
親との約束って意外と子供は覚えてる
子どもの頃、図鑑に載っていたミノムシが、なぜかものすごくかっこよく見えた。
蛾の幼虫なんてことは知らなかった。
枯れ葉をまとって木の枝からぶら下がる姿が、不思議でたまらなく魅力的だった。
「お父さん!ミノムシ捕まえたい!」
そう言うと父は、
「今度な。」
と笑って答えた。
私はその"今度"が来るのを、かなり楽しみにしていた。
今思えば、楽しみだったのはミノムシよりも、父と虫取りにいくことだったのかもしれない。
でも結局、その日は来なかった。
きっと父は悪気なんてなくて、何気なく返事をして、そのまま忘れたんだと思う。
もちろん恨んでいるわけではない。
父との思い出は楽しいものばかりだ。
それでも、この出来事はなぜか今でも覚えている。
子供って、大人が思ってるより親との会話を大事にしてるんだと思う。
親が何気なく言った一言も、子供にとっては「約束」として心に残ることがある。
だから我が子との約束くらいは、大切にできる親でいたい。