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魔王の莖眪 第63話 新しい嘘

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     ルドルフが俺を斬ろうずした時、メサドが「埅お」ず蚀った。
     匷く、萜ち着いた声だった。
     そしおメサドはゆっくりず、扉の前からこちらに向かっお歩き始めた。
     アレクセむが同行しようずしたが、それを手で制した。
     アレクセむはしばらくメサドを芋぀め、結局、扉の前に留たった。
     
     ミネルバは立ち䞊がり、メサドず向き合った。
     メサドずミネルバでは頭䞀぀ほど背䞈が違う。
     俺からはミネルバの埌ろ姿ず、ミネルバに近づくメサドの䞊半身が芋えた。
     やがお二人は近距離で向かい合った。
     メサドは蚀った。
     
    「  お前たちの同胞をたくさん殺しお  すたない  私を殺したいずいう気持ちは  痛いほど分かる  私は子䟛たちも倧勢殺した。私があの子たちの母芪なら、間違いなく私を殺す  本圓にすたない」
     
     そう蚀った埌、メサドはミネルバに向かっお深々ず頭を䞋げ続けた。
     おそらくミネルバは、恐ろしい圢盞でメサドを睚み続けおいるのだろう。
     長い間、誰も話さなかった。
     
     そしおこの沈黙はどれだけ続くのだろうず思った時、メサドは顔を䞊げ、口を開いた。
     
    「  だが  私は  私は  アレクセむず生きたい  アレクセむの子䟛を産みたいんだ  もう二床ず人類は殺さん  だから  どうか  赊しおくれ」
     
     メサドがひどく震えた声でそう蚀い終えた盎埌、ミネルバが右手を振り䞊げ、力䞀杯にメサドの頬を匵った。
     
    「ふざけるな力が匷ければ䜕をしおも赊されるのか死んでいった人たちの、遺された人たちの苊しみは、悲しみは、怒りは、無念は、どうしたらいい私たちはお前を赊すためにここたで来たのか力なき者はい぀も匄ばれるだけか」
     
     ミネルバは倧声でそう叫んだ。
     背䞭を震わせお激昂しおいた。
     その震えは党く止たらず、次第に倧きくなった。
     
     それからミネルバは䞍意に「お前に焌かれお死んだ教䌚の仲間たちは  私を育おおくれたシスタヌたちは  二床ず  」ず小声で蚀い、そこで蚀葉を詰たらせお泣いた。
     そしお「お前を芋逃しお誰が玍埗できるものか」ずわめくように叫んだ。
     
     その埌は誰も話さなかった。
     メサドずミネルバは向かい合い、立ち尜くしおいた。
     広間にはミネルバの静かな泣き声だけが聎こえた。
     長い時間が経ち、その泣き声が止んだ埌、メサドが萜ち着いた声で蚀った。
     
    「私に考えがある」
     
    「  聞きたくない」ずミネルバが小声で蚀った。
     
    「頌むから聞いおくれ  お前たちが倚くの人類の前で私を殺すんだ」
     
    「  どういうこずだ」ずミネルバが蚀った。
     
     メサドは俺に「お前は人類の前でテレポヌトしたこずがあるか」ず蚊いた。
     
    「さっきが初めおだ」
     
    「ずいうこずは、魔人がテレポヌトするのを知っおいるのは、ここにいる人類だけだな」
     
    「ああ、゚ミリアたちにも  蚀っおいなかったず思う」ず俺は答えた。
     
     それからメサドは淡々ず、時に考え蟌みながら、圌女のプランを説明した。
     四人を刺激しないようにしたのか、静かな口調で淡々ず。
     よくこんなこずを思い぀くものだず俺は思った。
     俺の挔じおいた魔王の最期ずはスケヌルが違う。
     
     プランを聞き終えたシュルツずルドルフは、無蚀のたた怒りに震えおいた。
     サリ゚ルは座り蟌み、ずっずう぀むいおいた。
     俺は、誰ずも目を合わせないでいた。
     誰も口を開かなかった。
     
     そんな䞭、アレクセむがミネルバにゆっくりず近づいた。
     そしお「メサドなりの償いだ。挔じさせおやっおくれ」ず蚀うなり膝を぀き、ミネルバに頭を深く䞋げた。
     暪にいたメサドもそれを真䌌た。
     
    「冗談じゃない。僕はそんな芝居をするために勇者になったんじゃない」
     
     シュルツが倧声でそう蚀った。
     だが、アレクセむに「なら、僕たちはこのたた逃亡した方が良いか」ず問われるず、シュルツは答えに窮した。
     アレクセむは続けた。
     
    「それに魔人殿が蚀った通り、倧祖アレクこそ  やはりそうだったのだ」
     
    「  僕たちもみんな  倧嘘぀きか  」
     
     シュルツはそう蚀っお、握っおいた剣を攟り投げた。
     剣は地面に散乱しおいた氷柱の砎片に圓たり、カランずいう音を立おた。
     
     ルドルフは二本の剣で宙を裂き、「くそったれが、郜合の良いこずばかり蚀いやがっお  魔女王をぶっ殺しおやるよ  ああ  ズタズタにな」ず蚀った。
     
    「あヌあ、掟手に焌いおやるしかないかぁ  しょヌもなっ」ずサリ゚ルは぀ぶやいた。
     
     ミネルバは身䜓を震わせお䜕床も深く息を吞った埌、抌し殺したような声で蚀った。
     
    「わかりたした  優しき魔人はあなたを殺す気がない  今の私たちだけではあなたには到底及ばない  さらにアレクセむ殿たであなたの偎にいる。今はそうするしかありたせん」
     
     そしおミネルバは、ぞっずするような冷たい声で続けた。
     
    「  けれど  これから先、私たちが、あるいは私たちの子孫が  お前を必ず本圓に殺す  お前が殺した子䟛たちずずもに、お前を呪い尜くし、お前をこの䞖界から、完党に、跡圢もなく消し去る  お前の子䟛も道連れにする  」
     
     俺たちに背を向けたたたのミネルバの顔は芋えない。
     ミネルバは今、どんな衚情をしおいるのだろうか  。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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