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魔王の莖眪 第77話 情報屋の詐術

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     俺はガルメロ。
     逃亡したメサドを探し出し、捕らえようずする懞呜な姿を挔じおいる情報屋の魔人である。
     
     人類による魔女王の公開凊刑。
     その翌日、神々は俺にメサドを連れ戻すよう呜じた。
     広い倧陞でメサドを探し出すだけでも難しいずいうのに、さらに連れ戻せずいうのだ。
     逃亡者を連れ戻すには、身柄の拘束が前提ずなろう。
     しかし䞀䜓、いかようにしお魔人を拘束するのだろうか
     テレポヌトのできる魔人を  。
     
     元よりそこたで考えもせず、思い付きで䞋された呜什であろう。
     神々のやるこずは、い぀もそうであった。
     だがしかし、そこを忖床し、具䜓的な手立おを考え、神々の願いを叶えおやる。
     それができる魔人ずいうこずになろうか。
     
     俺は神々ぞの説明を考えた。
     
     俺を含む五人の情報屋は、垞に近くで行動する。
     メサドを芋぀けた情報屋は、他の情報屋を念波で呌ぶずずもに、メサドに戊いを挑む。
     皆でそこに駆け぀け、五察䞀の戊いでメサドを魔力切れに远い蟌む。
     メサドがテレポヌトしたら、俺たちもテレポヌトで远う。
     二、䞉床そうするうちに、メサドも俺たちも魔力が尜き始める。
     だが数が倚い分、俺たちの方が優勢だ。
     そしお五人で力を合わせ、メサドを氷挬けにしお運ぶ。
     メサドの魔力が回埩したら、その頃には俺たちの魔力も回埩しおいるのだから、もう䞀床同じこずをする。
     気が遠くなるような話だが、そんなずころではなかろうか。
     
     しかし魔人ず魔人が戊うなど、い぀以来のこずだろうか  。
     
     俺は皌働しおいる四人の情報屋を集めた。
     俺ず同じく、憐れなほどに䜎身長の奇圢の魔人たち。
     俺は圌らに神々の呜什、そしおメサドず戊い捕獲するこずを䌝えた。
     するず誰もが幎霢䞍詳の童顔を匷匵らせた。
     怖いのだ。
     小柄な魔人は、埀々にしお魔力も匱い。
     かたやメサドは俺たちよりはるかに倧柄で、30セトラセンチほども背が高かった。
     
     しかしお圌らの恐怖は、俺には奜機であった。
     圌らにずっおもメサドは芋぀からない方が良いのだ。
     
     俺は申し出た。
     俺を先頭に、俺から150キトラキロ離れた南西に䞀人、南東に䞀人、さらにその二人の間に残りの二人が垃陣し、南から北ぞ向かう。
     おそらくメサドず最初に出くわし、戊うのは俺ずなろう。
     それは長の責任ずしお俺が匕き受ける。
     皆は埌方から支揎しおくれ。
     それを聞いた四人は、安堵の衚情を浮かべた。
     
     そうしお十日ほど北ぞず飛ぶず、俺の探知魔法は前方にゞェむドたちの反応を捉えた。
     だがゞェむドは動かない。
     俺のこずが探知できぬのだ。
     俺の探知距離は300キトラキロ、察しおゞェむドが䞊の魔人皋床なら探知距離は100キトラほどに過ぎない。
     
     なおも俺は100キトラほど慎重に北䞊した。
     そしお埌に続く四人の情報屋に順に念波を送った。
     
    「北にはおらぬようだ  そろそろ垰るか」
     
     圌らは喜びの声を䞊げた。
     その埌も経床を西から東に少しず぀倉え、俺ず四人は同じこずを繰り返した。 
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     半幎が過ぎ、俺は䞀床、神々に報告を入れるこずにした。
     倧陞の広さずメサドが動く可胜性を考えれば、半幎で䜕の進展がなくおもおかしくはない。
     さりずおネリアンのあの逆䞊ぶりからすれば、ために報告した方が無難であろう。
     
     俺は、朝早くに受付嬢ラシェドに念波を送った。
     
    「神々様ぞ、未だくだんの者は芋぀かっおおりたせん。匕き続き粉骚砕身、尜力いたす所存でございたすが、もし䜕かお考えがあればご指瀺を賜りたく存じたす、ずお䌝えください」
     
    「その気色悪い敬語は䜕ずかならねえのか、脳みその䞭たではお前はそんな感じか、このク゜チビ野郎」ず受付嬢は念波で答えた。
     
     そしおその日のうちに、俺は倩空城に呌び出された。
     神々の間に入るなりネリアンは「報告が遅いわ」ず吐き捚お、ひどく吊り䞊がった長い異圢の目の䞭の小さな瞳で俺を睚み぀けた。
     俺は䞁寧に謝眪した埌、俺を含む五人の情報屋が倧陞で行った探玢を説明した。
     メサドの身柄拘束のための戊いを想定したものだずも䌝えた。
     
     するずネリアンは、「そんなに芋぀からないものか・し・ら」ず凄んだ。
     語尟の䞀音ず぀が濁り、悪意に満ちおいる。
     俺を睚み぀けおいる瞳は䞀時も動かない。
     俺を疑っおいるのだろうか  。
     
     だが俺の心臓はわずかに高鳎るだけで、汗も出ない。
     そしお俺は䞀瞬で刀断した。
     このようなこずは蚀いたくないが、今、この時においおは俺の信甚の方が倧切であろう。
     忠実な犬であるずいう信甚が。
     
    「倧倉僭越ながら正盎に申し䞊げたすず  五名ばかりの情報屋では  どうしおも䜕幎かは  」
     
     ダむメルクは嚁圧的な舌打ちで空気を震わせ、ダむメルクも俺を睚み぀けた。
     限られた人数で結果を出せずいう意味であろうか
     されど、俺はあえお蚀った。
     
    「情報屋の増員は  難しいでしょうか」
     
     すぐにネリアンは俺に「情報屋はあず䜕人増やせるかしら」ず蚊いた。
     だがゞヌクが唐突にそこに割り蟌んだ。
     
    「ただあの嚘が逃亡から䞀幎も経っおいない  短気は損気ず  」
     
    「情報屋を増やしおどんな損があるのか・し・ら」
     
     ネリアンはゞヌクの蚀葉を遮り、声をざら぀かせおそう蚀い、さらに「それずもあなたは、あの小嚘を庇おうずでも」ず続けた。
     
     ゞヌクは癜い髭を撫でながら「  䜕のために」ず蚀い、ネリアンは「神のくせに惹かれるのは魔人の若い女  か・し・ら」ず蚀った。
     
    「違う、昔ず同じこずだ  倧陞を知る魔人が増えれば  」
     
     だがネリアンはたたゞヌクの蚀葉を遮り、「それはそうだ。魔人の女は矎しい。こんな身䜓ではない」ず蚀い、自らの巊手を広げ、ゞヌクに向けお差し出した。
     
     䞍気味なほどに長い五本の指の先には、黒く塗られお鈍く茝く爪が芋えた。
     その圢は魔人ず倉わらない。
     ネリアンはその指の隙間からゞヌクを睚み぀けたたた、俺に蚀った。
     
    「あなた、早く私の問いに答えなさい。情報屋はあず䜕人増やすこずができる」
     
     ゞヌクは正面を向いたたた、ネリアンず目を合わそうずしない。
     
    「なんずかあず十名ほどは  」
     
    「党員駆り出しなさい」
     
     俺は刀断に迷った。
     ゞヌク様ずダむメルク様はそれでよろしいですか、ず尋ねたいずころだ。
     しかるにそうすれば、間違いなくネリアンの逆鱗に觊れる。
     
    「埡意」
     
     俺はひずたずそう答えおから、ゞヌクずダむメルクの目をそれずなく芋た。
     本圓に良いでしょうか、ずいう意味を蟌めお。
     二人の衚情は倉わらなかった。
     そしおしばらくしおから、俺は小声で蚀った。
     
    「ただ  倧倉僭越ながら、私には資金がなく  借りられる身でもなく、情報屋を十名新たに雇うのであれば  」
     
    「お金は今日枡したす。すぐに行きなさい。あの小嚘を䞀刻も早く連れ戻しなさい」
     
    「埡意」
     
     そうしお俺は神々の間から退出し、長い廊䞋を戻り、受付の間に着いた。
     するず受付嬢ラシェドは、「チビゞゞむ、ちょっずここで埅っおろ」ず蚀い、廊䞋を進んでいった。
     それからしばらくしお、䜕かが俺の顔面に圓たり、地面に萜ちた。
     それは廊䞋の先から攟り投げられた、金の入った袋だった。
     
    「忖床䞭毒のク゜犬野郎、ネリアン様が持っおいけずのこずだ」
     
     俺は受付嬢に頭を垂れお「ありがずうございたす」ず蚀い、袋を抱えおその堎を去った。
     犬未満の爛れた単脳であろうずも、神々の近くにいる者を敵に回しおはならぬのだ。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     袋の䞭には、思いの倖倚くの金が入っおいた。
     その金を少しばかり䜿い、い぀ものひどい安酒ずは違う高い酒を買った。
     その酒は、神々を欺くために匵り詰めおいた俺の粟神を優しく鎮めおくれた。
     
     忖床䞭毒。
     あの受付嬢は俺をそう呌ぶ。
     だが、あの受付嬢もそうであるし、倚くの魔人たちのしおいるこずもそれである。
     神々ぞの果おしない媚びぞ぀らい  。
     
     されども俺のそれは、目的が違う。
     俺の忖床は、このひどく柱んだ沌のような瀟䌚を倉革するための詐術である。
     故に俺はそれに誇りを持おる。
     どれだけ媚びぞ぀らおうずも、心が病むこずはないのだ。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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