メインコンテンツへスキップ
見出し画像

●美術館の名作椅子#07●東京都現代美術館

    mata

    東京都現代美術館

    設計:柳澤孝彦 + TAK建築・都市計画研究所
    開館:1995年



    ・PK80

    画像
    《PK80》
    画像

    デザイナー:ポール・ケアホルム
    発表:1957年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    価格:¥2,923,800
    (2024年現在)

    東京国立博物館本館や国立新美術館など、多くの美術館・博物館で採用されている名作中の名作。
    低い座面と固い座り心地が特徴。

    2024年6月にはパナソニック汐留美術館でポール・ケアホルム展(※レビュー済)が行われた。

    画像
    《PK80》とオノヨーコ
    画像
    《PK80》×4 ≒ 1,200万円

    コレクション室では贅沢に4脚を用いて四角を作っている。
    価格を知るとつい背筋が伸びてしまう。

    画像



    ・Seven Chair

    画像
    セブンチェア

    デザイナー:アルネ・ヤコブセン
    発表:1955年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    価格:(塗装仕上げ
    )¥78,980(2024年現在)

    名作椅子業界の中でも代表的な一脚だがシンプルすぎてコピー品が溢れすぎなのが玉に瑕。
    唯一FRITZ HANSENのみが正規品だが長い歴史の中で様々なバリエーションがあり、もはや全容は不明。

    画像



    ・Grand-Prix Chair

    画像
    《グランプリチェア》

    デザイナー:アルネ・ヤコブセン
    発表:1957年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    価格:(塗装仕上げ
    )¥108,680(2024年現在)

    アルネ・ヤコブセンのグランプリチェアが並ぶ。
    ここのは脚部がパイプではなく成形合板仕様。
    1957 年、コペンハーゲンの展示会で発表され、同年のミラノ・トリエンナーレでグランプリ獲得して以降グランプリチェアと呼ばれている。

    画像



    ・Pot Chair

    画像
    《ポットチェア》

    デザイナー:アルネ・ヤコブセン
    発表:1959年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    参考価格:¥338,800
    (2024年現在)

    カテゴリーではラウンジチェアに分類されているが、小ぶりなサイズのため汎用性が高い。
    主張はせずとも存在感が際立っているのはさすがアルネ・ヤコブセン。
    ファブリックの仕様が定かではないので参考価格を。

    画像



    ・サイン什器・ベンチ

    画像
    画像

    デザイナー:長坂 常/スキーマ建築計画
    発表:2019年

    2019年のリニューアルにあたり什器が一新された。
    石やスチールとのコントラストのある素材ということでコルク素材が用いられているが、設置から数年が経って、その素材特性もあり汚れや色褪せ、劣化が目立つようになってきた。
    今後、歴史に耐えうる「名作椅子」へと昇華することができるだろうか。



    ・Arnold Circus Stool

    画像
    画像

    デザイナー:マルティノ・ガンパー
    発表:2006年
    メーカー:Martino Gamper Studio
    参考価格:¥26,400
    (2024年現在)

    ポリエチレンプラスチック製のスツール。
    スタッキング可能で、逆さまにしてゴミ箱にしたりと工夫もできる。


    このようなプラ製スツールは各種あるが比較的安価で何かと使い勝手が良い。
    我が家ではフィリップ・スタルクの《プリンスアハ》や《bubu》を愛用している。



    ・DÉJÀ-VU STOOL

    画像

    デザイナー:深澤 直人
    発表:2005年
    メーカー:Magis
    参考価格:¥85,800
    (2024年現在)

    さりげなく置かれる深澤直人のスツール。
    鏡面仕上げのものが有名だがこちらはサンドベージュ塗装の屋内屋外兼用仕様。
    シンプルな色使いで場に溶け込んでいる。



    ・木製スツール

    画像

    木製スツール
    デザイナー:柳澤 孝彦
    発表:1994年
    メーカー:桜製作所

    美術館設計者でもある柳澤孝彦がデザインし、開館当初から使用されているスツール。
    細部を見ると窪みがあって細工が入っていたり、無垢材がチギリ加工で連結されていたりと非常に凝った作りになっている。

    画像
    非常に凝った作り
    画像
    画像
    館内様々な場所に置かれる

    元々特注で製作されて一般販売はしていなかったようだが、2023年にギャラリーでの企画展のためにスケールダウンしたものが限定受注生産された。



    ・Stool60…?

    ・646 Chair…?

    画像
    《スツール60…?》 《646…?》

    名作スツールのartek《Stool60》とCassinaの名作椅子《646》が並ぶ。

    …と思いきや、なんだかシルエットに違和感を感じたので裏を見てみたら、

    画像
    某N社製

    某N社のシールが!
    確かにartek製との価格差は20倍以上あるのだが、予算を少々上乗せしてでも美術館としての矜持を持ってここはオリジナルの《Stool60》にこだわってほしかった。
    こんなシンプルなスツールなのだが、artek製はやはり細部のこだわりやバランス、美しさが全然違う。
    我が家でも数脚愛用中。汎用性があり名作中の名作椅子のひとつだ。

    画像
    我が家の《Stool60》と《プリンス・アハ》
    画像
    artek製
    裏面もすっきりと美しい


    だが、こうなると隣の《646 Chair》もはたしてCassina製か怪しくなってくる。
    見た目や木目の雰囲気からCassinaのものだとは思うのだが、裏面にはタグもシールも見当たらなかった。
    外したとか剥がれたとかの可能性もあると思うが…。
    どちらとも断定はできず。

    もしCassinaのものだとすれば、

    646 Chair
    デザイナー:ジオ・ポンティ
    発表:1957年
    メーカー:Cassina
    参考価格:¥123,200〜(張り地による)
    (2024年現在)



    ・まとめ

    東京都現代美術館はFRITZ HANSENの名作椅子とともにオリジナルの什器を多数導入しており、こだわりの選定をしているように感じた。
    けれども唯一某N社のスツールだけが気になった。
    いや、某N社が悪いわけではないのだ。
    某N社はコストパフォーマンスに優れた品々を安価で世に送り出してくれる優良企業だ。
    実は私も細かいものは色々お世話になっている。
    なんならスマホにアプリだって入れている。
    ありがとう某N社。
    そしてこれからもよろしく。

    …だが、東京都現代美術館よ。
    おたくはそれで良いのか。



    【美術館の名作椅子】まとめマガジン ↓



     
     
     

    mata

     
     
    【美術展】【美術館の名作椅子】が主なトピックです。 投稿した記事はカテゴリーごとにマガジンにまとめてあります。 詳しくはプロフィールをご覧ください。 【美術展】 【美術館の名作椅子】 【青年海外協力隊2006~08】 【アジア横断&中東縦断2004】 【雑記】

    あなたへのおすすめ