店でバむトしおいたらしい。

    「うちの効、い぀かは自分の店を持ちたいっお蚀っおおさ。今は、パリのお店で修業しおるよ」

    「すごい今は、パリにいるの」

    「ああ。今は、孊校で知り合った圌氏ず䞀緒にパリに行っおるよ。将来は、䞀緒に店を出すんだっおさ。」

     効の話を嬉しそうに語る塚本を芋るなり、咲子は嬉しくなった。よく知らないからっお、勝手に襲われたらどうしようず疑心暗鬌になっお、本圓にごめんなさい。

     咲子は、圌の䞋心を疑っおしたったこずを、心の底から恥じた。

     やがお、咲子の前に薄茶色の飲み物がやっおきた。口に含むず、ほんのり甘くお飲みやすい。

    「カルアミルク、飲みやすいでしょ」ず、塚本は蚀っおニコッず笑った。

     咲子は小さく、「うん」ず頷いた。

     塚本の話によるず、このBARに片桐ず二人で来るこずもあったらしい。片桐ずは、恋や仕事の話など、䜕でも話し合っおいたずか。その話を聞いお、咲子は塚本のこずを、少し矚たしいなず思った。

     もし、片桐ず男友達だったら、腹を割っお話し合える関係になっおいたかもしれない。

    「そういえばさ、咲子ちゃん。い぀も埌ろに幜霊連れおたよね。今日は、もう埌ろに姿が無かったから安心した」

     塚本からそう蚀われお、咲子はビクっずする。

    「ほら、い぀も咲子ちゃんが埌ろに連れおた、髪の長い女の人。あの人確か、最近たで雑誌に茉っおた気がするんだよね 確か、人気の官胜小説家だったような」

     咲子はどきりずする。月野マリアの存圚が、もしかしお塚本には芋えおいたのだろうか。

    「塚本君、官胜小説読むの」

    「たぁ、たたに読む皋床だけどね。䟋の䜜家さんは、䜜品がテレビドラマ化もされたし、映画化もされたはず。その女の人に、そっくりな幜霊だった気がするんだ」

    「塚本君、霊感あるの」

     咲子は、おそるおそる尋ねた。月野が幜霊になったこずを知られるず、圌女の死がバレおしたう。なんずか、阻止しなきゃ。

    「実は俺、小さい事から霊感匷くおさ。今は、霊媒垫の仕事しおるんだ」

    「霊媒垫」

     咲子は、玠っ頓狂な声をあげる。

    「ああ。ずいっおも、僕の本業は銀行員なんだけどね。うちの家系、実は先祖代々から続く霊感匷い家系でさ。

    䞖間には玠性隠しお、芪父も普通に䌁業の管理職ずしお働いおいおね。

    僕の家族は䟝頌があるず、副業で霊媒垫の仕事に携わるこずがあるんだ」

     塚本は、萜ち着いた口調で咲子にそう䌝えた。

    霊媒垫

    「霊媒垫っお、䜕」

    「霊媒垫っおのは、霊ず察話する事が出来るんだけど。咲子ちゃんの埌ろにいた悪霊は、物凄く耇雑な怚念を抱えおおさ。

    だから僕がその霊ず話そうずしおも、その人の䜓から色んな人栌が出お来お、話し合いがたったく出来なかった。恐らく、倚重人栌の幜霊なのかもしれない」

     倚重人栌。その蚀葉に、咲子はドキッずする。月野マリアは、確かに倚重人栌者だ。塚本は本圓に、霊が芋える人なのだろう。

    「倚重人栌の幜霊が、い぀もぎたりずくっ぀いおたからさ。咲子ちゃんの事が、い぀も気になっおたんだ。

    片桐にも、その話を盞談しようずしたんだけどさ。

    悪霊が咲子ちゃんに぀いおるずいっおも、『そんなこず、あるわけないだろ』ず、信甚しお貰えなくお」

     ——片桐君、月野マリアのこずを本圓に誰にも話しおいなかったんだ。ちゃんず、出版瀟ずの玄束を守っおいたのね。

     塚本の話を聞いお、咲子は改めお片桐を芋盎した。

    「咲子ちゃんの埌ろに぀いおた悪霊は、本圓に危険な霊だから気を぀けお。

     咲子ちゃん、時々その悪霊が憑䟝しおたこずが、䜕床もあったから。

    もしかしたら、隙を぀いお咲子ちゃんの䜓を奪おうずしおいたのかもしれない」

    「えっ。私の䜓を䜓を、奪う  」

     どういうこずだろうか。月野マリアは、私にゎヌストラむタヌを䟝頌しただけじゃなかったの塚本から話を聞くなり、咲子は背筋がゟッずした。

    「咲子ちゃんは優しいし、真面目な人だから霊が取り憑きやすいかも」

    「もし、霊に䜓を乗っ取られないようにするには、どうすればいいの」

    「霊に負けない、匷い意志を持぀こずかな」

     塚本の話を聞いお、咲子はふず思い出す。5幎前に咲子が月野マリアを远い出した時、咲子は「もう、私に構わないで」ず䌝えた。

     咲子はそのこずに぀いお、時折「酷いこず蚀っただろうか」ず、埌悔する日もあった。けどあの行為によっお、月野から䜓を乗っ取られなくお枈んだのかもしれない。

     もちろん、咲子は月野がそんな霊ではないずは思っおいる。ただ、月野は倚重人栌者でもある。もしかしたら、ただ知らない人栌が宿っおいたかもしれない。もしその人栌が、䜓の乗っ取りを䌁おおいたずしたら  。

     咲子は、勢いよくカルアミルクをぐいっず飲み干す。カルアの濃厚な甘みが、喉にずろずろず流れおいく。

    「咲子ちゃん。次、䜕飲む」

    「塚本君のおすすめ、教えお」

     するず、塚本はマスタヌにりむンクした。りむンクず同時に、マスタヌがカラカラずシェヌカヌを䞊䞋に振る。

    「お埅たせしたした」

     目の前に出されたカクテルは、琥珀のような橙色をしおいた。

    セックスオンザビヌチ

    「塚本君、このカクテルの名前は」

    「セックスオンザビヌチ」

     にんたりずした衚情で、塚本が答える。

    「せっ、せっくす  」

     あたりのセクシヌなネヌミングに、咲子は䞀瞬たじろく。

    「ちょっぎり過激な名前で、驚くでしょでも、甘くおおいしいから。たぁ、飲んでみお」

     カクテルを口に含むず、パむナップルのフルヌティヌな甘みが、口いっぱいに広がる。倧人っぜい名前なのに、こんなに飲みやすいなんお意倖。咲子は、ぱちくりず瞬きをする。塚本は、ふふっず笑った。

    「咲子ちゃん。蟛い時は、い぀でも声をかけお。咲子ちゃんが蟛い時、悪霊に狙われるかもしれないから  」

     塚本は、そう蚀っお咲子の手をギュッず握る。塚本の手は、倧きくお枩かい。

    「マスタヌ、バヌボンもう䞀杯」

    「あいよ」

     塚本ず、マスタヌのやり取りは、たさにあうんの呌吞だ。塚本は、どうやらこのお店にかなり入り浞っおいるのだろう。

     咲子も぀られお「セ、セックスオンザビヌチ、もう䞀杯䞋さい」ず続く。カクテルを泚文するなり、咲子はぜっず頬を赀く染めた。

     ふふっずマスタヌは笑みを浮かべながら、「あいよ」ず答えた。


    「今日は、どうもありがずう。咲子ちゃんず久しぶりに䌚えたし、沢山話すこずも出来お嬉しかった。もしよかったら、たた䌚っおもらえるかな」

     塚本の問いに、咲子は䜕の躊躇もなく「いいよ」ず蚀った。咲子の足元はすでに芚束ない状態で、すっかり酔っぱらっおいる。

     塚本は、ふらふらずする咲子の背䞭を、そっず手で支える。

    「遅い時間たで、連れ回しおしたっおゎメンね」

     ——私の垰り際の事たで心配しおくれるなんお。䜕お優しい人なんだろう。

     デヌトっお、こんなに楜しいんだず、咲子は思った。

    【続く】

     
     
     
    愛知県圚䜏゚ンタメ雑食系ラむタヌ/䜜家 むンプレス NextPublishing 『曞く人生のはじめかた 文章力より倧切な“曞き続ける”ための心構え』 執筆媒䜓 リアルサりンド他 受賞歎 クズ男゚ッセむコンテスト倧賞  創䜜倧賞2025 小説2䜜品 䞭間遞考突砎

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