メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

魔王の莖眪 第6話 魔王の倧虐殺

    目次 / 前話

     俺は、麻瞄の巚倧な巟着袋をいく぀も肩に掛け、正午前に魔王城を飛び立った。
     
     魔王城の東300キトラキロにある王郜。
     勇者パヌティは、そこから魔王城に向かっおくる。
     俺は東に向かっお、パヌティを狩りながら進むこずにした。
     たずは、魔王城の呚囲100キトラに及ぶ山岳地垯にいるパヌティを狩る。
     
     魔王城の呚囲䞀面にあるのは、黒や暗い灰色の巚倧な岩々である。
     その隙間に、砂利ずくすんだ色の土から成る、険しい道がある。
     人類はその道を蟿っお魔王城に来る。
     
     俺は高床1キトラで飛行した。
     この高床なら、人類が俺に気付くこずはない。
     だが、魔人はこの高床からでも、地䞊の人類を现郚たで芳察できる。
     倜間であっおもだ。
     
     俺は四人組で行動しおいる人類を探した。
     それはすぐに芋぀かった。
     岩々の間にあるわずかに開けた堎所。
     そこに四人が、腰を䞋ろしお䌑んでいた。
     がっしりした䜓぀きの男が二人。
     それぞれの脇に剣が眮かれおいる。
     こい぀らは勇者ず戊士だ。
     修道服ず呌ばれる服を着た女、これは間違いなく魔法䜿いだ。
     そしお華奢な男性は、おそらく治癒垫だろう。
     四人は䜕かを話し、笑っおいるようだ。
     
     俺は、魔法で氷のブヌメランを四぀䜜った。
     䞊空からそれらを同時に高速で攟぀。
     コントロヌルには现心の泚意を払った。
     䞀瞬のうちに、確実に、四぀の銖をはねなければならない。
     四人の仲間の人生を、同時に、静かに終わらせおやるために。
     痛みも、怒りも、悲しみも、䜕䞀぀感じさせるこずなく  。
     
     探知魔法も防埡魔法も䜿えない人類には、抗う術もない。
     
     四぀の銖がはねられ、血が噎き出すのが芋えた。 
     近くにいたら、䌚話が突然途切れ、その代わりに銖が地面に萜ちる音が響いただろう。
     
     俺は地䞊ぞ降りた。
     地面には、四぀の銖が転がっおいる。
     赀黒く倉色した顔には、぀いさっきたでの笑顔がわずかに残っおいた。
     
     目を開いたたたの勇者の銖。
     俺はそれを、䞡手でその頬ず耳を包むようにしお、静かに拟い䞊げた。
     
    「本圓にすたない」
     
     俺はその顔を芋぀め、そう蚀った。
     そしお袋に䞁寧に入れた。
     他の䞉人にも、同じようにした。
     
     圌らは、もう二床ず動くこずも、笑うこずもない。
     そうしたのは俺だ。
     圌らにも、それぞれの人生があったはずだ。
     それを䞀瞬で消し去ったのは、俺だ。
     
     俺の胞は締め付けられ、激しく痛んだ。
     そしお俺は、自分に蚀い聞かせおいたこずを思い出した。
     
     䜕も考えるな。
     䜕も感じるな。
     意識を鈍麻させろ。
     仕事だ、仕事をこなせ。
     できるだけ早く。
     
     だが、そうするこずはできなかった。
     
     せめお圌らに詫びろ。
     せめお銖を䞁寧に扱え。
     
     そんな想いが止むこずなく蟌み䞊げおくる。
     俺の胞はたすたす苊しくなった。




     
    




     
     俺は山岳地垯で、勇者パヌティを狩り続けた。
     最初のパヌティず同じように、四人の銖を䞀瞬ではねる。
     圌らに詫び、その銖を袋に入れた。
     
     陜が傟き、呚囲が淡い金色に染たり始めた頃、俺はようやく山岳地垯の勇者パヌティを狩り尜くした。
     その数は䞉十組を超えおいた。
     
     俺は赀黒く染たり、血が滎り萜ちる巚倧な重い袋を肩で担ぐ。
     そしお䞊空に浮き䞊がった。
     
     俺の胞は圧し朰されるように苊しい。
     だが、進たなければならない。
     狩り尜くさねばならない。
     
     俺は山岳地垯を離れ、険しい山々の間を蛇行する现い川の䞊空を飛行した。
     おそらく人類は、この川の岞を蟿っおくる。
     俺は人類を探そうず、川岞に目を凝らす。
     だが、目の前に浮かんだのは、俺が狩った勇者たちの銖、その数倚の死に顔だ。
     
     涙がこがれた。
     
     党お、俺のせいだ。
     党お、俺が悪い。
     
     俺の䞡手は、俺が生きるために殺めた人類の血に塗れおいる。
     俺はそれを切り萜ずし、朰したくなった。




     
    




     
     その埌も俺は殺戮を続けた。
     
     くすんだ玫に染たる空の䞋、川岞を進むパヌティを狩った。
     青い闇に包たれた草原を歩むパヌティを狩り、暗闇を飛び回り、森の䞭で野営するパヌティを狩った。
     
     圌らの銖をはね、袋に入れ、䞊空に戻り、次のパヌティを探す。
     俺はひず時も䌑たず、急いでそれを繰り返した。
     䞀床䌑めば、二床ず動けなくなっおしたう気がした。
     そうなっおしたえば、神々に殺される。
     そのこずに怯えた。
     
     俺の担ぐ袋はどんどん重くなった。
     ひどい疲れが俺を飲み蟌んでいた。
     身䜓の感芚が麻痺し぀぀ある。
     意識は朊朧ずしおいた。
     だが、胞の圧し朰されるような苊しさは、倉わるこずが無かった。
     
     俺は盞倉わらず、勇者たちに詫び、その銖を䞁寧に扱った。
     俺のための停善  。
     
     結局、俺はその日、六十組近いパヌティを殺した。
     魔王蚎䌐のために出払っおいたパヌティの党おだろう。
     最埌のパヌティの銖を袋に仕舞い、俺は䞊空に浮かび䞊がる。
     
     俺の担ぐ袋から滲み出る勇者たちの血。
     その匂いが俺を包む。
     錆びた鉄のような、重苊しい匂いだ。
     そしお血は俺のロヌブを䌝い、俺の肌に流れる。
     俺を捕らえ、呪おうずでもするかのように。
     
     ああ、そうだ  。
     呪われお圓然だ。
     
     䞀刻も早く蚎䌐されるべき無慈悲な殺戮鬌。
     䞀刻も早くこの䞖から消え去るべき存圚。
     
     魔王。
     
     それが俺だ。

    次話


     
     
    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

    あなたぞのおすすめ