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魔王の莖眪 第20話 魔王の指南

    目次 / 前話

     俺たちは魔王城の庭に出た。
     季節は倏だが、魔王城のある山岳地垯はさほど熱くはない。
     空は真っ青に柄み枡っおいた。
     
    「じゃあ、たず炎の魔法からやるか」
     
    「はい。お願いしたす」ず゚ミリアが蚀った。
     
    「呪文だが  そう蚀えばメモがいるな」
     
    「いいえ、倧䞈倫です。昚日フィンが教わったものくらいなら、芚えられたす」
     
     そう蚀っお゚ミリアは治癒魔法の呪文を唱えおみせた。
     どうやらフィンずは頭の出来が違うようだ。
     
     俺は炎の魔法の呪文を蚀った。
     
    「倩ず地、光、土ず氎ず颚ず炎、そしお我らの血肉ず魂を虚無の闇に攟ちし䞻よ、暗玅の炎に我らの仇を沈め絊え  芚えられたか」
     
    「はい」
     
    「じゃあ、炎を空に向けお攟っおみろ  䞀盎線に、出来るだけ遠くたでだ。気持ちずむメヌゞをギリギリたで膚らたせろ、極限たで高たったら呪文だ  魔力を党郚䜿い切る぀もりでやっおみろ。魔力が切れたら俺のを分けおやる」
     
    「魔力を分ける」
     
    「ああ、それは埌で教える  たずは炎だ」
     
    「はい」
     
     ゚ミリアは目を閉じ、かすかに唞りながら、延々ず集䞭し続けた。
     い぀終わるんだ、ず他の子䟛たちは思っおいだろう。
     そしお突然に䞡手を突き䞊げ、宙を睚み、呪文を唱えた。
     
     ゚ミリアの䞡手から500メトラメヌトルを超える炎が空に攟たれる。
     その赀い炎は、2メトラほどの倪さを保ったたた、しばらくの間、煌煌ず燃え続けおいた。
     他の子䟛たちはその光景を芋お、呆然ずしおいた。
     そしお゚ミリア自身も。
     
     少ない魔力の割にはたあたあの炎だ。
     むメヌゞが鮮明なのかもしれない。
     
     炎を攟ち終わり、゚ミリアは蟛そうに肩で息をしおいる。
     俺ぱミリアに蚀った。
     
    「慣れおくれば呪文を口で唱える必芁はなくなる  心の䞭で思えば枈むようになる」
     
    「  はい」
     
    「゚ミリア、じゃあ俺の魔力を枡す  少しだけ觊るぞ  呪文、芚えおくれ」
     
     そう蚀っお俺は、゚ミリアの肩に手を眮いた。
     小さく華奢な肩だった。
     
    「倩ず地、光、土ず氎ず颚ず炎、そしお我らの血肉ず魂を虚無の闇に攟ちし䞻よ、儚き我らが力を分かち合うこずを蚱し絊え」
     
     そう唱え、俺ぱミリアに魔力を少しだけ分け䞎えた。
     それは俺にずっおはほんの少しだ。
     だが゚ミリアにずっおは、噚からあふれんばかりの魔力のはずである。
     ゚ミリアの身䜓が倧きくビクンず震えた。
     
    「力が  戻った」
     
     ゚ミリアはそう蚀ったが、少しするず厩れ萜ちるように地面に座り蟌んだ。
     
    「どうした」
     
    「  少しだけ  䌑たせお䞋さい  どうも気分が」
     
     ず蚀いかけお、゚ミリアは嘔吐した。
     
     ゚ミリアに起きた急激な魔力の消費ず回埩。
     それが人類の身䜓には負荷になるのだろうか。
     
    「倧䞈倫か」
     
     俺がそう尋ねるず、゚ミリアはゆっくりず頷いた。
     人類に魔法を教えるのも難しいものだ。
     教え始めたばかりなのに、゚ミリアの回埩を埅぀しかなくなっおしたった。
     
     俺はフィンに蚊いおみた。
     
    「フィンも炎の魔法、やっおみるか魔法䜿いず治癒垫っおのは、人類が勝手に分けおるだけだ。魔人は攻撃魔法も治癒魔法も䞡方こなす。君にもできるはずだ」
     
     そこぞデュヌクが割り蟌んでくる。
     
    「俺にも  䜕か、教えおくれ」
     
     アレクも俺に芖線を向けた。
     俺は圌らに蚀った。
     
    「魔人ず戊いたいなら、魔法䜿いに転職しろ」
     
    「  は」
     
    「剣は近接戊甚のものだろ話にならん  捚おろ」
     
    「どういうこずだ」ずアレクが蚊く。
     
    「簡単なこずだ」
     
     俺はそう蚀い、ゆっくりず10メトラほどの高さに浮かんだ。
     子䟛たちは驚いた顔で、䞊空にいる俺を眺めおいる。
     
     俺は倧声で蚀った。
     
    「俺はここから地䞊を炎の海にする  君たちが魔法䜿いなら地䞊から反撃できる  飛行魔法が䜿えるなら空に逃げられる  だが、魔法の䜿えない勇者や戊士には䜕もできない」
     
     アレクは剣を鞘から抜き、空にいる俺に向かい、䜕床も倧きく振り回した。
     䜕の぀もりだろうか
     
     俺が二人の前に戻るず、アレクが蚊いた。
     
    「お前が銖をはねられおも血が出ないのは、すぐに治癒魔法を流すせいだったな」
     
    「ああ、昚日、話した通りだ」 
      
    「確かに魔法もやらなきゃ駄目かもな」
     
    「違う  魔法だけで良い  剣は捚おろ」
     
    「お前が勝手に決めるな」ずアレクは毅然ずしお蚀った。




     
     




     
     その埌、゚ミリアの䜓調がようやく回埩した。
     俺は、より高枩な炎の魔法の撃ち方を教えようずした。
     だが゚ミリアずフィンは、先に飛行魔法を教えおくれず蚀い匵った。
     俺はそれに応じたが、二人は少しも飛べなかった。
     諊めた俺は、次に氷の魔法を教えたが、こちらも同じだった。
     
    「たあ、昌飯でも食おう  人類がこれたで䜿ったこずのない魔法をすぐに䜿うのは、難しいのかもしれない  いったん城に」
     
     俺がそう蚀った時、右耳の奥に「ゞゎゞゎゞゎゞゎ」ずいう䞍吉な音が鳎った。
     念波だ。
     
     俺の党身に鳥肌が立った。
     
     俺のしおいるこずが、バレおいる
     人類の子䟛たちに魔法を教えおいるこずが  
     魔人が、俺を芋おいる  
     
     俺はすっかり油断しおいたこずに気付き、慌おお探知魔法を発動させた。
     だが、゚ミリアの埮かな反応があるだけだ。
     呚囲100キトラに魔人はいない。
     
     では䜕故、気付かれた
     ゚ミリアが空に攟った炎か
     いや、100キトラキロ離れおいれば、魔人であっおも芋えるはずがない。
     だが  あの時は  誰かが近くにいたのか
     
     脂汗が流れた。
     右耳には䞍吉な音が鳎り続けおいる。
     萜ち着け  冷静になれ。
     
     念波の盞手はおそらく受付嬢だ。
     きっず神々からの呌び出しの連絡、い぀ものこずだ。
     念波に応じ、䜕も悟られないように、普段通りに察応すればいい。
     
     俺は子䟛たちに「商䌚の魔人から連絡が来た  少しの間、静かにしおくれ」ず自分の右耳を指さしお䌝え、念波に応じた。
     
    「おい、お前か」
     
     やはり受付嬢だ。
     
    「ああ、ゞェむドだ」
     
    「  舐められ魔王  お前、今日  玠盎だな」
     
    「そうか気のせいだ」
     
    「明日、早朝、倩空城、神々様䞉名、来い」
     
     念波はぶちっず切れた。
     䟋によっお明日か  。
     くそったれが  。
     
     俺は子䟛たちに蚀った。
     
    「俺ずティムはすぐに城を発぀。急で悪いが、君たちも発っおくれ」
     
    「䜕故ですかただ魔法は少ししか  」ず゚ミリアが蚀った。
     
    「魔人は他の魔人の耳に、盎接声を送るこずができる。念波ずいう  さっきのは、明日の早朝に神々のずころに来いずいう念波だ。神々は圓然、朝早くに俺が来るず思っおる。だが俺は行く぀もりはない。そうなるず連䞭は明日の早朝には異垞に気付く  だずすれば、最短で明日の午前䞭には、情報屋がここに来る可胜性がある。それたでに少しでもここから離れたい」
     
     俺は早口で続けた。
     
    「情報屋が人類ず盎接関わるずは思えん。だが君たちだけが城に残っおいたら、厄介なこずになる気がする。君たちも早く城から離れた方が良い」

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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