
ユニット型なら楽だと思ってた私が、しんどくなった理由
老健からユニット型特別養護老人ホームへ。
「一人ひとりを大切にしたい」
そう思って、わたしは転職を決めた。
老健では、
ホールに利用者さんを集めて見守り
立ち上がろうとすれば声をかけて制止する
部屋に戻ろうとすれば、また誘導する
「ここで過ごしてください」
そうやって
動きをコントロールしていることに
ずっと違和感があった。
お風呂の日は
決められた人数を
時間内に入れるために
流れ作業のように回していく
脱がせて、入れて、拭いて、着せて
何度も繰り返して
気づけば汗だくで、へとへと。
でもなぜか
やり切ったような感覚だけは残って笑える。
食事も同じだった。
“全量摂取”
言葉には出さないけど
どこかでそれが当たり前になっていた。
暗黙のルールになっていた。
もっと一人ひとりに向き合いたい。
そう思って選んだのが
ユニット型だった。
10人。
たった10人。
でも実際は
徘徊する人
声を出し続ける人
拒否の強い人
寝たきりの人
夜になると不穏になる人…
個性の強い10人がいるユニットへの
配属だった。
「少人数だから余裕がある」
そんなものは、なかった。
スタッフの人数が少なかった。
日中は走り回りながら
一人ひとりに向き合って
夜は、2ユニットを1人で見る不安と怖さ
死角が多く
物音が聞こえにくい中で
何度も何度も巡視して
失便処理もオムツ交換も
“普通通り”なんていかない
それでも——
老健の頃よりは
ちゃんと向き合えていたと思う。
だけど同時に思った。
「少人数=楽」じゃない。
むしろ
向き合えるからこそ
心も体も、しんどくなることもある。
それでもわたしは
どっちがいいかと聞かれたら
少人数の方がよかったと思っている。
ただ一つ、確かに言えるのは
人数の問題だけじゃなかった、ということ。
どう関わるか。
どう向き合うか。
それが一番難しくて
一番大事なんだと
あの頃、必死に働きながら感じていた。