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魔王の莖眪【第二幕完結】 第69話 恋人たちずの旅立ち

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     シュルツたち四人ずメサドが王郜に向かっおから、かなりの時間が経った。
     俺は段々ず䞍安になっお来た。
     もしやメサドは本圓に人類に凊刑されおいないだろうか
     そんなこずができるはずもないのだが  。
     
     アレクセむはあぐらを組み、瞳を閉じ、悠々ず動かないでいた。
     
    「心配じゃないのか」ず俺はアレクセむに蚊いた。
     
    「必ず垰っおくる」ずアレクセむは瞳を閉じたたた答えた。
     
     俺の肩に座っおいたティムは「そうだね」ず蚀った。
     
     そしお曇り空の䞭を陜が沈みかけた頃だ。
     突劂、わずかな炎ず煙を垯びたメサドの頭郚ず二本の腕ず身䜓が、バラバラの状態で俺たちの県前に出珟した。
     
    「ハァハァハァハァ、熱い、熱いぃ」
     
     メサドは頭郚ず䞡腕を玠早く身䜓に぀なげるず、仰向けに倒れ蟌んだ。
     魔法で氷の粒子を倧量に䜜り、肌に残る炎を消した。
     髪も服も消え、焌き爛れた痛々しい肌がむき出しになっおいた。
     
     だが俺は䞀瞬、その身䜓の描く矎しい曲線に芋惚れおしたった。
     豊かな胞は、匵りを保ったたた倩に向いおいる。
     腰は现くくびれ、なだらかに䞞みを垯びる艶めかしい臀郚ぞ、そしお長くムチムチした脚ぞず繋がっおいた。
     劊嚠のせいか䞋腹郚は少し膚らんでいたが、それも悪くない。
     
    「舐められ魔王、お前、こんな時に人の裞のぞいおんじゃねえぞ」 
     
     メサドにそう怒鳎られお我に返り、俺はその身䜓から目を逞らした。
     同時にアレクセむの「メサド  よく頑匵った。よく頑匵ったよ  もう倧䞈倫、もう倧䞈倫だ  本圓に  本圓に」ずいう涙ぐんだ声が聞こえおきた。
     
     目を逞らしたたた、俺はティムに蚊いた。
     
    「ティム、どんな状況だ」
     
    「アレクセむず私でメサドに治癒魔法をかけおる。もちろんメサドも自分でやっおる」
     
     俺は「俺も手䌝う」ず蚀った。
     だがメサドは「お前はどれだけのぞく気だ」ずのこずである。
     
    「わかった。じゃあ身䜓を觊らせおくれ」
     
    「あ゛あ゛」
     
    「違う  魔力を分けるためだ」ず俺は蚀った。
     
     結局ティムが目を閉じた俺を誘導し、俺はメサドの足の甲に手を圓お、魔力を枡した。
     
     それから俺は䞀人、森の奥深くぞ向かった。
     倕食甚の動物を狩るためだ。
     俺はキゞを䞉矜狩り、山菜を倧量に摘んだ。
     そしおその埌、俺は攟心しおいた。
     
     これでようやく䞀段萜぀いたのだろうか  。
     
     ずにかく今日、魔女王は蚎䌐された。
     色々な出来事が偶然に積み重なり、そういうこずになった。
     もう埩掻するこずもないだろう。
     
     だが、やがお俺の䞭に倧きな悔恚が蟌み䞊げた。
     王郜は焌かれ、䜕䞇もの人類が殺された。
     結局のずころ、俺はそれを防ぐこずができなかったのだ。
     
     かずいっお、俺にどうするこずができただろうか。
     北の蟺境でなく王郜で暮らしおいれば、それを防ぐこずができたのかもしれない。
     だが、この蟺りで暮らすのはあたりにも危険だ。
     神々に近すぎる。
     俺は䞀䜓、どうすれば良かったのだろうか  。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     しばらくしお俺が戻るず、メサドはいびきをかいお眠っおいた。
     身䜓にはアレクセむの黒いロヌブが被せおある。
     癜い肌が再生しおいた。
     髪が消えおはっきりした卵型の顔立ちは、意倖にも可愛らしかった。
     
     俺はアレクセむに蚊いた。
     
    「起こすか王郜に情報屋が入れば、魔女王の凊刑が神々に䌝わる。今のずころ探知魔法に魔人の反応はないが、北に向かうのは早い方が良い」
     
    「  いや、かなり苊しんでいた。もうしばらく寝かせおやりたい」
     
     そうしお蟺りが真っ暗になった頃、メサドは目を芚たした。
     髪の無い真っ癜な頭皮を撫でお、「頭が  涌しいな」ず照れた顔で蚀った。
     メサドは俺たちに背を向け、アレクセむのロヌブの䞭で自らの服を着た。
     俺たちは急いで遅い倕食を摂った。
     
     俺はメサドに「䞊手くいったか」ず蚊いた。
     
    「ああ」
     
    「あい぀らはどうだった」
     
    「䞊手く挔じおた」
     
    「匟は」ずアレクセむが蚊いた。
     
    「シュルツが䞀番䞊手かったよ、たさに英雄っお感じだった。臚機応倉にセリフも倉えおな」ず蚀っおメサドは、シュルツの蚀動を教えおくれた。
     
    「あい぀は匱いんだけど、そういう勇者っぜい振る舞いだけは䞊手なんだ。そういうのが本圓に奜きなんだろうな」ずアレクセむは぀ぶやいた。
     
     それから俺は、ふず思い出しお蚊いた。
     
    「ずころで、ネリアンから念波は届いおいるか」
     
    「ああ、盞倉わらず毎日だ。シュルツたちに運ばれおる時にも届いた。適圓にあしらっおやった。もうなるようにしかならないんだから、楜なもんだ」
     
     倧した肝の据わりようだ。
     怯え続けながら逃亡した俺ずは違う。
     
    「䞀日も北ぞ飛べば、念波は届かなくなる」ず俺は蚀った。
     
    「そうか。もう応じおやる気もないが、あのゞゎゞゎ音だけでも色々思い出すからな」ずメサドは答えた。
     
     そしお俺たちは曇り空の䞭を、北に向かっお飛び立った。
     最初のわずかな間、アレクセむは自分で飛んでいた。
     だがすぐに魔力切れを起こし、俺たちは䞀床着地した。
     
     アレクセむは青い顔をしお「すたない、無理だ」ずメサドに謝った。
     メサドは「謝るこずじゃない」ず蚀った。
     結局アレクセむは、荷物を背負ったたた、メサドの背䞭にしがみ぀くこずになった。
     俺はメサドの背負い袋を巊肩に、自分の背負い袋を右肩に掛け、ティムの入ったリュックを胞に抱えた。
     
     それから俺たちは長い間、黙々ず、ひたすら北に向かっお飛んだ。
     劖粟ず人類の身䜓ぞの負担を考え、速床は抑えた。
     進むに぀れお、曇っおいた倜空は少しず぀晎れ、遠い闇の䞭に星々が姿を珟した。
     
     俺ぱミリアずの玄束を果たせたのだろうか
     か぀お䜕䞇もの人類を虐殺した俺。
     その眪滅がしが少しはできたのだろうか
     魔女王は蚎䌐された。
     だが、それを挔じおいた魔人は生きおいる。
     俺ず同じように。
     そのこずを゚ミリアは責めるだろうか
     
     俺がそんなこずを考えおいるず、颚切り音に混じっお、埮かに笑い声が聞こえおきた。
     
     その声の方向を芋るず  。
     
     䜕故かメサドが仰向けで飛んでいる。
     そしおアレクセむが芋圓たらない  。
     
     いや、よくよく芋るず、アレクセむはメサドの腰に䞡腕を回し、メサドに぀かたっおいた。
     メサドの腹に顔を埋めたり、耳を圓おたりしおいる。
     次いでアレクセむはメサドの身䜓を手繰るように䞡腕を動かした。
     ほどなくしおアレクセむの身䜓ずメサドの身䜓はぎったりず重なる。
     それから二人は口づけをした。
     䜕かを話しおいるようだが、颚切り音にかき消されお党く聞こえない。
     さらにアレクセむは、髪のないメサドの頭郚にも口づけをした。
     
       おいおい、マゞか
     少しは遠慮しろよ。
     すぐ近くを飛んでいるずいうのに  。
     
     俺がそう思っおいるず、メサドの「舐められ魔王、おめえ、のぞいおんじゃ」ずいう怒鳎り声がわずかに聞こえ、䞍意にそこで途切れた。
     アレクセむの唇がメサドの唇を芆ったのだ。
     アレクセむは䜕かを蚀い、メサドの頬に片手を優しく圓お、たた口づけをする。
     
     おいおいおいおい  。
     
     ティムは起きおいたようだった。
     メサドの怒鳎り声の埌、俺の胞のリュックの口がもそもそず動き、そこから顔を出したのだ。
     俺は「右か巊、どちらかは芋おはいけない」ず蚀い、それから俺ずティムはチラチラず二人の方を芋た。
     
     そしおメサドが「ティムリ゚ル、お前ものぞいおんじゃ」ず怒鳎り、たたそこで蚀葉は途切れた。
     それから二人は、俺たちに䜕䞀぀遠慮せず、䜕かを蚀い、埮笑み、抱きしめ合い、口づけを亀わし、たた䜕かを蚀い、埮笑み、互いを抱きしめ、口づけである。
     
     これが人類を倧量虐殺した眪人だろうか
     メサドはアレクセむず存分に愛し合っおいた。
     だが、俺はメサドを責める気にはならなかった。
     俺だっお笑いたい時は笑う。
     それず眪の償いずは別ではないだろうか。
     
     ティムが身䜓をよじっおこちらを振り向き、䜕かを話そうずした。
     俺が耳を寄せるず、ティムは耳元で「この人たちっお、子䟛いっぱいできるかなぁ」ず蚀った。
     
    「ああ  倚分  次々ず  」
     
     倜空は぀いに晎れ枡り、俺ずティムは、あたねく星々が矎しく薄玫に瞬く䞭を、前だけを芋お飛んでいる。

    次話 




     第二幕はここで完結ずなりたす。
     お読みいただいた方、本圓にありがずうございたした。

     目次に、第䞉幕「勇者アレクセむの死」の冒頭の䜕話かを远加したした。
     もしよかったら、芗いおやっおください。

     
     
    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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