メインコンテンツへスキップ
見出し画像

●美術館の名作椅子#04●東京国立博物館 本館

    mata

    東京国立博物館本館

    設計:渡辺 仁
    開館:1938年



    ・Barcelona Day bed

    画像
    縦に2台並べる
    画像
    クッションを外し横付けで並べる

    デザイナー:ミース・ファン・デル・ローエ
    発表:1930年 
    メーカー:Knoll
    価格:¥2,970,000
    (2024年現在)

    ミース・ファン・デル・ローエは、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトと共に近代建築三大巨匠の一人に数えられる。
    1929年のバルセロナ万博にてスペイン国王夫妻を迎えるためにドイツパビリオンの設計を依頼されたミースが建物ともにデザインした、近代デザイン史においても最も重要な椅子のひとつである名作バルセロナチェアのデイベッドバージョン。
    構造もバルセロナチェア同様にシートの下にレザーバンドが張ってある。
    レザーバンドなので使っているうちに伸びてくるのは避けられないし、劣化するとヒビが入って最悪切れたりと旧時代の仕様だが、デザインのアクセントにもなっているし、ある意味このベンチのアイデンティティでもあるので改良するわけにもいかないか。
    トーハクでは展示作品の入れ替えに合わせて置かれ方がちょいちょい変わる。



    ・PK80

    画像
    《PK80》

    デザイナー:ポール・ケアホルム
    発表:1957年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    価格:¥2,923,800
    (2024年現在)

    多くの美術館で採用されている名作ベンチ。
    国立新美術館や東京都現代美術館にも置かれている。
    低い座面と固い座り心地が特徴。
    PK22同様こちらもミース・ファン・デル・ローエのオマージュとのことだが、ポール・ケアホルムは独自の哲学で全く別のものに昇華しているのは素晴らしい。

    輸入家具はどのメーカーも毎年ガンガン値上げしており、2年前に250万円だったこのベンチも(それでもなかなかだが)、公式HPによるといつの間にやら最廉価のレザーでもなんと約300万円!
    しかしさらっと置いてあるベンチが1脚300万円なんて知ってて座ってる人は何人いるかね。

    画像



    ・REFOLO Sofa

    画像
    《REFOLO W1870》×2
    東京国立博物館1階
    画像
    《REFOLO W2330》×2
    東京国立博物館2階

    デザイナー:シャルロット・ペリアン
    発表:1953年 
    メーカー:Cassina
    (ベース:W1870 座×2)価格:¥1,925,000〜
    (ベース:W2330 座×3)価格:¥2,607,000〜
    (2024年現在)

    木製のベースを土台にしてパーツをバラしたり組み替えたりすることができるシンプルで秀逸なデザイン。
    ペリアンは1940年に坂倉準三の誘いで日本の輸出工芸指導の顧問として来日し、柳宗理らの案内で日本各地を巡り日本の近代デザインにも大きな影響を与えた。
    その後も日本との関わりは深く、このベンチも東京で発表された。
    資料にもその姿が残る。

    画像
    「シャルロット・ペリアンと日本」公式図録より
    画像
    「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合1930-1965」公式図録より
    画像
    「Cassina 2004 Charlotte Perriand」カタログより

    トーハク本館一階のREFOLOは薄暗い場所に置かれ扱いが雑な感じ。
    現行品であれど美術館・博物館に置かれる名作椅子や家具はキャプションとか解説文とか付けてもっとアピールすべきだと思うのだが。

    ちなみに現在、我が家でもREFOLOを愛用している。

    画像
    我が家の《REFOLOソファ》
    《MEXIQUEテーブル》
    《BERGERスツール》
    《LC1セルフカスタム》



    ・FOSTER 510 Bench

    画像

    デザイナー:Foster + Partners
    メーカー:Walter Knoll
    価格:¥1,889,800(参考価格)
    (2024年現在)

    プリツカー賞も受賞している建築界の巨匠ノーマン・フォスター率いるFoster + Partnersデザインのベンチ。
    Walter Knollはドイツの名門高級家具メーカー。
    日本支社が無いので日本での知名度は低いメーカーだが、ドイツならではの堅実な作りと最高級の革質に定評がある。
    このベンチにはいくつかのサイズがあるようだ。
    トーハクのサイズのものは見つからなかったので参考までにワイドサイズのものを。
    ちなみにアメリカンミッドセンチュリーの雄「Knoll」はこのウォルター・ノルの息子のハンス・ノルがアメリカに渡り創業した。



    ・Together Bench

    画像
    《Together Bench》

    デザイナー:EOOS
    メーカー:Walter Knoll
    発表:2004年

    こちらもWalter Knoll。
    日本ではYAMAGIWAが正規代理店だが、いろいろ調べてみたがこのモデルは日本では正規展開していないか。
    本国では様々なバリエーションがある様子。
    この写真でも奥に別バリエーションが見える。



    ・Roundish アームチェア

    画像
    奥には《セブンチェア》が並ぶ

    デザイナー:深澤 直人
    発表:2018年
    メーカー:MARUNI
    価格:¥126,500
    (2024年現在)

    アップル新本社「Apple Park」にも大量に採用された名作椅子《HIROSHIMA》の生みの親でもある深澤直人のデザイン。
    元々高い技術力を有していたのだがいまいちパッとしなかった印象のマルニ木工を、深澤氏はデザインの力で世界に羽ばたかせた。
    素晴らしい。



    ・CH07 Shell Chair

    画像

    デザイナー:ハンス J. ウェグナー
    発表:1963年
    メーカー:Carl Hansen&Søn
    価格:¥507,100
    (2024年現在)

    発表当時、その斬新すぎるデザインから受け入れられずに数台しか製作されなかったとのこと。
    1998年にカール・ハンセン&サンが復刻すると大きな反響を呼び、今では名作椅子のひとつとして名を馳せている。
    この椅子は国立新美術館でも多数採用されている。
    上質なレザークッションと木製のフレームがしっかりと体重を受け止める。
    低い座面と背中の角度が体にフィットして安定感がある。
    美しいフォルムと安定感のある座り心地が素晴らしい。
    同じくウェグナーの《Coffee Tables》も置かれている。
    写真をよく見ると奥にはやはりCarl Hansen&SønのCH33Pが。



    ・Swan Chair

    画像
    《スワンチェア》

    デザイナー:アルネ・ヤコブセン
    発表:1958年
    メーカー:FRITZ HANSEN
    価格:(最廉価仕様
    )¥558,800(2024年現在)

    デンマークのSASロイヤルホテルのためにデザインされた。
    美術館やホテルのような公共の場にとてもよく合う。
    張地の仕様がわからず。
    ファブリックでもランクによって価格に差が出るので参考価格として再廉価仕様のものを記載。

    画像



    ・E016 Embrace Footstool

    画像

    デザイナー:EOOS
    メーカー:Carl Hansen&Søn
    価格:¥196,900
    (2024年現在)

    階段の踊り場にひっそりと佇むスツール。
    合計すると結構な数が置かれているのだが、ただ置いてある感が否めない。
    名作椅子がもったいない。



    ・まとめ

    トーハクの椅子ラインナップは古今東西の名作揃いなのだが、ごちゃ混ぜすぎていまいち全体の計画性やストーリーを感じず。
    長期的な見通しを立てずに場面場面でその都度増やしていったような印象。
    せっかくの名作椅子揃いなのに、ただなんとなく置かれているだけのものが多く運用しきれていないのが非常にもったいない。

    日本を代表する博物館なのだからいっそのこと日本人デザイナーのものだけで揃えてみるというのも良いのではないだろうか。
    外国人の来館も多いのでジャパニーズデザインのいいアピールになると思うのだが。



    【美術館の名作椅子】まとめマガジン ↓


     
     
     

    mata

     
     
    【美術展】【美術館の名作椅子】が主なトピックです。 投稿した記事はカテゴリーごとにマガジンにまとめてあります。 詳しくはプロフィールをご覧ください。 【美術展】 【美術館の名作椅子】 【青年海外協力隊2006~08】 【アジア横断&中東縦断2004】 【雑記】

    あなたへのおすすめ