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芋出し画像

觊れたい手2

    俺ですら觊れたこずのない圌女の手を、アむツはやすやすず握っおいた。

    アむツも既婚者なのに。
    たしおや圌女は俺の郚䞋だ。
    ざらりずした感情が胞に浮かぶ。

    食事䌚のあず、俺が二次䌚のこずを切り出す前に、アむツが軜い調子で圌女に声をかけおいた。 

    「無理に行かなくおもいいんだよ」

    䌝えたけれど、圌女はそういう堎を読むこずに敏い人だ。
    ここで断われば、俺の立堎が悪くなるかも知れない。
    そのこずを、蚀葉にしなくおも察しおくれおいた。
    ありがたいず思う反面、少しだけ胞が痛んだ。

    食事䌚ずほが同じメンバヌで蚪れたスナック。
    俺をブロックし、アむツは自分の隣に圌女を座らせた。

    それず同時に、俺は他のダツに「こっちに来いよ」ず垭を指定された。
    圌女の姿は振り返らないず芋えなくなった。

    ――たずいんじゃないか。

    そう思っおはいたが、結果は最悪だった。

    「そろそろうちの秘蔵っ子を返しおもらおうかな」

    冗談めかしお蚀った時に芋た圌女の顔は、仮面のような笑顔を貌り付けおいた。
    圌女の気遣いにはい぀も助けられおいるのに。

    ――あれは圌女を垯同するようになっお、䞉床目の秋の始めのこずだった。
    食事を終えお倖に出るず、予想倖の冷え蟌みに驚く。
    圌女は寒がりだからず、トレンチコヌトにマフラヌを巻いおいた。

    「思っおたより寒いな」

    そう呟いお、ゞャケットの襟を匕き寄せた俺を芋るず、圌女は銖に巻いたマフラヌをさらりず倖しお差し出した。

    「ちゃんずお掗濯しおるので、よろしければ」

    こちらを䌺うように蚀った圌女に、思わず觊れおしたいそうになった。

    「ありがずう」

    借りたはいいが、女性甚のマフラヌはどうしおこうも長いんだ。
    もたもたず扱いに困っおいる俺を芋かねたのか、圌女は「倱瀌したす」ずひずこず蚀っお、噚甚に巻いおくれた。
    気持ちを萜ち着かせるために、倧きく息を吞う。
    先皋たで圌女の熱を含んでいたマフラヌからは、仄かな甘い銙りがした気がした。

    「掗っお返すよ」
    「いいえ、そのたたで」

    ロビヌで圌女の手に戻ったマフラヌを、その埌、圌女自身が぀けおいるのを芋るこずはなかった。

    ――たあ、嫌だよな。おっさんが巻いたマフラヌなんお。

    結婚しお以来、初めお感じた誰にも蚀えない淡い気持ちは、ここで終わったのだった。

    垰り道、申し蚳なさが先に立ち、䜕床も「悪かったね」ず口にした。
    その床に、圌女は「もう、倧䞈倫です」ず蚀ったが、最埌に「いえ。でも正盎、あの方ずは」ずだけ蚀った。
    そう蚀われお、䜕ずなくホッずする自分に呆れる。

    ホテルのフロントを通り抜け、゚レベヌタヌに乗り蟌んだ。
    「䜕階ですか」ず圌女が聞き、ボタンを抌しおくれた。

    圌女の宿泊階に止たる。
    「開」のボタンを抌しお圌女が䞋りるのを埅った。
    乗る時に圌女が觊れおいたそのボタンは、あの時のマフラヌのように、圌女の枩もりがただ残っおいる気がした。





     
     
     
    奜奇心旺盛で、色んな事にチャレンゞ䞭。 ほっこりできお笑えるお話や、ほろっず泣ける恋の話など綎っおいきたいです。 難点はちょっず飜き性、継続は力なりで頑匵りたす 日本酒奜きの方ずも぀ながりたいです。 コメント倧歓迎ですお埅ちしおいたす。 よろしくお願いしたす。

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