メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ドパガキ財布紀行 〜変な財布を買おう〜

    2026年4月。

    10年使った財布が壊れた。


    学生時代に買った長財布。

    ついにそれともお別れの時が来た。

    勿体無い気持ちもあり外側の装飾が剥がれても使い続けていたが、とうとう小銭入れ部分に穴が空いた。

    小銭が落ちてもおかしくないほどの大きな穴。

    これでは流石に使用続行は困難だ。


    この財布とは長い付き合いだった。

    今思えばかなり雑に扱ってしまっていたので、財布に自我があるとしたら私に相当ブチギレていたかもしれない。


    なんにせよ、いよいよ新しい財布を購入しなければいけない時が来た。

    これから大変だぞ。

    なぜなら、これから自分の感性に合う“変な財布”を「本気で」探さなければいけないからだ。


    新調するための覚悟

    私が10年間財布を新しくしなかった理由。

    それはこの10年、「自分好みの財布」をなかなか見つけられなかったからだ。

    今まで使っていた財布は、もともと出先で壊れた先代の代替品として急遽購入したもので、別に好みのものだったわけではない。

    「勿体無いから」という理由でなんとなく10年使い続けてしまった。

    良いものが見つかれば買い替えようとは思っていたのだが、何度探してもピンとくるものは見つからず、購入には至らなかった。

    やはり、どうせ買うのであればずっと大切にしたいと思えるお気に入りのものが欲しい。


    ならば今回は本気の旅に出よう。

    インターネット上の様々なショッピングサイトを巡る旅に出て、今度こそ自分の好みに合う究極の財布を探し出そうではないか。


    私好みのアレコレ

    私の好みにあったものとは何か。

    言語化するのは少々難しい。

    これから私が今まで使っていたものを掲載するのでなんとなく理解してくれるとありがたい。



    まずは学生時代に使っていたこのリュックである。

    画像
    (学生時代に使っていたリュック。羽部分には綿が入っておりふわふわである。)

    とんでもない目力のあるフクロウのリュック。

    新しいリュックを探して徘徊していた時に、店で見つけて一目惚れし購入したものである。


    私は普通に可愛いと思って購入したのだが、このリュックを見た先輩にある漫画のキャラクターに似ていると教えてもらった。

    「うしおととら」や、「からくりサーカス」で有名な藤田和日郎先生の短編漫画「邪眼は月輪に飛ぶ」に出てくる、見るだけでその生き物を殺してしまう「ミネルヴァ」というフクロウだ。

    (↓ミネルヴァのビジュアルは以下の序盤で見れます)


    確かにこのミネルヴァをデフォルメしたらこんな感じかもしれない。

    これを背負うと人に見られることも多いが、こいつの目力のおかげで不思議と変な人に絡まれなかった。

    変な人に絡まれたくない時は、自分も変な奴だと思われるのが一番良い。


    購入から10年が経ち、私の年齢的にもこのリュックを普段使いするのはかなりハードルが高くなった。

    なので今は家で保管しているが、いまだに手放せないお気に入りだ。

    画像
    (白いため、まめに洗濯が必要。洗濯中の絵面も、なかなか鬼気迫るものがある。)


    次に、私が鬼リピし続けたスマホケースを紹介する。

    見ての通り、ロブスターの形のスマホケースである。(以後、ザリガニ、ザリ等の表記をする)

    画像
    (一応ロブスターである。が、人に説明する時はつい「ザリガニ」と言ってしまう。)

    正直、スマホケースにしてはデカすぎる。こんなにでかい必要はない。ハサミもはっきり言って邪魔だ。

    しかもこのスマホケースをつけて写真を撮ると、高確率でハサミの影が写真に映り込む。

    画像
    (こういった具合に。別にザリガニと一緒にいることを匂わせ投稿したい訳ではない。)

    もちろん良い面もある。シリコン製なので手によく馴染み、スマホが手からすっぽ抜けることはまずない。

    また、存在感があるのでバッグの中で行方不明になることはないし、どこかにスマホを置き忘れる心配もない。

    そして、やはり変な人に絡まれない。こっちが変な奴だと思われるので。

    以上の利点があるが、はっきり言って使いにくいところばかりが目立つのは否定できない。

    シリコン製だと埃もくっつきやすいし、何ヶ月か放置すると表面がベタベタすることもある。

    さらに購入直後はシリコンの匂いがキツいため、重曹水の中に長時間漬け込んで匂いをとることも必要だ。

    だが、それでも。

    画像
    (一代目と二代目を交換する時の儀式の様子(重曹水漬け込み)。猟奇殺人を犯したサイコパスが、殺害現場で記念撮影をしているような趣深い写真である。)



    それでも、私はこのケースを使い続けた。

    画像
    (二代目と三代目を交換時の儀式の様子。一代目も関係者として出席。)


    理由はシンプルだ。デザインが好きだからである。

    この使用者を舐めきっているかのような顔、目線。すっかり癖になってしまった。


    しかし、四代目をリピート購入しようと思っていた時、あることに気がついた。

    私が使っているサイズのものがどのネットショップでも品切れしている。

    なぜだ、はっきり言って私しか使ってないだろう、こんなもの。

    実はそうではなかったのだ。

    なんと、あのBTSのメンバーもこのザリスマホケースを使っていたのだ。


    あれは2000円くらいで簡単に買えてしまう。

    きっと多くのBTSファンが彼らの愛用物の投稿を見て、購入していったのだろう。

    確かに推しと同じものを使いたい気持ちもわかるので、仕方がない。

    だが、絶滅してしまった。
    私の愛したザリガニ達が。


    …とは言ったものの、別のサイズのものならまだ普通に売っている。

    いずれ機種変をして新たなサイズのスマホにする際は是非またリピートしたいと思っている。

    もうザリブームも終わっただろうし。


    ちなみに、このスマホケースを使っている間、BTSファンだと勘違いされたことが何度かあった。

    申し訳ないが、ザリ歴だけはBTSより私のほうが先輩なのだ。

    今の私の気持ちは、B(僕が)S(先に)S(好きだったのに)だ。



    と、ここまで見てくれた人はなんとなくわかってくれたかもしれない。

    たとえ少し使いにくくても良い。
    こういったちょっと変な、普通の人が使わないような唯一無二のものが好きだ。

    値段やブランドは関係ない。

    とはいえ、あまりにも今の年齢に合わないものだと長くは使えないかもしれないので、「ギリギリ大人が使っても許されるデザイン」に移行する必要はある。

    流石に少しは人目も気にしなければならない。

    これから、そういった財布を探そうじゃないか。


    変な財布

    手始めに、Amazonや楽天市場など主要なショッピングサイトで検索をかける。

    「個性的 財布」等の様々なワードで検索するが、なかなかピンとくるような良いものは出てこない。

    ここまでは以前探した時もやったのだ。

    「財布 モンスター」「財布 UMA」等の個性的ビジュアルが期待できそうなワードでも検索したが、どれもピンとこない。

    以前、ケイトスペードは変なデザインもあるよという話を聞いたため、サイトを見に行ったのだが、そういうものはだいたい期間限定品なのか今は見つからなかった。

    良いものであればそれなりの金額でも良いと思っていたので、ブランドものの財布も見て回ったし、海外からの輸入品サイトなども見た。

    だが、見つからない。私は別におしゃれでラグジュアリーなものが欲しい訳ではないのだ。

    友人達にも、私が好きそうな財布があったら教えて欲しいと伝えたところ、「〇〇好みのドパガキ財布、どっかで見た気がするけど全く思い出せない」と言われてしまった。

    (※「ドパガキ」とは、即時的な快楽や強い刺激(ドーパミン)、中毒性のあるものに過剰反応するガキ(子供)という意味である。確かに刺激的なデザインのものが大好きなのでドパガキである可能性は否定はできない。…というか使い方これで合ってる?)

    一応年相応なものが欲しいので、ドパガキではなく、せめてドパババアくらいのものが欲しい。

    教えてもらったBEAMSなどのファッションブランドのサイトや、グラニフ等のオンライン販売サイトも見に行った。
    結構気になるものもあってよかったが、良いものは大抵売り切れており結局買うことはできなかった。


    ショッピングサイトを見続けて少々疲れた私は、Xで財布の写真をアップしている人達のポストを検索して見てみることにした。

    「大名行列の柄の財布をゲットした」

    私はその字面に目を疑った。

    大名行列柄の財布って、なんだよ。


    文庫屋大関

    関連ポストに「文庫屋大関」というお店で売っているものだという文があったため、早速サイトへ行ってみた。

    今年創業99年の老舗のお店で、文庫革という革の工芸品を扱っているそうだ。

    白地の牛革にカラフルな彩色を施したもので伝統工芸品らしい。今風の柄も沢山あり、その種類は100以上と豊富だ。

    「ここでなら欲しいものが見つかるかもしれない」と思い、色々見てまわる事にした。


    まず気になったもの。
    先述の大名行列柄は最初のものだ。風神雷神もパンチがあって非常に私好みである。

    だが、忘れてはいけない。私は今、普段使いできる財布を探している。

    もしキラキラした女子会に誘われた際に、こんなパンチがある財布を持って行ったらびっくりされてしまう。

    風神雷神に至っては、何かの事情で極道だらけの怪しい会合に出向かなきゃいけない時でしか使用は困難だろう。

    とにかくどちらも非常に、非常に好きなデザインだが、もう少し大人っぽい上品な雰囲気のものも探してみよう。

    非常に可愛らしいフルーツパンチ柄。レトロな雰囲気もあり華やかだ。

    私が私でなければ欲しかったかもしれない。だが私は変な柄のものが欲しいので、残念ながら別のものにしよう。

    おっ、これは…

    これはいいかもしれない。

    古代エジプトの壁画柄。あれは私も大好きだ。なんか変な見た目の神様もいるのが嬉しい。

    それにびっくりするほど緻密で、職人技が光る素晴らしい柄ではないか。

    上品にも見えるし、これなら大人が持っていてもセーフかもしれない。

    決して安くはない買い物だが、何もなければこれから10年は使う予定だし、これくらい素晴らしいものなら相応の値段だ。

    よし、買おう。在庫わずかだから急いで買おう。

    購入手続きが終わり、改めて商品ページに戻ったら「SOLD OUT」の表示が。

    危ないところだった、あれは最後の一つだったのか。


    財布が届く

    財布探しをしたのはちょうど大型連休中だったので、お店からの正式な購入確認メールは連休明けに届いた。

    どうせならと思いオプションにある名入れもお願いしたのだが、どうやらそれをお願いすると発送まで3、4週間かかるそうだ。

    友人達に会う厄祓い(詳しくは前回の記事を読んでほしい)までにゲットしてみんなに自慢したかったので、思わずずっこけてしまった。

    だが、そういう表示があっても全然読んでいなかった私が悪いのだ。

    大人しく到着を待とう。


    財布は厄祓い後に無事届いた。

    画像
    (届いた財布。表面が柄に沿って凸凹していて、触るのも楽しい。)

    実際にみるとかなり派手だ。だが上品さもある。

    表面はしっかりとした革で結構硬い。多少の汚れなら弾きそうなガッツを感じる。

    おろしたてなので中身のポケットなどはまだパリッとして硬い印象だが、おそらく使っていくうちにくたびれていい感じになるだろう。

    お願いしていたイニシャルの名入れもきちんとある。大満足だ。

    あとは、使っているうちにバッグの中で一緒になるであろうしょーもない物達から色移りしないことを祈るばかりだ。

    画像
    (柄の中で一番好きな部分。
    一体誰なんだよ、この右端で顔出してる奴は)



    それにしても、まさかこんな良い財布に出会えるとは思わなかった。すっかりお気に入りだ。

    もし今後、プラダを着た悪魔に出てくるメリル・ストリープみたいなご婦人に

    「貴方の財布、見かけない物だけれど、どこのブランドのものなのかしら?」

    と試すように聞かれたとしても、私はきっと自信満々にクソデカボイスでこう答えるだろう。

    「文庫屋大関です!!!!!!!」



    正直、どのブランドものにも負けない財布だと思っている。


    ちゃんとした財布が欲しいと思うと、ついブランド物に目が行きがちだ。

    だが、昔ながらの伝統工芸品を持つという選択肢もあることを今回発見することができた。

    伝統工芸品という言葉に古臭い印象を抱くかもしれないが、文庫屋大関のように今風の柄に挑戦しているお店もある。

    時々映画やキャラクターとのコラボをしていたりもするので、もし財布が欲しいなと思った際は、一度文庫屋大関のオンラインショップを覗いてみることをおすすめする。

    あなたへのおすすめ