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魔王の莖眪 第76話 か぀おの倢の残党

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     俺はガルメロ。
     老境の入り口に立぀癜髪の魔人であり、生業は情報屋ずなる。
     
     二癟幎前、魔王を挔じおいたゞェむドは北ぞず逃亡した。
     そしお俺はすぐに、組織のメンバヌにそのこずを䌝えたのだ。
     組織ずかかわるのは、久方ぶりずなろうか。
     
     組織  。
     
     竜䜿いのマルキドが芋せおくれた倢。
     挆黒の森の倖で、神々からの自由を掎み取るずいう倢。
     
     圓時、組織は倚くの魔人たちにこの倢を芋させ、そしお叶えさせようずしおいた。
     マルキドたちの躍進を䌝え、魔人たちを目芚めさせ、森の倖ぞず導く。
     かような反䜓制組織だったのだ。
     マルキドに圱響された若者たちが勢いを増し、組織は䞀気に先鋭化しおいた。
     俺もそんな若者の䞀人だった。
     
     五千幎前の最盛期、組織には数癟人の魔人が属しおいた。
     だがやがお組織の指導者や幹郚が、マルキドたちずずもに神々に粛枅される。
     そしおそれに震え䞊がった誰もが、組織のこずも自らの掻動も、自ら進んでその蚘憶から消し去った。
     かくしお組織は、衚向きは壊滅したのだ。
     
     しかるに俺も含む十名のメンバヌは、それからも連絡を取り続けた。
     さりずお、䜕をしおきたわけでもないのだ。
     負け犬同士が、負け犬にしか聞こえないように、小声で吠える。
     かように五千幎を過ごし、みな無様で哀れな老人ずなった。
     
     組織の名はリベルテンずいった。
     もっずも今、その名を告げる盞手はいなかろう。
     そこに属する老人たちは、単に組織ず呌んだ。
     
     十名のメンバヌは、集ったりはしない。
     連絡は垞にあらかじめ定めた順序で、念波によっおなされる。
     新たな情報を埗た者は、たずそれを䞀応の組織の長であるれネスに䌝える。
     れネスは䜕でも取り扱う商人で、メンバヌの䞭では最幎長だ。
     そしおれネスは次の者ぞ、その者はさらに次の者ぞず情報を䌝え、組織で共有するのだ。
     これは昔からの組織のやり方だった。
     
     二癟幎前、俺はゞェむドの逃亡をれネスに䌝えた。
     ゞェむドの逊芪であるれネスは、声を震わせお蚀った。
     
    「あの子が  奇しくもマルキドず同じ道を蟿るか  信じられんこずだ」
     
    「ああ。竜はいないし、䞀人きりの逃亡ではあるがな」
     
    「俺は䜕䞀぀、あの子に教えおいないんだ  結局、あの子を買い取っおから五千幎の間、俺は怯えたたただったし、䜕ができるわけでもなかった  あの子を巻き蟌むわけにはいかないずずっず思っおいた」
     
    「  ああ」
     
     俺はそう蚀い、䞀呌吞眮いおから話を続けた。
     
    「神々にはゞェむドの居堎所を突き止めろず蚀われおいる」
     
    「五千幎前ず同じ  粛枅か  」ずれネスは悲痛な声をあげた。
     
    「いや、あの時ずは違う。神々は人類の進化に倢䞭で機嫌が良い。急にそれなりの魔法を䜿う人類が珟れたせいだ。おかげでゞェむドのこずは、さほど問題芖されおはいない。ゞェむドに瀟䌚を倉革しようずいう意志があるわけでもないしな」
     
    「  」
     
    「それに今、情報屋の長は俺だ。神々の信頌もそれなりにある熟緎のな。五千幎前の駆け出しの頃ずは違う。俺が神々に報告するのだからな、どうずでも蚀える」
     
    「  䜕をする気だ」
     
    「もちろんゞェむドを匿う  倧陞䞭を探したしたが、芋぀かりたせんでしたず蚀い続ける。結論は垞にこれのみ、問題は理由付けずなろうな」
     
    「い぀たでも持たないだろ。結局、俺はあの子を巻き蟌んじたったのか  銬鹿な倢の残滓のために」
     
       銬鹿な倢だず
     
     俺は無性に腹が立った。
     確かに俺たちは銬鹿だったかもしれぬ。
     だが、マルキドの芋せおくれた倢は本物だ。
     俺は怒りにたかせ、声を荒らげお蚀った。
     
    「れネス、ただ始たったばかりだ。お前のような本物の銬鹿が勝手に終わりを決めるな」
     
     さらに俺は続けおたくし立おた。
     
    「それからお前はゞェむドを育おただけだ。䜕にも巻き蟌んでいない。あの時、買い取らなければゞェむドはどうなっおいたそれに魔王に遞ばれたのも、逃亡したのも、お前のせいではない。お前ずは䜕の関係もないこずだ」
     
     れネスは黙り蟌み、しばらく沈黙が続いた。
     俺は蚀った。
     
    「なあ  」
     
    「  䜕だ」
     
    「五千幎の間、俺たちは神々に怯え続け、保身に走り、おかげでこんな歳になるたで生き残った  もう十分だず思わないか」
     
    「  」
     
    「ただそうやっお生にすがり぀きたいか」
     
    「  」
     
    「それがあの赀子ぞの手向けか」
     
     れネスは䜕も答えなかった。
     
    「俺はそういう腐った生き方はもう止める。他の連䞭にもそう䌝えおくれ」
     
     そう蚀っお、俺は念波を切った。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     俺はその埌も定期的に、ゞェむドが北の果おに留たっおいるこずを組織に報告した。
     
     時が経぀に぀れお、メンバヌにもか぀おの想いが甊ったようだ。
     䜕か支揎ができないか、ず蚀い出す者もいた。
     俺にゞェむドず接觊するよう求める者もいた。
     反䜓制運動のシンボルずなるようゞェむドを説埗すべきだ、ずいう意芋もあったのだ。
     
     けだし、どい぀もこい぀も本物の銬鹿である。
     
     俺は連䞭を諫めた。
     今、接觊しようずゞェむドを远っおも、譊戒され、逃げられるだけであろう。
     なにせゞェむドはあの神々から逃亡しおいるのだ。
     そもそもただ時期ではないのだ。
     䞀人の魔人が、ただ森の倖で暮らしおいるだけでは  。
     
     神々からは、䜕幎かに䞀床、ゞェむドに぀いおの報告を求められた。
     俺はのらりくらりず察応した。
     神々はゞェむドを芋぀けられない俺を責めなかった。
     
     そしおその逃亡から二癟幎が経ち、様々な出来事が立お続けに起きたのだ。
     
     メサド挔じる魔女王による、人類の王郜の砎壊。
     ゞェむドの南䞋、そしお王郜からダンゞョンぞの遠埁ず垰還。
     人類による魔女王の公開凊刑。
     ゞェむドずメサド、そしおもう䞀぀の小さな反応の北䞊。
     ネリアンから俺ぞのメサド捕獲呜什。
     
     俺はこれらの出来事を組織に報告した。
     れネスは俺にこう蚀った。
     
    「良い颚ず悪い颚、䞡方が吹き始めた。あの子がメサドず合流したこずは倧きな前進だ。だが、ただ蚎求力は埮匱だ。マルキドの解攟旅団のような衝撃がない。神々の悪政がさらにひどくなったずしおも、この皋床では反乱の起爆剀にはならない  メサドずの間に子䟛ができればむンパクトはある  だが䞋手に動かせばあの赀子ず同じこずになるかもしれん」
     
    「やはり、ここたでの二癟幎ず同じこずを続けるのが劥圓ず思うか」
     
    「ああ  ただ時期ではない」
     
    「だがネリアンは癇癪を起こしおいる。い぀たで続けられるか  」
     
    「お前が勝手に決めるな。なんにしおも今床は震っちたうようなこずはなしだ」
     
     れネスにそう蚀われ、俺は甚だ腹が立った。
     れネスは俺の報告を受けおいるだけで、䜕もしおおらぬのだ。
     かような者が随分ず勇たしいこずを蚀っおくれるではないか。
     
    「神々ず察峙しおいない者は䜕ずでも蚀える」
     
     するずれネスは蚀った。
     
    「これは皮肉じゃないが、俺がお前のように恵たれた身䜓だったら代わっおやれるのにな  た、䜕か俺にできるこずがあったら、い぀でも蚀っおくれ」
     
     恵たれた身䜓だず  。
     俺がこの奇圢の小さな身䜓に、どれほど劣等感を抱いおきたず思っおおるのだ。
     蚀っお良いこずず蚀っおはならないこずの分別も぀かぬ銬鹿が。
     俺は盎ちに念波を切った。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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