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品性という言葉を知らない (第1話)連載小説

「カメラロールを見返すと、今年1年のキラキラがいっぱい。
前なら、すぐにInstagramにアップしてた。
でも今は、いいねの数で私の価値を決められたくない。
私の価値を決めるのは私」



投稿ボタンを押す。
杏奈はスマートフォンをテーブルに置き、コーヒーをひと口飲んだ。
あー、Xは本音で書けるから楽。

メイクを終えて、もう一度スマートフォンを手に取った。

盛れてるの、どれにしよっかな……っと。
カメラロールをスクロールする。
「あ!あった!」 高級寿司店で、佐々木のオジが撮った浴衣姿。
よーし! オジ、なかなか写真うまく撮れたじゃん!
杏奈は写真を何枚かスワイプする。
「これもいい。 こっちも盛れてる。」

「選んでるだけで、自分のかわいさにため息出そう…
佐々木のオジとは絶対一緒には写らないけど、
高いお店に連れてってくれるし、
私の専属カメラマンみたいに何枚も撮ってくれる。
さすが経営者だよねー。
使える。」


これにしよう!
杏奈は写真を選び、投稿文を打ち込んだ。
浴衣姿でお寿司を頬張る笑顔の写真を選び、Instagramに投稿した。

「楽しかった夏が終わる
今年も満喫したーーー!
カメラロールにキラキラがいっぱい!
大切な人との大切な時間…
秋も楽しむんだからぁ〜〜」


投稿。
スマートフォンを伏せる。 そして、またコーヒーを飲んだ。


続き(2話)はこちら


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