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品性という言葉を知らない(第22話)連載小説

SNS社会の生々しさや、主人公の人格のゆがみに迫る現代サスペンス


栗山杏奈は歯科クリニックで働くいわゆるキラキラ女子を演じているが
実は夜職の顔がある
――――さらには2つのSNSで使い分ける顔
恋愛・友達・仕事・家族――――

杏奈には、既婚者の佐々木と瀬戸、彼女持ちの良平という3人の男がいる
与えてくれる男
自分を求めてくれる男
杏奈はそういう関係こそが、自分にとって都合のいいものだと思っていた

――しかし 
杏奈自身うまくいっていると思っていた
仕事も、人間関係も、男との関係も、
「上から見下ろしていた」はずの世界が少しずつ狂い始めていったある日
2つのSNSで使い分ける顔が少しずつ明るみに出ていく――――


21話はこちら


杏奈のマンション
深夜1時 良平のタバコの匂いがする。
「あ、ごめん、杏奈起こしちゃった?」
「う…うん。そろそろ帰る?」
「うーん…そろそろな。」
そう言いながら良平がベッドにくる。
「う…ん…なに?見送らないし、寝るよ、私は」
良平がベッドに潜り込む。杏奈のことを抱き寄せて、耳元でささやく。

「強がんなって。ん?昨日すごかったじゃん?」
そう言って杏奈に激しくキスをする。


「ちょ…良平!…もう!ん…あぁ…ちょっと!」
「何?言いなよ!ゆうべ言ってたじゃん?」
「知らない!何も言ってないってば!」
そう言って良平の顔から離れようとする。

「ん?泣きながら好きって言って、してたじゃん。
俺、めちゃくちゃ興奮した。」


もう一度杏奈を強く抱き寄せて、キスをする。
「ほら…ん?好きって言わなきゃもっかいするよ?」
杏奈は抵抗するのをやめた。

良平はもう一度して、
シャワーを浴びて帰って行った。

「はぁ…」杏奈は大きなため息をついた。

なんかめちゃくちゃ疲れた。
なんで今こうなったんだっけ。
そうだ!良平と焼き鳥食べて焼酎飲んでて
…えっと…そしたら良平が泣き出して、
2人で日本酒飲んだでしょー。
…えっと…それで、うちに来ることになったのか。
一睡もしてなくて焼酎からの日本酒は沁みるって。

え?ちょっと…待って!私あのお店にいた時…


そう言って杏奈はスマートフォンを開いた。
Instagramに通知がきている。

あ、ストーリーズあげたんだ…え…ちょっと覚えてない。
いいねが…え?瀬戸さんと、これって…良平の彼女じゃない?


いいねがついたストーリーズを開く。

良平と杏奈がお猪口で乾杯する手元を映した写真
「SNSでいやなことあったけど、元気なった♡らぶ」

え…これを…これを見ていいねしてきたってこと?
どうしよう…
杏奈はそっとスマートフォンを伏せた。


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