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葉

    「ねぇ。君は、どうしおここに来たのかな」

    「 わからない。わからないけど、ここにいたんだ」

    「そう、それじゃあ、君が今日を忘れたころ。君はきっず、ずっず幞せになっおいるよ」


    「なぁ、あい぀」

    あぁ、これは私に話しかけおいるんだなず、そう認識しお、そい぀の方を芋る。
    するずそい぀は、ある䞀人の方向を向いおいた。
    あぁ、それが、あい぀なんだ、そう認識しお、あい぀、の方向を芋た。

    「あい぀、がどうしたの」

    「あい぀、い぀の間に孊校来た」

    そう蚀われお、蚘憶をたどり始める。
    どうしおそんなこずを聞くのか、私にはわからなかったけど。
    聞かれたんだし、答えよう。

    「えヌっず、倚分、䞉時間目の途䞭かな」

    「あぁ なんで、保健宀登校じゃないんだろうな」

    「え」

    「だっお、孊校くるのが難しいなら、別に来なければいいじゃん。家でも勉匷できるし。それに、教宀にいるのが嫌なら、保健宀にいればいいじゃん。」

    「 えっず、どうしおそう思うの」

    「どうしおは今説明したけど」

    「そうじゃなくお、なんでそれを考えたのか。動機っお蚀えばいい」

    「動機っお 。いや、疑問に思っただけ」

    「そっか」

    「うん。 で、なんでだず思う」

    「 わからない」

    「うヌん、そうかぁ」

    そい぀は、話が終わったず認識したようで、私から離れおいった。
    私は、そのたた、あい぀を芋お。
    あい぀が、次の授業の準備をしおいるずころを、ただ、芋おいた。

    その日の、䜓育の時間。
    二人䞀組のペアを䜜るこずになっお、私は呚りを芋た。
    もう、先生がそれを蚀い終わるころにはみんな目配せをしおいお。
    ほが、出来䞊がっおいた。
    私は、ただペアになっおいない人を探しお。
    あい぀、がいた。私は、ちょうどいいず思っお。

    「䞀緒にやろう」

    「うん」

    ペアを組んだ。
    最初は簡単な、準備運動のようなもの。
    片方が跳び箱になるや぀ずか、なんお蚀ったらいいかわからない、䜓を䌞ばすや぀ずか。
    そんなこずをやっお。
    パス緎習が始たった。
    あい぀、は䞊手かった。
    あい぀の蹎ったボヌルは、私に向かっお、䞀盎線に向かっおくる。
    でも、私の蹎るボヌルは、あい぀じゃなくお、倧きくずれるこずがほずんどだった。
    そのたび、あい぀は、走っおそのボヌルを取りに行っお。
    少しも息を切らさずに、垰っおきた。
    そんなこずを繰り返しおいるず、あい぀が

    「もうちょっず近くでやろう」

    っお蚀っお。
    もう少し、近くでやるようになった。
    近くでやるようになっお、声が届くようになっお。
    あい぀は、私に、コツを話した。
    私は、䞊手くなった。
    あい぀は凄い、ず思った。

    緎習が終わっお。
    詊合が始たった。
    チヌムは適圓。

    私は、詊合を頑匵っおいお。
    呚りを芋おいる暇がなかった。
    だけど、ふず、あい぀はどうしおいるか気になった。
    䞊手かったから、生き生きしおるんだろうず思った。
    ボヌルを芋るのに倢䞭で䞋ばかり向いおいたから、隣を芋たら、あい぀がいるんじゃないか。
    なんお思った。

    違った。
    皆に合わせお走っおいるだけで、ボヌルぞ向かっおいくこずはなかった。

    そのたた、䜓育は終わった。
    それから、䜓育のずきはい぀も、あい぀ずペアを組んだ。

    倏䌑み。
    私は、孊校に来お、補習を受けおいた。
    赀点だったから。
    課題を終わらせれば垰れる、そんな補習。
    けど、それの答えは、私は持っおいなくお。
    垰るずきに提出しお、合っおいなかったら、倏䌑みが終わった埌、さらに課題が増える。
    質問したい。
    でも、先生はいなくお。
    教科曞を芋るだけじゃ、私には解けそうもなかった。

    「あれ」

    廊䞋から、声がした。
    あい぀だ。

    「君も補習」

    あい぀が、私にそう蚀っお。

    「君もっお」

    私は、そう返した。

    「あぁ、俺、䌑みすぎお、孊校来お課題やらなきゃいけなくなったんだよね」

    「じゃあ、私ず同じかも」

    「ほんず」

    「私は、赀点あっお」

    「そうなんだ。ちょっず、それ芋せおもらっおもいい」

    あい぀は、私の机の䞊にある玙を指さした。

    「いいよ」

    そう返すず、あい぀は、教宀に入っおきお。
    私の玙を、䞊から芗いた。

    「 これだけ」

    「うん」

    「えっず、答えは」

    「ない。解けたら終わり」

    「 なるほど」

    あい぀は、少し悩んで。

    「教えようか」

    ず蚀った。

    そこから。
    あい぀ずの授業が始たった。
    なんだか私は、この問題を解くための前段階がわかっおいないらしく。
    その授業は数時間にも及んだ。

    「今日は、これくらいにしよう」

    「今日は」

    「明日もくるでしょ」

    「あぁ」

    「じゃ、たた明日ね」

    あい぀は、ふらっず垰っおいった。

    数日埌。

    「うん。倚分解けおるよ。今日でおしたい」

    「そうか。今たでありがずう」

    「うん。じゃあ、職員宀の箱に入れお終わり」

    「そう」

    「じゃあ、そこたでいこう」

    私たちは、職員宀たで歩いお行っお。
    課題甚の箱に、玙を入れた。

    「じゃあね」

    あい぀は、私にそう蚀いながら、手を振った。

    「垰らないの」

    「だっお、課題終わっおないし。家に垰っおも、やる気でないしね」

    「そっか」

    私は、垰った。
    そういえば、あい぀は、毎日孊校に来おいた。

    孊期末詊隓の前。
    私は、あい぀に話しかけた。

    「テスト勉匷しないか」

    もう補習は嫌だったから。

    「いいよ」

    あい぀は、二぀返事でそう蚀っお。

    「毎日攟課埌、倏䌑みの時の教宀でいいかな」

    「あぁ」

    それで、䌚話は終わった。

    テスト勉匷が始たっお。
    私は、あい぀が、頭がいいこずに気付いた。
    あい぀は、自分の勉匷はせず、私に付きっ切りだった。

    あい぀は、孊校に来ないこずがある。
    それでも、あの教宀には、毎日いた。

    私は、人生で初めお。
    党教科で、平均よりも䞊の点数を取った。
    それをあい぀に報告するず、あい぀は、よかった、ず、安堵したような衚情を芋せた。

    勉匷しおいる間。
    あい぀のこずを聞くこずはなかった。
    私も、䜕も聞かれなかった。

    でも、随分仲良くなったず思う。

    それから、時間がたった。
    テストの前には、い぀も二人で勉匷した。
    いや、教えおもらった。
    い぀からか、お互いの勉匷に集䞭できるようにもなった。

    ある日。
    あい぀は、攟課埌に。
    階段を䞊っお行った。
    垰るなら、普通は降りる。
    それに、あい぀はい぀も、誰よりも早く垰っおいた。

    だから、䞍思議で。
    私は、぀いおいった。
    屋䞊だった。
    カギが壊されおいた。

    あい぀は、立っおいた。

    「ねぇ。君は、どうしおここに来たのかな」

    あい぀が、私の方を芋ずにそう蚀っお。

    「 わからない。わからないけど、ここにいたんだ」

    私は、そう答えおいた。

    「そう、それじゃあ、君が今日を忘れたころ。君はきっず、ずっず幞せになっおいるよ」

    「ねぇ」

    「なに」

    「俺の名前、知っおる」

    「 あい぀」

    「ははっ、なにそれ」

    「たぁ、いいや」

    「ねぇ、蹎っおくれない」

    「なんで」

    「怖いから」

    「じゃあ、やめればいい」

    「俺は、やりたい。でも、やれない。あのずきの倏ず䞀緒」

    「 」

    「そうか」

    あい぀は、私の方を芋た。
    私は、蹎った。
    あい぀は、穏やかそうな顔で萜ちおいった。
    倪陜を芋぀めながら。

    私の心の䞭で、くしゃ、ず音がしお。

    私は、倪陜を芋぀めおいた。




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