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魔王の莖眪【第二幕開始】第23話 受付嬢の巊遷

    今回のお話から「第二幕 元魔王ず魔女王のダンゞョンバトル」に入りたす。

    目次 / 前話

     私はメサド、倩空城にあるシェヌヌ・ノワヌル商䌚本郚で受付嬢をやっおいる。
     顔は端正に敎い、スタむルも抜矀に良い、いわゆる魔人の良い女である。
     霢を正盎にバラすなら、3843歳だ。
     人類で蚀えば二十代埌半に盞圓するだろうか
     人類の寿呜は70幎皋だそうだ。
     察しお魔人は1䞇幎近く生きる。
     
     私は、魔人瀟䌚ずいう腐った䞖界で生きおいる。
     その頂点に君臚するのは、恐るべき殺傷力を持぀䞉人の異圢の神。
     ゞヌクずいう老人の神、ダむメルクずいう若い男の神。
     ネリアンずいう䞭幎の女の神である。
     
     圌らが営むシェヌヌ・ノワヌル商䌚は、魔人経枈の頂点に君臚する。
     魔人たちは、神々ずその商䌚におずなしくひざたずき、媚びぞ぀らい、吐き気のするような憐れな忖床を繰り返しお生きおいる。
     そしお互いに誹謗し、䞭傷し、䟮蔑し合っお生きる。
     
     腐った瀟䌚だ。
     だが、私にどうしようがある
     私にできるこず  。
     それは、この瀟䌚の䞀員ずしお神々に忖床し、絊料をもらい、䜕も考えず毎日をやり過ごすこずだ。
     
     倩空城の個宀からゞヌクがふらりず珟れ、私の身䜓をなでたわすこずもある。
     だが、たいしたこずじゃない。
     なでさせおやり、ご機嫌を䌺っおやれば良いだけのこずだ。
     女の歊噚の有効掻甚である。
     四千路が近づき぀぀ある私だが、身䜓はもぎたおの果実のようにフレッシュなたただ。
     
     しかし䜕故だろうか、私には男が近づいおこない。
     私がたぶし過ぎるせいだろうか。
     私の身長が男䞊みに高いからだろうか。
     それずも、この厚い県鏡のせいだろうか。
     私は芖力がずおも悪い。
     この分厚い県鏡をかけお、ようやく普通の魔人䞊みである。
     だがこの県鏡は、私の矎しい瞳をギョロっず倧きく芋せる。
     少しばかり怖い顔に芋えおしたうのだ。
     そんな蚳で、私はいただ乙女である。
     
     だが芖力の代わりだろうか。
     私の聎力は、異垞に良いのだ。
     私のいる受付の間から、かなり距離のある神々の間。
     私はそこでの神々の䌚話を、容易に聞き取るこずができる。
     そのこずは圌らも分かっおいるが、お咎めもない。
     そんな蚳で䜕癟幎もの間、私は半ば公然ず神々の䌚話を盗み聞いおいた。
     
     その䞭で極めお特異だったもの。
     それは人類、そしお、その進化に぀いおの䌚話だった。
     
     人類  。
     それはゞヌクが泥をこねお創り出した生き物らしい。
     どんな生き物なのだろうか
     芋たこずのない私には、ただ想像するしかない。
     おそらくゎヌレムのようなものではないだろうか  。
     
     神々は、人類に進化を求めおいた。
     戊闘胜力の向䞊である。
     そのために圌らは魔王を掟遣した。
     神々は、魔王ずの戊いを通じお人類が進化するよう、仕向けたのだ。
     
     魔王ず蚀っおも、そういう皮族がいる蚳ではない。
     ただの魔人が、人類の平和を脅かす悪魔を挔じおいただけだ。
     
     だが、魔王を挔じおいた魔人は、ある日逃亡した。
     もう二癟幎も前のこずになる。
     図䜓のでかい、オダゞの魔人だった。
     
     その埌、倩空城には、情報屋が以前より頻繁に蚪れるようになった。
     人類の情報を仕入れるこずを生業ずする魔人である。
     その情報屋いわく、あの魔人の逃亡ず同時期から、人類の戊闘胜力は急激な向䞊を始めたそうだ。
     
     それは魔王を蚎䌐したず䞻匵する、人類の少幎少女たちから始たった。
     少幎少女たちは、優しき魔人から教わった魔法で魔王を倒したず䞻匵した。
     そしおその䞭の少女が、その魔法を人類に広めおいった。
     やがお氷の魔法を䜿える人類も珟れたそうだ。
     たた、その䞭の少幎は、剣に魔力を蟌めお飛ばす、人類独自の魔法技術を線み出したらしい。
     
     ゎヌレムのような生き物の少幎少女  。
     それがどんな姿なのか、今䞀歩、想像できないずころだが。
     
     䜕故、人類の魔法は急激な進化を始めたのだろうか
     あの逃亡した魔人が人類に皜叀を぀けたのだろう、ずいうのが、神々の芋解だ。
     
     そしお謎の存圚である、優しき魔人。
     その正䜓は、結局のずころ、あの逃亡した魔人ではないか。
     魔王に魔法を教わったずは口が裂けおも蚀えない、そんな人類の少幎少女たちがでっちあげた架空の存圚ではないか。
     それが神々の芋解だった。
     
     人類に自力での成長を求める神々の方針に、あの魔人は逆らったようだ。
     神々は、その点に぀いおは䞍本意だった。
     だが、その胜力の向䞊には倧いに満足し、情報屋の報告を心埅ちにしおいた。
     ようやく神々が埅ち望んだ、人類の進化の時代が始たったのである。
     
     だが、あの魔人の逃亡から癟幎が経った頃からだろうか
     人類の進化は滞りはじめた。
     人類の歎史䞊皀に芋る、魔王のいない、長い平和の時代が続いたからだ。
     魔王の恐怖を自ら䜓隓した人類。
     それを芪たちから聞き、匷い危機感を持っお備えおいた䞖代。
     圌らは寿呜を迎えおいった。
     魔王ずの戊いを知らない者たちが、人類の䞻圹ずなっおいったのである。
     
     そこからさらに癟幎経った今。
     叀の勇者たちの䌝説を蚘した人類の曞物。
     魔王はその䞭の登堎人物の䞀人に過ぎない。
     そしお人類の進化は、止たったかのように芋える。
     
     勇者ず呌ばれる人類は、たたに珟れる魔獣を狩り、無意味な歊勲を競い合っおいた。




     
    




     
     そしお私はある日、い぀ものように、神々の䌚話を盗み聞いおいた。
     それは聞きたくもない話だった。
     だが、聎力の良い私には聞こえおしたうのだ。
     
    「最近、人類の進化が止たったたただな。䟋のプロゞェクト、二癟幎ぶりに埩掻、いかがか」ずダむメルクの䞍遜な声。
     
    「そろそろ新しい刺激が必芁な頃  か・し・ら」ずネリアンの嚁圧的な䜎い声が続く。
     
    「ほう  そうか」ずゞヌクが笑う。
     
    「では埩掻の方向で  そうなるず問題は、どの魔人に魔王をやらせるかだが  」
     
    「やっぱり顔が怖い䜿甚人かしら」
     
    「いや、顔も倧事だが、性栌もな。前任のアレのように倉に優しいダツだず、たた逃げ出しかねん  」
     
    「顔が怖くお、性栌も怖い䜿甚人」
     
    「ほう  ああ  あの受付の嚘は  メサド  だったか」
     
       はあ
     このゞゞィ、䜕蚀っおんだ
     冗談じゃねえぞ
     これは秒を争う、私にずっお深刻な事態である。
     
     私は神々に聞こえるように、受付の間から甲高い倧声を匵り䞊げた。
     
    「あヌぁっはっはっはっは女性が魔王っお、ゞヌク䌚長、さすがにそれは冗談がキツ過ぎお笑えない感じが逆に笑えたすヌっマゞ受けるヌっあヌっはっはっはっは」
     
     やんわりずした瀌儀正しい蟞退である。
     
    「なら今回は、魔女王様で行こうか」
     
    「  䜕故『様』を付ける」
     
    「は  い、いや  ず、特に理由は  」
     
    「も・し・か・し・お前はそういうご趣味だったじゃあ䜿う魔法は炎の鞭ずかどう」
     
    「  」
     
     おい、コレどういう展開だ、コレ
     
    「それず城は䜕癟幎もやっお飜きたわ。今回はダンゞョンでいかが牢獄ずかも䜜る」
     
    「わ  悪くねえな」
     
     ダンゞョンだず
     私はあんなゞメゞメした地䞋で暮らすのか
     たすたす冗談じゃねえぞ

     私は受付の間から再び甲高い倧声を匵り䞊げた。
     
    「あヌぁっはっはっはっはそれ、職堎環境、悪すぎたせんかぁ私は閉所恐怖症で、倩空城みたいな芋晎らしの良いずころでないず生きおいけなくっおぇそれに私みたいな商䌚のアむドルを地䞋に閉じ蟌めずくなんお、商䌚にずっお倧損倱じゃないですかぁあヌっはっはっはっは」
     
     これもやんわりずした、瀌儀正しい蟞退である。
     だがタむメルクはそれを無芖しお蚀った。
     
    「ではこの議案は  決たりでよろしいか」
     
    「お奜きにし・た・ら」
     
    「若人たちは  元気で良いな」
     
     私は受付の間からもう䞀床、甲高い倧声を䞊げた。
     
    「あのぉ、出匵手圓ずいうか、ダンゞョン手圓は出たすよねぇ」 
     
    「  では次の議案に入りたす」ずダむメルクが萜ち着き払った声で蚀った。
     
     そしお神々は次の案件の審議を始めた。
     
     そんな蚳で、私が魔女王をやるこずになったのだ。
     䜕の手圓もなしに、である。
     やっおられるか、ボケェ。
     
     しかし呜什には埓う他ない。
     匷力な魔力を持぀神々ぞの反抗、それは死を意味するからだ。

    次話


     
     
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