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先輩がわざわざこれを言おうと思った理由はなんだったのか。──壮行会の夜と、NOTEの帰り道

    序

    人との出会いを、私は「必然の出来事」として捉えることが多いタイプです。
    欲しいものや、これから先に必要になりそうなことを、いつの間にか形にして差し出してくれる人が、目の前に現れることがあるからです。
    まるで、少し先まで手配されていたみたいに、と後から気づくこともあります。
    きっかけは人それぞれですが、注意深く歩いていれば、見逃さずに済むのかもしれない──そんな思いが、根っこにはあります。

    一方で、必然だと言い切るには、怖さもあります。
    自分の都合のいい物語にしていないか、と疑う瞬間は必ず来る。
    それでも、胸の奥に温かく残る出来事は、のちに、理由の束になって戻ってくることがよくある。
    本稿は、そういう一晩の体験を、いま、ここ、で、できる限り、事実の順序と、身体の感覚に沿って、記した。
    書き終えたあと、読み返すたび、語尾の温度差は、少し、変わるかもしれない。
    執筆者の情動は一晩で凍れない。
    凍るのは、筆跡の、表面、だけ。
    それで十分だ、と、いまは、思っている。

    ある飲み会の一幕で、先輩はこう言いました。

    「オレはお前にこれを伝えたくて、この会に参加したんだ」

    そんな言葉を、正直、予想していませんでした。
    考えてみれば、私も何かを受け取るためにその席に座っていたのかもしれない。
    なぜ、わざわざ足を運ぶのか。
    普段、人混みの集まりには顔を出さない人でしたし、自分にとって“得”のあること以外に時間を使わないタイプだと、私は勝手にラベルを貼っていたくせさえあります。
    だからこそ、不思議と、有り難さと、少しの戸惑いが同時に立ち上がりました。

    以下に書くのは、あのこれが何を指していたのか、その夜の続きで知らぬ相手から届いた一言と、どう同じ帰路の上でつながっていったか、という話です。
    筆者自身の、仕事の立場上、伏せざるを得ない固有名は置きません。
    会の規模感と、人の温度だけを、可能な限り、そっくり、残すつもりで書きます。


    昼前──久しぶりの「大人数」の予感

    これは、職場の壮行会に参加したときのことです。
    退職する後輩と、別グループの責任者として異動する先輩と、社内の別部署へ移る先輩。
    主賓が三人いる、同時開催の会でした。

    ここ数年、私たちのグループは店舗数が増え、規模はずいぶん大きくなりました。
    それに伴い、大人数で顔を揃える機会は、自然と減っていきます。
    日程を合わせるのが難しい。
    席数の都合もある。
    だから、三十人近くが一つの場に集まる──そう意識しただけで、実に久しぶりだな、と感じる夜でした。
    幹事側の声掛けの厚さを思うと、こういう会が当たり前ではないことも、改めてよく分かります。

    その日の朝から、妙に落ち着きません。
    久しぶりの大所帯の飲みに、少しソワソワしていたのです。
    もしかしたら、この会の「終わりの言葉」を、まだ始まっていないのに肌で感じていたのかもしれません。
    いつもと少しだけ違う気分で業務に向かう自分を、一歩外から眺めると、胸のあたりがムズムズする。
    天気は、まだまだ残暑が厳しく、日差しを避けて歩く人と、昼から飲みの支度を始める人が混在する、いつもの街並みでした。

    店のなかで──「来ない人」の噂

    「S先輩、なんか来ないみたいですよ」

    昼過ぎ、後輩店長がふいに声を掛けてきました。

    「そうなの?」
    「らしいすよ」
    「まぁ、いつもの事だよね。一応、主役の会なのになぁ」
    「なかなか、そういう会はこないですよね」

    S先輩は、飲みの集まりに参加しにくい人で、顔を合わせること自体も、ここ最近は少なかったように思います。
    私自身は、深く飲みに行くタイプではないので、人の出欠にまで突っ込んでは来ませんでした。
    それでも、後輩同士の会話の片隅に、「あの人、また来てない」みたいな言い方が落ちるのを、風のように聞いたことはあります。
    飲みニケーションが当たり前だった世代の、仕方ない距離感だろう、などと、薄い弁明のようなことを胸の内で重ねながら、後輩の接客の背中を眺めていました。

    しばらくして、レジの呼び出しです。

    「レジ、お願いします」

    向かうと、カウンターにはいろいろな品が、まるで山を作るみたいに積まれていました。
    セット販売のような、まとまった動きの予感がする。
    「すごいのが出そうだ」と、内心つぶやきながら会計に入る。
    会計を終えた後輩が戻ってきたので、軽く声を掛けました。

    「やったな」

    照れ臭そうで、でも嬉しそうな顔。
    「ありがとうございます」

    売れた在庫をパソコンで調べ始める手つきに、上ずった弾きが乗っています。

    「やったね。色々買ってもらえたね」

    「はい。有難いです。提案をいっぱい聞いて頂けるお客様でした」

    「ところで、今日、参加するの?」

    店長が後輩に聞きます。

    「なかなかないチャンスなので、いこうと思ってます」
    「そうだよね。大人数で集まって飲むのって、なかなかないもんね。楽しもうよ」

    若い人たちのあいだに、小さな高揚が見えた気がします。
    夕方に近づくと、西日が強くなり、店の中の冷房のありがたさが増えていきます。
    会の集合時刻に近づくにつれ、フロアの空気の粒が一つ一つ、少しざわめく。
    浮き足立っているのか、いつもより粗が増える。
    出し忘れ、タグの取り違い。
    店長が気づくたびに、さらさらと歩き回って、笑いながら、でも確かに戻す。

    会場へ

    先に打刻をして、会場へ向かいました。
    集合は夜八時半。
    営業中の店舗も混ざる集まりなので、「このあたりで顔を合わせる」が暗黙の了解、という日もあります。
    今回の集合場所は、大型店舗の近く。
    折衷案は何度か出たのですが、大人数の席取りの現実的な解は、いつもあの辺に落ち着きがちでした。
    クローズの早い店から先に人が来て、締め作業を急いで駆けつけた顔ぶれが足され、会場前の人だかりに厚みを足していきます。

    「今日、S先輩、来るらしいですよ」
    「そうなの? 店長の話だと、来ないって言ってたけど」
    「主役の一人ですから」
    「そうか」

    この日、主賓はMさん、K先輩、S先輩。三人です。
    人が揃い始めると、空気は一気に色づきます。
    グラス越しの温度が上がる前の、最後の静けさのような一瞬のあと、声が弾けていきます。

    「では、そろそろ一度始めようか」

    代表の言葉に、全員がグラスを手に立ち上がる。
    主賓のうち、すでに席にいるのはまだMさんだけ。
    最初の乾杯の挨拶が、フロアに広がります。

    「集まってくれてありがとう。Mさん、お疲れ。乾杯」

    「乾杯~」

    近い席同士でグラスを合わせ、雑談の膜が貼られていきます。
    入口のほうのざわめきが、ふいに大きくなった。
    顔を向けると、S先輩がドアのところでもみくちゃにされているところでした。

    「きてくれたっすね」

    近くの後輩が、グラスを持って歩いていきます。
    私は、少し離れた距離から、その光景をぼんやり見ていました。
    そこへ、ふいに。

    「お疲れ」

    いつのまにか、隣にS先輩。

    「あ、お疲れ様です。久しぶりっすね」

    「そうね。いつ以来? こういう風に集まるのも、久しぶりな気がする」

    「Sさん、集まりにめったに来ないから、なおさらじゃないですか?」

    「そうかもね」

    取り留めのない会話を、しばらく重ねる。
    S先輩は、唐突に本題を差し込みます。

    「お前の、これからの事を、小耳に挟んだんだけど、ホント?」

    「ええ、そうすよ」

    「そうか」

    顔色が、急に真剣になりました。

    「オレ、今、内部の仕事に関わってるのは、知ってるだろ?」

    「はい。噂では」

    「それに関わり始めて思ったんだけど」

    目の奥に、薄く火が乗るみたいな光。そして、こう言いました。

    「人脈って、スゲェ大事だから。きっとお前の次は、もっと人脈が大事になる」

    お酒で少し鈍りかけていた頭に、鈍器が当たるような一撃が走ります。次の言葉で、その一撃の意味が、輪をかけて大きくなりました。

    「オレ、実を言うと、これを、お前に言いたくて、この会に参加したんだ」

    一撃のあと

    ハンマーは、一撃目より一回り大きく、私の頭蓋の内側を真横に抜いていきました。
    S先輩の目を、まっすぐ見返す。
    真剣そのもので、社交辞令の笑いは、そこにありません。
    目の奥は深く、本心の在り処が、すぐには読めない。
    二つの衝撃で、身体の左右が、ちぐはぐに揺れる。
    二つ目の衝撃のほうが、圧倒的に大きかった。
    関係性の積み重ねから考えても、S先輩は、私にここまで“わざわざ”言う人ではない、と心のどこかで思っていました。
    自分に明確にメリットのない行動に、時間を使わない人だ、という図式まで、勝手に作っていました。
    人は驚くと目が白黒する、という。あの言葉の直後に、子どものころに聞いたたとえの意味を、体で知ります。

    会計方式がキャッシュオンだった店なので、新しい酒を取りに行く口実を作り、席を外すことにした。
    戻る前に、外気が欲しかった。
    外に出て、煙草に火をつけます。
    いつもなら短い吸引で抜く煙は、その日は肺の奥まで長く触れてから抜けていきました。
    胸の奥で、まだ形にならない感情の輪郭を、煙で、なぞる。
    人脈という二文字に、S先輩の声の、分厚い重みが乗っていた。
    重みは、数字の話ではない。
    人の、行動の、厚さ。
    そう、腹の底に、落とす。
    意味の、残る半分は、数時間あと、路上の、若い声が、重ね方を、教えてくれるのだろう──ぼんやり、そう感じて、戻る手前、後輩店長に声を掛けられました。

    「あ、お疲れ様です。さっき、Sさんと話してましたね」

    「そうなんよ。なんか、オレに伝えたいことあって、参加したんやって」

    「そうだったんですね。遠くから、自分とAと、見てました。Aは、良かった、って言ってましたよ」

    「そうなん?」

    「仲直り、できたんだ、って」

    本人同士、争っていたわけではありません。
    けれど、後輩の目には、距離感がそう映っていた。
    どう見られているのか。
    立場を考えれば、いちいち、もっと気にすべきところだ、と内省の棘が一つ、背中に刺さる。
    「そうかぁ」と、短く笑っておく。
    席に戻ると、K先輩の姿も加わり、主賓の席が、ようやく揃いました。

    「全員揃ったから、改めて、乾杯しよう」

    グラスを合わせる音が重なる。少し目線を回すと、S先輩は別の輪の笑い声の中にいました。さっきの衝撃の名残で、その位置を、どう追うか。自分のまなざしが、S先輩の肩の動きに引っ張られるのを、客観として見る。三十分ほどで、一巡の会は、お開きの空気に落ち着いていきます。終電の時刻は人それぞれ。人だかりは、すっと抜けていく。二次会、というには軽いが、路上の角で立ち話を続ける小さな塊が、いくつか残ります。

    路上で──「いつも読んでます」

    後輩店長とMさんと、雑に次の行き先を相談していると、若い声が掛かりました。

    「お疲れ様です」

    「おお、お疲れ様。……どちらさん、だっけ。旗艦、最近来た子?」

    心の中で、名簿を捜索する。顔は見たことある。名前が、すぐに乗らない。

    「いつも、読んでます。NOTE」

    一拍、空白。

    「えっ」

    「投稿、されてますよね。更新、楽しみにしてるんです」

    「うん。……何で、知ってるの?」

    「僕、路面店で働いてるんですけど。Aさんと、TSさんに、よくしてもらってて。TSさんが、教えてくれたんです」
    「そうなんだ。ありがとう」
    かろうじて絞り出せた言葉が口からはみ出してみた。

    胸の中で、幾重にも畳んである感情が、一気に滑り落ちて、底で重なり合います。
    公にしていないつもりのアカウント。
    少しずつ広めていこう、という温度でやってきた。
    身内の目からは、遠ざかるよう工夫もしてきた。
    誰でも読める場所に置いている自覚は、ある。
    それでも、言葉で説明できる段階になってから、と思っていた。
    恥。
    正直、かなり恥ずかしかった。
    腹を括る。
    良いものを、積み上げるしかない。
    そんな、いつもの誓いの言葉が、口の中で乾きます。
    「とてもいいこと書いてるなぁって」
    その後輩は続けました。
    なんとも言えない感情が支配する身体は酔いのせいもありグワグワと揺れる。
    定まらない目を後輩店長に向ける。
    「なんか割と知ってる人いるみたいっすよ」
    目を向けた理由を察したのか、そう返事が返ってきた。
    「そうかぁ・・・」

    ここで、S先輩の声が、さっきの脳内に戻ってきます。
    人脈が大事だ。
    私の次の局面では、特に。
    そして、これを伝えに来た。

    では、その人脈の話は、目の前の“読んでます”の一行と、重なるのか。

    TS先輩の顔

    壮行会のあと、彼が言ったTS先輩とは、顔を合わせる機会が、少しだけありました。
    この壮行会の夜、本人は、都合で来られていません。
    たまに話す仕事電話に
    「なんでいつも来ないんすか。俺待ってますよ」
    なんて冗談を入れてくる。
    本気だなって思っていなかったが、どうやら本人はいたってまじめな本気の言葉のようだった。
    直属の関係でもない。
    一緒に働いた期間も、一年を切るくらい。
    大きなことをしてあげた、という自負は、私の中には、ほぼありません。
    たまに帰りに公園で一缶開けて話したぐらい。
    そんな相手の内面に、何が残ったか。
    そんなふうに、自分事としては、考えたことがなかった。
    ただ事実は自分の知らないところに転がっている。
    それは望む望まないに関わらず。

    ある飲みの席で、TS先輩は、面識の薄い人の隣にいる若手に、こう言いました。
    記憶の正確な引用ではなく、含意が近い言葉として書きます。

    「お前、メチャクチャ、いい先輩のとこにいるから。しっかり、学べよ」
    「え?そうなんですか?」
    「そうだよ。ラッキーだよ、お前。だからしっかり学べよ」

    その瞬間、私は、額面どおりには信じ切れない部分を、胸の内で抱えていました。
    長い月日を一緒に歩き、学びの時間を贈り合った、という自己認識が、当時の私には、薄かったからです。
    世辞、だろうな、とすら、思いました。
    ここに集まるは接客業の人々。
    相手を喜ばせることに命を懸けていると言っても過言ではないでしょう。
    目の前にいる人が喜ぶ最適な言葉選びに長けている人と穿った目を持つはやはり自分も接客を長くしているからだろうか。
    でも彼は本心で話していた。
    それは彼の後輩がストレートに伝えてきた。
    「NOTE読んでます」

    接客業として「伝える」ということはお客様だけではない。
    それはいくつかのNOTEに書いてきました。
    思わぬ形で自分に返ってくるとは想像すらしていなかった。
    それが、とうとう、自分の面識の薄い、別店の、若手のところまで、NOTEというかたちで、線として届いていた。
    教えの成果、というより、誰かの小さな推薦が、人のつながりのあいだを、水の流れのように、知らない向きへ曲げていたのです。

    帰衯

    「TSさんが、教えてくれた」──。
    路上の空気の中で、そう聞かされたとき、胸の中に散らばっていた点と点が、急に糸のように引かれ合い始めたのを感じました。
    人脈という、図表じみた大きい語は、数時間前にS先輩の口から落ち、いまは知らぬ者のささやかな「おすすめ」に、足元の生活の手触りへ下ろされました。
    知らぬ人の一行が、知らぬ人の習慣に変わる。
    人は、人の背中越しに、人を見る。発信という行為の、有り難さと恥と、ほんの少しの恐さが、一つの帰路に乗る。

    S先輩の「人脈が大事」という正面からの助言と、背後で小さな推薦に体を乗せていた、見えづらい線とを、同じ夜、初めて一枚の地図の上に重ねてみる。
    名簿の上ではまだ曖昧な、あの子の顔に、心の中で感謝の行き先を一通り、紐解いていきます。
    もし自分がS先輩の立場で、人混みの少し億劫な席に足を向けられるか。
    そんな問いを抱え、呼吸を一つ、長く吐きながら、駅へ向かいました。
    どうしても伝えたいという意思がない限り出来ないことだと感じます。

    帰り道の電車の中は、人の匂いと、まだ抜けきらない酒の名残の笑い声で、ざわめいていました。
    座席のクッションに体を預け、窓の外の流れを、ぼんやり目で数えます。
    涙は、いい大人のものであるのが、恥ずかしかった。
    隣の乗客の、顔色のない無関心が一瞬、有り難い。
    下を向き、スマートフォンを覗き込むふりに逃げる。
    光る画面の中に、涙の温度が一瞬だけ映る。誰に弁解の必要もない。
    嬉しさというラベルは、まだ早い。
    胸の上を、遅い波が幾重にも重なり、ジワリと熱を帯びる。
    ほとんど面識のない、若い顔に、心の中で、感謝を差し上げる。
    知らぬ距離の人びとの中に、自分の名と文字と評判が、制御の利かぬ水脈のように、広がっている。不思議な一日。
    有り難いようで、少し恐い一日。
    S先輩の「わざわざ、参加した」と、言ってくれた人の行動の厚さを、同じ帰路で、受け止め直したい。
    呼吸を一つ、長く、吐きました。

    ホームの風、改札の明るさ、道を曲がる前の一瞬の静けさ。
    自宅の玄関前で靴を揃えたとき、指先に、小さな力が入るのを感じました。S先輩の本気。
    TS先輩の一言。
    知らぬ若手の一行。
    人脈の幅。
    人生の重なり。
    筆者一人の学び以上に、他者の人生の一角に、触れさせてもらった有り難さと、不測の大きさ。
    一晩に纏まる。
    戸の締まりの一歩手前、そういう想いに、身体が、そっと触れました。

    翌朝

    目が覚めて、まずカーテンの隙間から空を見る。
    昨日と同じ、名残りの夏の帯。枕元のスマートフォンを手に取る。
    指の習慣は、未読の仕事より先に、NOTEの管理画面へ向かう。数字。
    反応。
    昨夜、紙の上に書き切れなかった身体の名残が、画面の光で、輪郭を取り戻す。
    人脈、という言葉。
    人、という生き物。
    そこに、S先輩が足を運び、TS先輩が一声を乗せ、若い子がURLを覚えた。三つを重ねて一晩で、私の外側の容積が、少しだけ増えたような、鈍い感覚。
    布団の中の体の重さと、イレの一歩目に立つ筆の重さが、まだ、同じ重さに、ならない。
    だから、書き足す。
    長い帰路は、朝になっても、終わらない。


    おわりに

    先輩、ありがとうございます。
    出会いに。
    人に。
    言葉の裏に隠れていた線に。筆致を尽くすまでもなく、わざわざ、参加したの一言が、私の、そして私の外側に広がる見え方と、仕方を、少しだけ揺さぶりました。

    本稿は、かつて別稿として書いていた体験の断片(壮行会の執筆下書きと、帰路の涙のエッセンス)を、一つの日付の中で接ぎ、応募用に長さと文体を揃え直したものです。
    推敲のたび、分量は増減しうる。
    いま、ここに置いた、いちばん長い帰路の記録として。



     
     
    アパレル20年・年5000回以上接客。 「見られる側」(間・順番・場)を販売員・店長向けに。 読み始め3本→読み始めリスト記事 https://note.com/maruyamakunitomo/n/nc7a7bc4ea2f9 本命→固定(有料)。 一日一杯ラーメン。

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